私はただガチャの景品です   作:もやしモン

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設定には従います

 ────なんだここは? 私は一体……。

 

 明確に自分の状況を理解したのはほんとうに偶々だった。人が瞬きをした瞬間、別の世界に転移していたと同じような感覚だ。復帰したのは生まれた時だった。

 

 身体は動かないけど、状況────いや、()()が頭の中に流れてきて、それが生きる意味だと即座に理解できた。

 

 どうやら私は課金ガチャの当たりキャラ。そして、ご主人様とその仲間達により城の番人としてここに存在する。

 

 私の主人とその仲間たちによってこの城は作られ、内装まで廃墟として完璧な仕上がりだ。初めは何度もここに来てくれていた我が主人と仲間たちであったが、我が主たちが一人、また一人と私の元へと来なくなった。

 

 やはり所詮私はただのガチャの商品。特に深い思い入れもないのだ。捨てられても仕方がない。

 

 所有者である我が主人、ぶくぶく茶釜さまがここに来なくなった頃、一度その弟君(おとうとぎみ)であるペロロンチーノさまが現れたが、すぐにいなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、時が経ち────今、あなたがいる。

 

 

 

 

 

 

 何故なのか、何故現れたのか全くわからない。嬉しさというものも感じている。

 

 

 

 

 

 

 

 だが、私はそう設定されたのだからその通りに動くとしよう。それが私の存在意義である。

 

 

 

「よくぞお戻りになられた我が主人。ですが、この城に踏み込んだ者は誰であろうと容赦はしません。そのつもりでここに来たのですよね?」

 

 

 

「……え、えぇ」

 

 

 

 せいぜい楽しませてください、我が主人よ。

 

 

 *****

 

 

 

 

 なぜこうなったのか、時を少し巻き戻そう。ミラボレアスをガチャで手に入れたところまで……。

 

 

 

 

 

 

 まさか一発で出るとは想定してなかったぶくぶく茶釜。モモンガがその隣で発狂したのは想像に難くない。だが、譲渡する方法がなく、困り果てていると、ギルドメンバーの一人がこう提案してきた。

 

【なら領域守護者としてナザリックの所有物にしないか?】と、

 

 申し訳なさと、別にそれくらいならとぶくぶく茶釜はその提案をのみ、第六階層の一角をミラボレアスに与えることにした。初めは雑に置いておこうかと思われたが、流石は超高レアのドラゴン。しっかりと書かれた設定に、暇を持て余していたナザリック勢達は奮起する。

 

【城の跡地って言うくらいだからボロい奴作るのか?】

【いやいや、普通にシュレイド城作ろうよ】

【待て待て、それなら城作って壊したほうが早くないか?】

【それ城が綺麗に消えるだけだろ】

 

 設定を忠実に再現した城と、

 

【城の跡地ならなんか怨霊とかいるんじゃないか?】

【普通にポップする奴置くか?】

【生物がいないのがこの城の良さだろ!!】

【BGMつけようぜ!!】

【パイレーツ・○ブ・ふふんふん!!】

【何故それ?】

 

 登場シーンから演出まで、

 

【このブロックがいい色合いだな、もっと取ってこよう】

【ひゃっはー! 冒険だぜ!!】

【ちゃんと晩ごはんには戻ってくるのよ〜?】

【はーい、ママ!】

【蟲顔のママとか誰得!? そこは金髪のじゃろり巨乳にしようぜ!】

【俺は胸がない方が好きだ】

 

 その為に足りなかった高レア度のアイテムを取りに出かけたりと、久しぶりに皆で協力して楽しむという行為が出来、いつのまにか皆に愛着が湧いていた。

 

 

 そして、完成したのがシュレイド城跡地だ。

 

 

 

 

 領域守護者として存在する私は、設定に従い現在、ぶくぶく茶釜様に攻撃を仕掛ける。

 

 

 少女の姿から再び黒龍へと変身し、ご主人様も身構えていた。

 レイドボスクラスの私に対し、一人で挑む様子、流石はご主人様。一度その場を離れご主人様に見えぬように配置につく。すると偉大なる御方の作成されたBGMが鳴り出した。何もないはずなのだが、どこから出ているのだろう。曲名は”舞い降りる伝説”しっかりと私に設定されている。

 アーチ状になった橋を破壊し、ご主人のもとへと登場する。

 

「GYASASSAAAAA!!!!」

 

 黒龍の姿では喋れないので咆哮を上げます。では設定にならい、御方への攻撃を開始します。

 

 実際、私の強さは他のLevel.100よりも強く、集団で戦うことを想定された篭城戦用NPCだ。完成した直後、初めは複数で戦いなんとか倒せる程度。倒した後はアイテムがドロップするのではなく、紫の称号が手に入った。

 そして、ソロで倒した時のみに手に入る称号を求め、多くのギルドメンバーが戦いを挑んだが、攻略方法も分からず初見で突貫し、敗北を重ねたメンバーも多いい。上位のプレイヤーであれば討伐は可能であるが、何度か敗北もしている。

 

 そして、我が主人はこの称号を持っていない。というよりソロで挑んでいないのだ。彼女のスキルビルドはガチガチのタンク型である。

 

 両手に持った盾で敵をぺちぺちと叩いたり、ヘイトを引き寄せるスキルを使いながらヘイトを集め、場をコントロール。また、敵の攻撃を受けきり、毒や麻痺などの状態異常も一切通じない。

 

 だが、私には盾での攻撃がほとんど当たらない。武器が対龍族であればまだ戦えるが、ただ耐えるだけ。私の攻撃力は非常に高く、第一段階でも相応だ。そして、ある程度削ると攻撃力をさらに上げどんな装備でも数回被弾するとほぼ体力を持ってかれる。よくモーションを見て対応した立ち回りをしなければならない。

 

 タンク系の天敵と言えるだろう。

 

火炎(ボロ)ブレス Level.8 』

 

 大きく口を開け、上空から放つ火球を3連打。我が主人はやはり避けるそぶりを見せず盾で防いでいた。しかし、私は上空にいる、ここからどう攻略していくのか……見せてもらいますよ、我が主人。

 

「ぶくぶく茶釜さま!!」

 

「はわわ!! あれは…ミラボレアス!?」

 

 あれは……ここの階層守護者 アウラ・ベラ・フィオーラ様とマーレ・ベラ・フィオーレ様か。どうやらご主人様を探しに来た様子。

 

「テメェ…私たちの至高なる御方に何してくれてんだ!!」

 

 アウラ様がご立腹だ。口調が変わるくらいには…だが、設定は守らなくてはならない。

 

「ここに来るものは誰であろうと消し去る。例外はない。貴様らと踏み込んで来るのであれば葬る。そう設定されているのだから」

 

「この……そうあるべくしてそう生まれたからといって……至高なる御方を…せっかく帰って来てくれた方を傷つけていい理由にはならないんだよ!!」

 

 だが、アウラ様には私に対抗する手段がほぼない。ビーストテイマーであるアウラ様に対し、私はパッシブスキルを発動させている。”恐怖をもたらすもの”絶望のオーラと似たようなものだが、ミラボレアスの固有スキルとなっている。

 効果は自身より低いレベルまたは生物に対し狂乱状態を付与すること。ゆえに、ここシュレイド城跡地にはモンスターが存在しない。モンスターたちの方から離れてしまうからだ。

 

「……アウラ、マーレ、手伝ってちょうだい。とりあえずミラボレアスを地に落とすわ」

 

「「は、はい!!」」

 

 我が主人は2人の階層守護者と協力することを選んだらしい。さて、どうなるか……設定は絶対なので、処理します。

 

 

 

 

 

 




予想以上のお気に入り登録にめちゃ驚きです。ありがとうございます。
思いついたものを書いていくスタイルですので、気長にお待ちください。

設定

名前;ミラボレアス

種族;禁忌

役職;ナザリック地下大墳墓 第六階層 領域守護者

住居;シュレイド城跡地

属性;極悪

種族レベル;龍

 

サブデータ

所有者;ぶくぶく茶釜

性別;女にされた

趣味;睡眠

 

概要

期間限定キャラとして生まれたミラボレアス。その中に転生したオリ主。領域守護者として、ナザリックの中でも圧倒的な力を保有しており、レイドボス級の強さ。一対一で勝てるものはいない。

遥かな昔からその名が語り継がれる『伝説の黒龍』。
あらゆる生態系を踏みつけにするべく舞い降りる『最大の脅威』にして、『あらゆる生の天敵』
生物の枠組みにすら入らない“ミラボレアス”と言う名の世に仇なす「現象」そのもの。それを謳われるのみならず、見る者全て自然と心に刻みつける程の超常的な生命体。
太古に栄えた古代文明の時代よりその存在は伝承され、各地に残る壁画や竜人族に伝わる口伝等から自然をも超越する存在と推測されていた。
領域に侵入してきたものは誰であろうと攻撃する。設定に忠実にあろうといつか真面目さ…融通の効かなさが傷。








のじゃロリ花魁美少女に変身する。



外見

龍の姿はミラボレアスそのもの。



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