旧式鎮守府物語   作:あおさ海苔

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誤字ご指摘ありがとうございました。
完全に漢字勘違いしてました……


総力戦!

───海上自衛隊 第16護衛隊 護衛艦『ななきた』艦橋

 

 

「航空隊攻撃完了! 駆逐級3隻撃沈確実!」

 

「『ななきた』『ひろせ』からの対艦ミサイル、駆逐級1隻撃沈確実! 重巡級2隻に有効打!」

 

「山本提督、本艦と『ひろせ』は対艦ミサイルをすべて打ち尽くしました。通信管制と各種報告はこのまま当艦側で行います」

 

 

はい、艦長引き続きよろしくお願いします。

 

さて、思ったより駆逐が削れなかったなぁ……艦船からの飽和ミサイル攻撃が重巡に吸われたかぁ……松島基地には反復攻撃を依頼してください。

 

護衛艦隊は陸上と艦娘への艦砲射撃に対して迎撃に徹して。

 

 

「各艦主砲連続発射モードで待機!」

 

「松島基地より、誘導弾の残弾残り全力一回!」

 

「仙台より沿岸部にて陸上部隊が陣地構築開始! 迎撃準備完了と機動戦闘車到着まで10分!」

 

 

 

「提督、艦娘隊を直ちに突入させますか?」

 

 

ううん、三笠さん。あともう一回航空隊による攻撃を待とう。それに合わせて敵が乱れたところに突入してもらう。

 

 

「つっ!? 駆逐級一隻爆沈! 横須賀の護衛艦隊より潜水艦による攻撃を実施中との事!」

 

「海上保安庁と県警航空隊、さらなる敵艦を確認! 艦種潜水艦!

 

……敵潜水艦北西2海里にて浮上! 数は一隻! 損傷して海面に血痕広がる!」

 

「八戸航空隊より、周辺には件の敵潜水艦一隻のみ確認、アスロック24発による攻撃済みとの事!」

 

 

なんだなんだ情報がごちゃごちゃしてきたぞ!?

 

誰か3行でまとめて!

 

 

「敵艦隊の被害、予想を下回るも未確認の敵潜水艦を発見、攻撃後対象損傷により緊急浮上せり」

 

「各自衛隊が予想以上に動いてます」

 

「弾の使いすぎによりしばらく演習お預けネ」

 

 

 

はい、富士さん、三笠さん、浅間さんありがとうございます。ちょっと落ち着きました。

 

 

じゃあ敵艦隊は

 

重巡 6隻、内小破2

 

駆逐 5隻

 

潜水艦 1隻 大破

 

 

だね。

宮古からの護送船団から報告はある?

 

 

「卒業生と軽空母一隻が急行中、到着まであと一時間だ」

 

「松島基地の再攻撃は最短であと15分後ネ、敵艦隊と本艦含む防衛ラインとの接触はあと20分後ヨ」

 

 

うん、では20分後予定通り次回の航空攻撃に合わせて艦娘隊突入。突入後そのまま外洋に向かって直進、敵を卒業生達に誘引よろしくね。

 

 

 

「敵艦隊の一部がもしこちらに来た時はどうしますか?」

 

 

 

高野さん、その時は沿岸部までぎりぎり引きつけて陸自の対戦車火力と護衛艦の艦砲射撃、あとは無誘導爆弾と機関砲による航空攻撃で時間を稼いで……いや、ええと、はい。誘引された敵艦の方が少ない場合は、艦娘隊によるヒットアンドアウェイで削ります。

 

 

「だから鈴谷さんと不知火さんの二人だけ出撃させるのですね」

 

 

見島さんの速力だとヒットアンドアウェイはできないからね……艦砲射撃戦で助けてもらうよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不知火! 生きて帰るよ!」

 

「当たり前です、不知火は沈みません!」

 

 

 

鈴谷は隣の不知火と共に可能な限り魚雷を過積載した各種新型艤装を射撃許可モードにし、第五戦速(最大戦闘速度)で敵艦隊に突入していた。

 

敵艦隊との距離はもはや3000mを切る至近まで迫っており、目前では敵艦隊に対して松島基地からの航空隊が発射した多数の誘導弾が着弾し爆炎と轟音に包まれていた。あの様子では誘導弾への迎撃に意識が集中しており、こちらへの対処準備はできそうにない。

 

今見た限り目の前で全身に3本の対艦ミサイルをめり込ませながら上半身ごと爆ぜた重巡級を鑑みると、敵艦隊は重巡5 内中破2 駆逐3 といったところだ。

 

重巡1 駆逐1で敵重巡5隻に殴り込むなんて本来であれば正気の沙汰ではないが、可能な限りこれらを誘引して、宮古からの護衛隊に向かってから連絡をうけ直ぐ反転しているであろう卒業生達に連れて行かねばならない。

 

できなければ鈴谷達はもちろん提督も、自衛隊の仲間も死ぬのだ。鈴谷はそれは絶対に許容できなかった。

 

 

「距離3000! 損傷艦を優先して狙うよ! 全雷装全弾発射!」

 

「不知火全弾発射!」

 

 

 

損傷して行き足の止まった敵重巡2隻と、その周りの駆逐2隻に向けて16本の魚雷が射出された。合わせて二人はすぐさま無傷の重巡に向けて狙いを定めて射撃を開始する。

 

 

艦娘隊は35.5ノット(時速約65km/h)の速度を維持しながら可能な限り射撃を行い、すれ違う数分までの間に雷撃と合わせて重巡2隻と駆逐1隻を撃沈していた。そして敵艦隊は艦娘隊に釣られて外洋へ───「なんで!? なんで鈴谷達を狙わないの!!」行かなかった。

 

 

「反転してもう一度突入します!」

 

「あぁもう! こっち見ろっ! こんにゃろーーー!!」

 

 

敵艦隊は鈴谷達を全く無視して提督の乗る『ななきた』へ直進していた。

 

 

───アノオトコノシソンヲコロセ

 

───アノオトコノシソンヲコロセ

 

───アノオトコノシソンヲコロセ

 

 

繰り返し頭に聞こえる怨み、妬み、憎しみ、ありとあらゆる負の感情を煮詰めたような声が聞こえる。

 

敵艦隊はもはや理性的行動はなく、ただひたすら提督に向かって突進しているようだった。

 

 

「ねぇ、不知火」

 

「なんですか?」

 

「なんかムカつく声聞こえるけどさぁ……ぶっ潰してやろうね!」

 

「えぇ、諦めたら陽炎達に笑われます!」

 

 

 

 提督、大丈夫、絶対鈴谷達が護るからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───海上自衛隊 第16護衛隊 護衛艦『ななきた』艦橋

 

 

「重巡3! 駆逐2! 突っ込んでくる!」

 

「誘引失敗! 艦娘隊反転再突入する模様!」

 

「海岸線に向けて全速! 距離を保ちつつ砲撃開始!」

 

 

 

ねぇ、三笠さん。変な声聞こえてたりする?

 

 

「はい、提督に対する呪詛を唱えるbloody hate……うるさいですね……」

 

 

そっか、やっぱりこれは完全に『私』単独を狙った攻撃な訳だ。

 

ならやりようはまだある。見島さんは直ちに出撃、敵重巡一隻足止めを頼みます。

 

艦長、内火艇を一隻お貸しください。私と三笠さん、富士さんで出撃します。浅間さんはここで高野さんと緊密に連携して私からの合図と意図を的確に伝えてください。

 

 

「……Ok ご武運を」

 

「喜んで『お貸し』しましょう。必ずご自身で返却願います。なにせ貸出簿への記入と押印は本人のみしかできませんので」

 

 

ん、んもう! 艦長も艦橋の人達も笑わないでください! これでも決死の覚悟なんですよ!!

 

 

「貴方の艦娘と我々を信じてください。タイミングは必ず合わせます」

 

 

ええと、は、はい。高野さんと浅間さんの連携にかかってますからね! 本当ですからね!

 

 

「見島接敵! 駆逐と重巡一隻ずつと格闘戦中! あっ、駆逐撃破! 駆逐撃破!」

 

「敵重巡砲撃! 至近弾!!」

 

「CIWS利用許可! 一発たりとも本艦に当てるな!」

 

 

 

さあ行くよみんな。絶対生きて帰るんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督と共に内火艇に乗り換えて、私と富士さんは直ぐに艤装を展開する。私は座ったまま、富士さんは内火艇から伸びたロープを自身の艤装に固定して曳航されている。

 

内火艇が『ななきた』から離れたあと、敵艦隊からの攻撃はやはりこちらにすべて集中してきた。

 

 

──アノオトコノシソンヲコロセ

 

──アノオトコノシソン「うるさい! 提督は私達が護る! 深海棲艦なんかにやらせない!!」

 

 

 

その時、内火艇を操船する提督が頭を艤装の帽子上からではあるがそっと撫でてくれた。

 

 

「大丈夫、信じてる」

 

 

 

あぁ、その一言だけで頑張れる。こんな呪詛なんかに、悪意なんかに絶対負けない。

 

 

「提督! じゃあ行くぞ! あとは任せた!!」

 

 

 

富士さんは現在自力航行がほぼできないため、曳航による内火艇の速度を使い、その速度のまま重巡一隻に対し艤装尖端にある衝角を腹部へ突き立てた。戦艦としての重量の乗った一撃は直撃しているし、あのまま徒手格闘で撃破するはずだ。

 

 

あとは重巡一隻と駆逐ニ隻! 私の艤装でなんとか敵艦隊からの攻撃から内火艇と提督を守る。ガリガリと障壁や装甲は削られまもなく中破だ。だけどもう少し……もう少し……あとすこし……

 

 

すると内火艇が急に右に振られると同時に、提督の大声が響く

 

 

 

「浅間! 照準は任せた撃てぇ!!」

 

『Open fire!!』

 

『痛いのをぶっ食らわせてやれ!!』

 

 

海岸線に向けて全力で走っていた内火艇はすでに海岸線から500mまで接近しており、急旋回に合わせて敵艦隊へ射線が通った陸上自衛隊の52口径105mmライフル砲(機動戦闘車)、TOW 対戦車ミサイル(AH-1S対戦車ヘリコプター)、39口径155mm榴弾砲(FH70直接射撃)、84mm無反動砲(普通科によるHEAT弾射撃)他ありとあらゆる陸上火力が最初から照準の定められたエリアに対して一斉に放たれた。

 

ひとしきり続いた射撃は、しっかりと計測すれば1分程度であったが、私には長い長い時間に感じられた。

 

 

爆炎が収まり海上が晴れると、通常兵器ではカスダメしか通らない重巡と言えども片腕が吹き飛び、中破していた。

駆逐についてはもはや残骸すら見当たらない。

 

陸からの攻撃は止まっていた。弾薬補給や効果確認中なんだろうか?

 

そんな事を考えたら、提督と再び目が合う。はい、では最後やらせていただきます。

 

 

提督は内火艇を再び加速させて、中破し呆然と佇む敵重巡に向かう。

 

私は艤装の軍刀を抜く、脚が動かないならこの内火艇が私の脚だ。

 

 

 

「Return to the sea!, fucking bitch!!」

 

 

すれ違いざまの私の一撃は、敵重巡の首を何メートルも高く高く跳ね上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───野蒜訓練鎮守府近海海戦詳報

 

 

敵戦力

 

重巡6 撃沈

駆逐9 撃沈

 

潜水艦1 鹵獲

 

 

 

友軍戦力

 

艦娘

 

重巡1

駆逐1

海防戦艦1 小破

他非戦闘艦3 ※一隻中破

 

 

自衛隊

 

陸上自衛隊

 

機動戦闘車 12

FH70 8

84mm無反動砲 30

AH-1S 4

他対戦車火力多数

 

 

海上自衛隊

 

護衛艦ななきた

護衛艦ひろせ

 

潜水艦ずいりゅう

潜水艦うんりゅう

潜水艦そうりゅう

 

F-4EJ(改二)×8 ※護衛艦りゅうほう艦載機

P-3C ×6※八戸航空隊

 

航空自衛隊

 

F-2×2

F-1CCV×8

F-4EJ改ニ×2

 

 

海上保安庁

 

巡視船まつしま 撃沈

巡視船ざおう 

 

 

県警航空隊

 

くりこま(ヘリコプター)




国庫ゆるして、弾薬代こわれる


今回も誤字脱字ご指摘ありがとうございます!
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