終わりというのは物語のように劇的ということはないようだ。
一面清潔なタイルで張り巡らされた集中治療室。清潔感はある。しかし、病院特有の息苦しく、生きにくい。けれど仕方のないことだ。
この世界はとても生きにくく、不適合者が生き残れない環境で、ひ弱な私が生き残れなかっただけのこと。
必死に生き残ろうと金を注ぎ込んだが、いやはやなんとも見苦しい入院生活であった。死んでいるのと変わらない。未練というにはあまりに小さい。
自由が欲しい。一度だけでいい。大地を自由に駆け抜けたい。大空を飛んでみたい。これは我儘だろうか? 良いではないか、人間は欲がなければ生き残れない生き物なのだから。
間もなく日付が変わる。
残り1分……意識が遠のく………20……あぁ…これが死か…なんとも心地よいようで…なんとも悲しいものだ、
嗚呼…死にたくない…な…。
真っ白な世界が広がっていた。
身体が動かないのに不自由さを感じない。
夢の中のようでありながら消えたはずの意識がちゃんとあった。
落ちていると感じたのは下にある黒いモヤが徐々に広がっているから。
白いモヤから黒いモヤに変わる。
不快感は感じない。
それに支配されていく、一体化していく、私はただされるがまま自身の身をゆだねた。
遥かな昔からその名が語り継がれる『伝説の黒龍』。
太古に栄えた古代文明の時代よりその存在は伝承され、各地に残る壁画や竜人族に伝わる口伝等から自然をも超越する存在と推測されていた。
だが、高度な文明を誇った古代人をしてもこの龍の正体を見定めることは叶わず、その実体を確認した者は誰一人いなかったという。
しかし、人間が繁栄を極めた頃、伝説であった黒龍は、一夜にしてとある王国を滅ぼし、その城に棲み付いた。
王国の崩壊をもって伝説は現実となり、黒龍の存在は実証された。
そして王国に赴いた調査者はその悉くが帰還せず、遂にその場所は侵入禁止区域となる。それから千年余り、人々から忌避され続けた黒龍は再び伝説の存在となり、いつしか御伽噺や童歌に登場する空想上の怪物として語られるようになった
────説明文を一通り読むと、そこ画面を前にとあるプレイヤーが目を輝かせていた。
「ほ、ほしい……」
ギルド、アインズ・ウール・ゴウンのギルド長モモンガがつぶやく。廃課金の亡者モモンガはコレクター魂にかられ新しく登場したガチャの景品を前におもむろに課金画面に進んでいた。
「どうですかモモンガさん」
「……爆死です」
「あちゃー…そもそも当たり枠3%の中の0.0001%で、上限無し。やってられないですよ」
「しかし、コレクターとしてこれは譲れない!!」
何度も課金画面に進み、そして、ひと段落つきました。結果は変わらずハズレくじ。地面に膝をつき無言のモモンガと、その隣で気まずそうにしているギルドの仲間、ペロロンチーノ。そこへやってきたのはピンク色の謎の塊だった。
「あれ~、モモンガお兄ちゃん、どうしたんですか~?」
「姉ちゃん……今、ちょっとそっとしておいて」
「……ぶくぶく茶釜さん、今、期間限定イベントガチャ爆死しました」
「あ~……」
ゲームの中で雰囲気のくそもないのだが、モモンガのことだ、かなりの額を突っ込んだのだろうと予測し、反応に困るぶくぶく茶釜。
「なら、私もちょっと引いてみようかな」
「「え?」」
「なに?」
「いえ、ぶくぶく茶釜さん、すでにドラゴン持ってるじゃないですか」
冷や汗とも違う何処か後ろめたそうにしているモモンガ達に小首を傾げるぶくぶく茶釜。首と呼べる部分というより、身体全体を傾かせているという方が正しいが。
「けど、無料十連はあるのでしょう? 引かなきゃ損じゃない」
「ま、まぁ」
「あ」
ナザリックの一角。
第六階層「大森林」
温度・湿度ともに過ごしやすい空気で、緑の香りと酸素濃度を濃く感じる場所。ナザリック最大の敷地面積を誇り、大半を鬱蒼と茂る木々が支配している樹海ともいうべき場所。
侵入者を迎撃する闘技場や蠱毒の大穴、歪みの木々、塩の樹林、木々にのまれた村跡、底なし沼地帯、移住者の為に造られた村などが存在する。村の北には湖もある。墳墓を徘徊しているアンデッドのようなモンスターはおらず、通常ではPOPしない魔獣たちによって守られている。
空はあるが上空200m地点まで続く不可視の壁があり、それ以上先にいけないようになっている。時間と共に太陽が上り昼夜すらある。夜空の作り込みはブルー・プラネットが最も気合を入れて作った理想の世界の具現である。
第五階層から第六階層への転移門、第七階層から第六階層への転移門はどちらとも闘技場の中にある。
その一角に不釣り合いな建造物が存在した。
完全な廃墟と化した常に怪しげな霧と暗雲に満ち、異常なまでに空気が重苦しく好奇心から探索する者も皆無であろう。生物の気配は一切無く、不気味なほど静まり返っている。
印象としては、廃墟となった西洋の城塞といったところだろうか。フィールドを見渡せば、城門や水道橋のようなデザインの橋といった城内設備が見えるほか、
遠方には城と共に放置された城下の家々なども確認でき、また、色味こそ違うものの、相変わらず禍々しい空は健在。
西方の空には稲光が迸るブラックホールのような正体不明の空間が発生しており、より一層禍々しさが増している。
そこには"シュレイド城跡地"と呼ばれていた。
確保したぶくぶく茶釜と、設定を忠実に再現したいアインズ・ウール・ゴウンのギルドメンバーたちにより、暇を持て余した城復興計画がなされた。
黒龍 ミラボレアス。
全身は禍々しい紫黒の鱗と甲殻に覆われ、忌わしく黒光りする四本の角の生えた頭部、長い首と尾を持ち、
背中にはその巨体を包み込めるほどの巨大な一対の翼を有するとされる。
その姿は「ドラゴン」という言葉から連想される存在を、そのまま具現化したかのようであるという。この世界の全土をわずか数日で焦土へ変える力を持ち、世に災いをもたらし、すべての命を脅かす生ける災厄そのものである。
その存在の前では山の如き巨龍でさえも恐怖に駆られ、その領地を前にすれば古の龍たちすらも踵を返し逃げ去ってゆく。
灼熱の劫火を吐くとされるが、それは巨大な火球であるとも、熾烈な粉塵爆発であるとも、あるいは螺旋状の火炎放射であるとも言われ、どれが真に正しい特徴なのかは全く分かっていない。
それらについて共通する点は唯一つ、一撃であらゆる生命を塵も残さず消し飛ばす、極悪にして無慈悲な破壊力を秘めているとされることのみである。
この龍が現れたとき、必ず「終幕」「絶望」「始まりの刻」など大層な言い回しを多用し、常に笑みを浮かべ市民に不安を煽る黒衣を着た預言者が現れるという。
そこで息をひそめじっと待つ。
そこへ足を踏み入れたプレイヤーの気配を感じその黄色の瞳をあらわにする。
「懐かしい……よくみんなでわいわいやってたっけ」
「Gruuuu……」
上空からさっそうと登場する黒い龍。
「こんにちわ、ミラボレアス。私を覚えているかしら?」
目の前のプレイヤーを前に体を変化させ、巨躯がみるみる小さくなり幼い少女へと変化した。頭部には長い二本の角、体には人の皮膚と黒い鱗が混在し、服は黒の和服をはだけさせ胸部がこぞれ落ちそうだ。身体とは不釣り合いに大きな龍の腕そのもの。ふとももまで龍の模様を残し柔らかそうなふとももが見えていた。
「お帰りなさいませぶくぶく茶釜様、お帰りを心待ちにしておりました」
着物をうまく汚すことなく傅く様と容姿に、目の前のピンク色のモンスターは心の中でこう思っていた。
────ぐふっ!! 可愛い!!!
篭城戦用NPC ミラボレアス
第六階層 領域守護者
シュレイド城から出ることはない。
簡易版設定資料
「私の領域を侵す者は誰であろうと殺す」
名前;ミラボレアス
種族;禁忌の龍
役職;ナザリック地下大墳墓 第六階層 領域守護者
住居;シュレイド城跡地
属性;極悪(領域への侵入者は殺す。誰であろうと殺す。それが至高なら御方であろうと殺す)
種族レベル;不明
サブデータ
所有者;ぶくぶく茶釜
性別;不明
趣味;睡眠、観察
概要
期間限定キャラとして生まれたミラボレアス。その中に転生したオリ主。領域守護者として、ナザリックの中でも圧倒的な力を保有しており、レイドボス級の強さ。一対一で勝てるものはいない。
モモンガ達が転移した以降も領域から出ることはなく、睡眠をとっていた。
設定
遥かな昔からその名が語り継がれる『伝説の黒龍』。
太古に栄えた古代文明の時代よりその存在は伝承され、各地に残る壁画や竜人族に伝わる口伝等から自然をも超越する存在と推測されていた。
だが、高度な文明を誇った古代人をしてもこの龍の正体を見定めることは叶わず、その実体を確認した者は誰一人いなかったという。
しかし、人間が繁栄を極めた頃、伝説であった黒龍は、一夜にしてとある王国を滅ぼし、その城に棲み付いた。
王国の崩壊をもって伝説は現実となり、黒龍の存在は実証された。
そして王国に赴いた調査者はその悉くが帰還せず、遂にその場所は侵入禁止区域となる。それから千年余り、人々から忌避され続けた黒龍は再び伝説の存在となり、いつしか御伽噺や童歌に登場する空想上の怪物として語られるようになった。
あらゆる生態系を踏みつけにするべく舞い降りる『最大の脅威』にして、『あらゆる生の天敵』
生物の枠組みにすら入らない“ミラボレアス”と言う名の世に仇なす「現象」そのもの。それを謳われるのみならず、見る者全て自然と心に刻みつける程の超常的な生命体。
太古に栄えた古代文明の時代よりその存在は伝承され、各地に残る壁画や竜人族に伝わる口伝等から自然をも超越する存在と推測されていた。
領域に侵入してきたものは誰であろうと攻撃する。設定に忠実にあろうといつか真面目さ…融通の効かなさが傷。
のじゃロリ花魁美少女に変身する。