「ハガネのヒーローアカデミア ~ FULLMETAL ALCHEMIST HERO~」 作:レッドファイル
【準決勝二戦目!!鋼野vs轟!!個性的に見れば鋼野有利か?しかし相性なんざ関係ねぇと今まで試合でわかったぜ!!二人とも悔いだけは残すなよ!!試合開始!!!】
(俺と鋼野の相性はよくねぇ。早めに弱点を見つけて一気に終わらせる)
パキィィィィィィィン!!
【おおぉ!!先手は轟の大氷結!いきなり決まったか?!】
【頼呂の時よりは小さい。大方様子見だな。それに…】
パキパキパキ
「残念♪」
【鋼野には効かない】
【鋼野が出てきたぁ!大氷結には鋼野の歩いたトンネルがあるぞ!】
「これ邪魔」
バキバキバキッ
轟の氷は鋼野の分解によりどんどん水と化する。さっきまでステージを覆っていた氷は大方水か氷片になっていた。分解しながらも鋼野は手を考える。
(さて、どう攻めるかな?相性的には俺有利。5メートル半径に入ればあいつは無個性同然。
とりあえず距離詰めるか)
タッタッタッタ
軽い調子で近づいてくる鋼野に対し若干の余裕がない轟。彼の個性では鋼野への対応策は限られてくる。
(やっぱり近づいてくるか。俺の氷が効かない距離まで詰められたら防御ができなくなっちまう。ここは…?!足にコンクリを?!)
余裕がないところに付け込まれ足を拘束される。
「逃がさねえよ!!」
「ちっ!」
パキン!パキパキパキッ
だがさすがに特待生。氷を使って鋼野の頭上を飛ぶ。
(やるな。コンクリの拘束を抜けるとは…硬度はコンクリがギリ上だが氷を出す勢いしだいではコンクリを壊すことが可能なのか?それなら俺も決定打は打ちにくいな)
(何とかなったな。今は距離を保ったままこいつの個性を探る。)
「ふっ!!!」
パキパキパキィィィィィィ
【再び轟の攻撃!地面を這う氷と津波のような氷!高低差を付けた二パターンでの攻撃だ!】
「ちょっと工夫してきたところでだよ!」
バキッバキバキ!!
【やはり効かない!!これは非常に厳しいぞ轟!!】
アナウンスもあってか観客は轟の心配をする。個性の相性というものはプロにでもある。その相性さを覆すのはそれこそプロでも難しい。なんにでも適材適所というものはあるのだから悪いことではないのだが…
しかし彼だけは違う。轟本人は今の鋼野の分解に好機を見出していた。
(…いま氷を壊すタイミングが違った。若干だったが、それでも確実に。もしかして個性領域に入ると自動的に壊せるってわけじゃないのか?認識して分解している?それならまだ当てられる筈だ。こいつの範囲は5,6メートルくらい。なら)
パキパキパキパキパキパキパキパパキパキパキパキパキ
(なんだ?直接当てないで俺の周りを氷で覆ってる?覆ってきたところで、意味はないのに)
「これならどうだ」
準備完了と言わんばかりに轟はいう。そして繰り出すは
パキパキパキィィン
【轟!鋼野を覆った氷で全方位攻撃だぁぁ!!】
「げっ!?」
バキッバキバキッバキバキバキッバキバキバキバキ
【んん?!少しずつだが轟の氷が鋼野に近づいてるぞ!!…なんでだ?】
【鋼野は分解するとき認識してたってことだ】
【なるほど!!…それで?】
【つまり攻撃を感知して分解してるってことだ。自分の個性領域に入ったら自動分解ってわけじゃない。なら攻撃を全方向からすれば対処が遅れだすのもうなずける。轟は物量で攻めようってわけだ。しかし…】
【しかし…なんだよ?】
【まあみてればわかる】
(うっへぇ。なんだぁこの量。しかも俺の視界外からなるべく攻撃してきてやがる。性格わりぃな)
鋼野が轟の悪態をつくのも仕方ない。鋼野が氷に反応した瞬間後ろから氷で刺す。それを繰り返すことで確かに鋼野の対応は遅れていく。ついに氷は1メートルに圏内に入る。
「さすがの、ハァッ、お前でもこの量はきついだろ。俺は、ハァッ、この個性で、この個性だけでトップになる…おわりだ!」
バキバキバキバキバキバキバキバキ!!!
【ここで轟大大大氷結!!!!さすが鋼野も凍っている!!】
「審判。コールしてくれ。早く溶かさねぇと死んじまう。」
「え、ええ。勝者、とどろ」
ガシャァァァァァァン
大きな音が会場に響き渡る。轟の大大大氷結は確かに鋼野をきれいに凍てつかせた。
しかしその大大大氷結は見る影もなく壊される。中央に得意げに立つのは鋼野。
「言ったろ?効かねぇって」
【鋼野あっさり出てくるゥ!なんでだ!明らかに】
「明らかにお前は凍ってたはずだ?!!」
「だからだよ。凍ったときに完全に氷は俺に触れる。そもそも俺は触れてたほうが個性使えるし、しかもお前の氷は全部つながってる。だからさっきより簡単に分解できた。お前の氷結の個性は俺のカモだよ」
切り札をあっさり破られもともと余裕のない轟はさらに焦る。
(くそっ!!とにかく距離を保て!あっちにも遠距離の決定打はねぇ)
「なめんなよ」
語気を強くして地面から刀を作り出す。そして10メートルはあるにもかかわらずそれを振りぬく。
(刀?この距離で?!)ドガッ!!
「ガハッ!?」
当たるはずのない刀は確かに轟に届く。
「寛解流 弐の技 黒龍」
(刀が…振っている間に、伸びた?!)
「こっちが遠距離ねぇとおもったか?油断してんじゃねぇよ」
寛解流 弐の技 黒龍はもともと鋼野の母、鋼野修子特注の剣で使える技。柄に伸縮性のある紐をつけ、剣を一瞬だけ遠くまで届かせる技。正々堂々と言った精神はともかく、ほぼ確実に意表を突ける技である。
そして鋼野の黒龍は刀そのものを伸ばす。振りの開始は刀を地面につけ、で振りの中で一瞬だけ個性により刀身を伸ばす。当たった瞬間に伸ばした分を分解すれば重さを問題にならない。
(これは俺の個性をフル活用した俺専用黒龍だ。母さんの技に追いつけない俺が考えた苦肉の策だったけどこれがはまった。弱点は早すぎる相手には効かないってこと。けど今の轟は)
「寒くて動けねぇんだろ」
「?!」
「本来使える個性を使わず、動けなくなって負け。お前、なめてんの?」
「だまれ…」
「俺、言ったよな。勝ちにこだわれよって。それがこのざまだよ。何がトップだ。俺はまだ、お前に傷一つ付けられちゃいねぇぞ!!」
「黙れ!!お前に…俺の何がわかる!?」
「知らねぇよ。お前の気持ちなんて。そして敵も、ヒーローも、助けを求める人も
お前の気持ちなんざ知らねぇよ」
「っ?!」
「お前の左を使えば助けれる命がそこにあってもお前は使わねぇのか?右だけでトップになる?そんな次元の話をしてんじゃねぇよ。お前の持てる力全部使って!!皆を救うんだよ!!ヒーローってのはそういうもんだよこの体育祭はそんなヒーローになるためのものなんだ!!」
「俺の左は…!!」
「てめぇの!!!個性だろうが!!!!」
刹那、轟は思い出す。小さいころ。まだヒーローを純粋に目指していた。あの頃を。母の想いを。
(焦凍…あなたは、なりたい自分に、なっていいのよ…)
「ッッッッ!!??」ボオォォォッッッ!!
【こ、これはぁぁぁぁぁ!!!】
「ネツキタ…」
観客席にまで届く熱風を発し、個性を開放する轟。その目には涙の蒸発した跡が残る。
「なんなんだよお前は。勝ちてぇくせに。何なんだよ。俺だって、ヒーローに!!!!」
「ははっ。すげぇ…」
「どうなるか、しらねぇぞ…」
「ああ、楽しみだよ」
(この火力。今のおれで行けるか?とにかく全部のコンクリを腕にまとわせて!巨大な拳に!!!!)
「鋼野、ありがとな…」
「巨人の拳《リーゼ・ファウスト》」
ズガァァァァァァァァァァァァン!!!!!
「なにこれぇぇぇぇ?!」
「どうなってんだ?!」
「うおおおおおお」
熱風氷結、そして巨大なコンクリート。その衝突は本人達だけでなく観客にも伝播する。
当の本人たちはというと、片方が壁にめり込んでいた。その片方は…
「と、轟君、場外。鋼野君。決勝戦進出!!」
(し、死ぬかと思った…)
【最後、なんだったんだ?】
【散々冷やされた空気が熱によって一気に膨張したんだ。さらにそこに鋼野の拳。まあ壱回戦と同じで相手の力をコンクリで跳ね返したってとこか…】
怪訝そうな顔で解説をする相澤。まるで何か言いたげだが、空気を読んで発言を控える。
【まあ二人ともよく頑張った。いい試合だったな】
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鋼野side
試合が終わり医務室でのリカバリータイム。いやぁ、本当はきれいなお姉さんナースに見てもらいたいところなんだけど…しっかし
「つっかれたなぁ」
「そりゃそうだよ。此処まで火傷と凍傷いっぺんになったの初めて見るよ…」
「いやーー。 最後は完全に攻撃に振ってましたもん。」
「自分の体を大切にすることを考えないかんよ。あんたは。」
「頭ではわかってんすけど…んじゃっ決勝行ってきます♪」
「……」
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『体育祭もいよいよフィナーレ!決勝はなんと騎馬戦で共に戦った仲間だ!昨日の友は今日の敵ってか?!
緑谷vs鋼野!!これで最後だ!全部出しきれ!試合開始!!!!!』