「ハガネのヒーローアカデミア ~ FULLMETAL ALCHEMIST HERO~」   作:レッドファイル

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9話 USJ編( 3 ) 「針仕事だけじゃなくて家事全般得意だ、母さんのおかげでな!」

オールマイトside

 

「はははオールマイトォ。生徒に助けられてるじゃないか…平和の象徴がそんなんでいいのかよ」

 

ケラケラと笑う死柄木。笑うのも仕方ないのかもしれない。日本で最も優れているヒーローをあと一歩まで追い詰めたからだ。惜しいところで轟、爆豪が助けたがそれも問題ない。そもそものスペックで脳無にかなう人間などほぼいない、と死柄木は考えていた。

 

「ぬぅうん!!確かにかっこよくないところを見せてしまったな!轟少年!爆豪少年!ありがとう。下がってなさい!」

 

「ああん?!俺はここで下がるほど雑魚モブじゃねぇぞ!!」

 

「オールマイト。あんた1人じゃさすがに厳しいんじゃねえか?現にさっきもあのワープ野郎にやられそうだった」

 

「大丈夫!同じ手は二度も食わないさ。さあ下がって!!!」

 

「だから!!」ギュオッ!!!

 

「!!」ガシィィン!!!

 

爆轟の反論は脳無の攻撃により遮られる。オールマイトが割って入ったおかげで肉体的ダメージはない。しかし心は違う

 

(まったく見えなかった…だとぉ!!??)

 

爆豪はさっきまで相手をしていたチンピラたちとは比較にならないほどの化け物が目の前にいると自覚する。そしてそれは轟も同じである。

 

「…爆豪。さすがに下がるぞ」

 

「ああん?!てめぇビビってんのか!?」

 

「ここに俺らがいたら逆に邪魔だ」

 

「…ちっ!!!!!!!!!!」

 

特大の舌打ちを残してオールマイトの元から離れる。爆豪は冷静になれないと思われがちだが、あくまで自分の最大限を理解した上でのあの暴れ具合である。ただその最大限は言葉の通り現時点での自らの最大限。その最大限を優に超えるほど脳無は化け物であった。

 

(二人とも下がってくれたか…むっ!!)

 

下がった2人を見てほっとしたオールマイト。しかしそのすきを見逃す脳無ではない。一瞬力が緩んだオールマイトをそのまま投げ飛ばす。

 

「キキャキャキャキャ!!!」

人とは思えない奇声が建物に響く。

空中で体勢を立て直しながら思案する平和の象徴。

 

(一瞬緩んだだけでこれか!?こりゃ完全に私対策の力だな。もう残り時間は3分とない。ショック吸収、超再生。個性もおあえ面向き。しかしそれでもやらねばなるまい!!なぜなら私は)

 

地面に足が着いた瞬間轟音を残し消えるオールマイト。いや、正しくは生徒から見て消えたオールマイト。その先には怪人脳無。

 

【平和の象徴なのだから!!!】

 

ドッ!!

 

オールマイトの拳に脳無が合わせる。まるで自らの方が優れているかのように。

 

「オールマイトォ。無駄だよ。そいつの個性はショック吸収だぜ?お前が一番苦手とする相手だ」

 

ドドドドドドドドド!!!

 

「それはどうかな!!?」

 

一発が打ち終わるともう一発。それが終わるとさらに一発。それを繰り返しオールマイトの鉄拳は無数のパンチとなる。人間には視認できないほどのパンチ。それでも怪人は対応する。

 

「さすが対私!これについてこれる敵はそういないだろう!ショック吸収?!再生!?確かに私には効果的だ!だが!!それをぶち壊すのがヒーローなのさ!!」

 

 

ドドドドドガガガガガ!!

 

徐々に打ち合う音が変わる。それは脳無が押されてきたことを意味していた。

 

「はぁ!?なんで脳無がやられ始めてんだ?!」

 

「死柄木弔。脳無はあくまでもショック吸収。もしかしたらオールマイトのあまりの手数に吸収できていないのかもしれません」

 

「ああ?!そんなのありかよ!?てか何のんきに解説してんだ黒霧!お前も加勢しろよ!!」

 

「さすがに打ち合いになってからじゃ私は入れませんよ。それに彼がいます」

 

「…ああ、そう。ナイス判断じゃないか」

 

口角を上げる死柄木。

対して余裕のないオールマイト。100%以上の力で殴り続けさすがに疲労が出てくる。しかしそのかいあってか脳無の反撃はほとんどない。

 

(よし!!あと少し…で!!!?)

 

苦痛に顔を歪ませる。痛みを感じるのは足首。彼のパンチを支える足には見たことのない切り傷が刻まれていた。

 

「ああ、やっと来たかぁ」

 

「ごめん、弔。ワープ場所が悪くて。黒霧さん。もっといい場所会ったでしょ」

 

「す、すみません。ゲートを出しているとき余裕がなかったので」

 

「まあ、いいんですけど」

 

ハハッと笑う少年に気をとられそうになるオールマイト。しかしそんな余裕はない。ただでさえ苦労する脳無におそらく遠距離持ちの少年の援護が入る。タイムリミット間近の彼には詰んでいるような状況であった。

 

(彼の個性は遠距離からの刃か!?これを急所に食らったらきつい!!何とか彼を)ガドゴッ!!

 

脳無の一発がオールマイトに入る。

 

「あーあ。これ僕が平和の象徴倒しちゃった感じかな?」

 

「馬鹿いえ。作戦を考えた俺だろ」

 

「いやいや、これからとどめを刺す僕でしょ?この一発はオールマイトでも真っ二つだよ」

 

またも乱打に持ち込んだオールマイトから距離とっている少年は右腕を構える。放つのは鋼野の腹を裂いた高出力かまいたち。

 

「はい、これでおしまい」ブン

 

大きく右腕を振り、個性を発動する少年。しかしその刃は誰も傷つけなった。否、傷つける前に消失した。

 

「おい、はやく使えよ醒(せい)」

 

「いや、使ったんだけど…」

 

困惑する敵の少年、醒。そして

 

「残念だったなぁ。自慢の個性が無駄になって!!!」

 

醒にとびかかる鋼野。そのまま組み付き足場を隆起させ、隣のエリアまで吹き飛ばす。

 

 

 

「な、なんで君が?」

 

「おいおい、敵でしかも年下のクソガキが年上の俺を君って呼ぶのはよくないよなぁ!!」

 

「さっきまで普通に呼んでたんだけど。それに性格変わった?てゆーかなんで生きてるの?脇腹ぱっくりいってたよね?」

 

「勝手に殺すんじゃねぇよ。ンな傷自分で塗ったっての。昔から針仕事は得意なんでなぁ。性格に関しちゃ変わるに決まってんだろーが!死にかけてんだぞこっちゃ!」

 

(そうか、むりやり個性で縫い合わせたのか。やっぱりいい個性だね)

「じゃあもう一回開いてあげるよ!!」

 

左手で個性を発動する醒。確かに個性は発動した。不可視の空気斬撃。しかしそれは鋼野にあたる直前に消えてしまった。

 

「言ったろうが。お前の個性はもう無駄だって」

 

「ま、まさか君は」

 

「腹に一発食らったのは見極める為。まあ思ったよりもダメージはあったがなぁ!!」

(本当は普通にくらっただけだけど。まあ食らったことで見極めれるようになったから結果オーライ!)

 

「どーせまぐれなんでしょ!?」

ヒュンヒュンヒュン!!

 

何刃ものかまいたちが鋼野を目指す。しかしすべては鋼野の個性によって分解される。

 

「無駄だぜ!!慣れちまったらただの空気の塊。それを分解すんのは普段の錬成より簡単だ!!さぁ、お前の遠距離攻撃はもうない。だからこっから俺のターンだ!!」

 

両の手で地面を再構築し圧倒的物量で攻める。先ほどの津波ほどの威力はないが、多角的な攻撃。上方からの攻めに対応するため顔を上げる醒。が、

 

「っ!足!?」

醒の足元に絡みつくコンクリート。鋼野の視線誘導は成功し完全に拘束される。目の前には剣を持ち走りこむ鋼野。

 

「君の技は聞かないよ!!」

 

脱出は間に合わないと判断し、体を固め防御を決める。かまわず鋼野は剣を打つ。

 

「見せてやる!寛解流 参の技 八海山!!」ドゴッ!

 

両手、更に逆手で剣の柄を持ち、体を前に押しその反動で相手を突く。ただ剣を振るより数倍の威力をだす突き技。先ほどの戦いで突いた鳩尾を寸分たがわず突く。

 

「っぐ…ガハッ!!…ざ、残念だったね!同じところなら硬化が弱くなってると思ったかい?!君の素の力なんかじゃ僕は負けないよ!!ましてやそんな意味の分からない剣術なんかに!!」

 

「…そーかよ。けど俺はヒーロー何でな」

 

「はぁ?だから何?」

 

「一人じゃないんだよ」

 

そのまま倒れこむ鋼野、の後ろには不自然な岩が。

 

(なんだ?まるで何かを隠すような…まずい!!また硬)

 

岩の後ろから聞こえるのは聞いたことのない声。そして、知っている技。

【デトロイトォ、スマァァァッッッシュ!!!!】

 

ズガァァン!!!!!

 

日本一知られているヒーローの技。その技を打つはOFA9代目継承者緑谷出久。未だコントロールはできていないがパワーだけならオールマイトをも再現する。

まともにくらった醒はこらえきれず吹き飛び、無様に倒れる。

 

「がはっ!!い、いつから…」

 

「お前が顔を上にあげた時だよ。その時点で緑谷は俺の後ろにいたんだ。さすがに余裕がなかったからか全然気づかなかったみたいだな」

 

「ここら一帯には、ハァ、ハァ、岩がたくさんあるからね」

 

腹から血を流しながら、苦痛を我慢しながらも歩み近く鋼野。

そして未だ地べたに横たわる醒に言い放つ。

「そういうことだ。立てよド三流!オレ達とお前との格の違いってやつを見せてやる!」

 

「…流石に今回は負けかな…」

 

「ああ?なんて?」

 

「いやぁ、何でもないよ。もうお別れだ」

 

「は?」

 

黒いもやが醒の後ろに出現すると誰か引っ張る。醒はそのままズルズルともやに吸い込まれる。

 

「おい!!ちょっとまて!!?逃げんじゃねぇぞ!!!」

 

「大丈夫。すぐに会えるよ、兄さん」

 

「だから俺は一人っ子だって…!!」

 

そのセリフを聞いたかわからないまま醒は消えていく。鋼野に駆け寄るデク。

 

「に、逃げられちゃったね」

 

「…ああ。気になることだけ言い残しがってって、あれ…」

 

そこで鋼野の視界はブラックアウトする。痛みによる失神なのか。それとも血を流しすぎたのか、その場でぶっ倒れる鋼野。

その後、リカバリーガールによる修復で回復した二人。そう、回復できたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ハガレンはマジで名作。異論は認めたく無い…セリフもうちょい綺麗に入れられたかなぁ?
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