旧式鎮守府物語   作:あおさ海苔

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建造を続けるようです?

……えーっと、今回建造されたのは『練習特務艦』浅間さん。

 

外見は亜麻色の長い髪をシニヨンにまとめて、巫女服と白い通学用帆布製肩かばんをかけたお姉さん。

 

三笠さんと特別な戦いをともに戦ったとの事で、そのつながりで来てくれたそうです。

 

三笠さんが浅間さんの性能について解説してくれているけど、つまるところ戦闘能力はなく、さらに腰を痛めているため運動はできないとの事。本人も腰をとんとん叩きながら『Sorry...』と苦笑いする。

 

ど、どどどとうしよう。手元にある『初心者でもわかる提督マニュアル【演習をしよう】』がこのままでは実行できないよぅ……

 

 

「oh……私では駄目でシタ? 妹の常磐ノ方が……」

 

「いやいやいやそんなことないです! 先生としてぜひご指導ご鞭撻よろしくお願いします!!」

 

「提督の言う通り。浅間さん、あなたは教育という点で帝国海軍随一であると信じています。これから着任する艦娘達には1945年までの戦闘ノウハウのない子もいる事でしょう。対空戦闘から船団護衛戦まで教えられるのは最期まであの岸壁で教え続けた貴方しか居ないのですよ」

 

「三笠さんにソウ言われたら調子に乗っちゃいますヨ! Thanks!」

 

 

な、なんとか落ち込ませずに済んだみたいだ。でも戦闘力が……「提督の懸念はよく理解しております。幸い提督の働きで資源には余裕があります。もう一度だけ建造されてみてはいかがでしょうか」

 

 

う、うーんじゃあもう一度だけ! 今度は不満なんか絶対思わない! そうだよね、三笠さん?

 

「フフッ、そうですねぇ。では妖精さん、もう一度建造をよろしくお願いしますね」

 

「では三笠さん、Let's go! 私が解体された後の戦い方を教えてくだサーイ!」

 

 

 

 

 

 

───三時間後

 

 

 

 

 

「Hmm……オートジャイロがそこまで進化して、各艦艇に乗せてるノは驚きデス」

 

「あれだけ酷い潜水艦攻撃を受けた以上、戦後は対潜能力獲得に躍起になったのですよ」

 

「あのボフォースが作った対潜ロケットは積んデみたいデスね。ボフォース……ボフォース…AA Gun…Damn it!」

 

「こらこら浅間さん、口が悪いですよ? 英國淑女かつ大和撫子たる私達がそんな事言ってはいけません」

 

 

先程の建造から三時間。執務室で浅間さんと一緒に戦後の対潜戦術や装備について三笠さんから教わっていたところです。

 

時に三笠さん? 浅間さんの首筋ににこやかな笑顔のまま軍刀をあてるのは英國淑女かつ大和撫子の行為なんでしょうか?

 

「提督? なにか?」

 

イエ、ナンデモアリマセン。

 

 

「けんぞうできたよー」

 

「つれてきたよー」

 

「がんばったー たたかえるひとだよー」

 

そんな感じで若干怖い三笠さんとの授業を続けていたところ、妖精さん達が執務室へとてとてと走ってきました。かわいい。

 

そしてなんと! 今度は戦闘可能な人が呼ばれたようです!

 

これで「運営(三笠さん)」「教育(浅間さん)」「戦闘(今回の艦娘さん)」でなんとかやっていけそうですね!

 

「俺は『富士型戦艦一番艦 富士』! 日本海軍の軍艦で最高厚の舷側装甲を持つのさ!」

 

現れたのは、白色の海軍制服の上からカーキというかモスグリーンというか、渋い色の上着を羽織って海軍の帽子を斜めに被ったお姉さん。鋭い目つきと自信たっぷりな表情。他の艦娘の皆さんと違って完全に黒髪短髪の男装でちょっとカッコイイ……

 

そして腰からスカートのように腰回りを囲う大型の装甲板。装甲板が付いている艦娘ということは───や、やった! 戦艦の人だ! あれ? でも艤装には大砲みたいのはついてな……

 

 

───ドンッ!

 

「今はまだ航海学校保管艦だけど、提督……お前は俺が護ってやるよ」

 

 

えっ、えっ? えぇ!?  ふ、富士さん!? なんで壁ドン!? なんでなんで!!!???

 

 

「その表情、綺麗だね……「ちょっと富士さん! 提督に失礼ですよ!!」ふん、邪魔が入っちゃったね、また今度……」

 

 

壁ドンからのアゴクイッされたけどすんでのところで三笠さんに止めてもらいました。

 

そして流し目ですっと私の横を通り抜け富士さんは去って行きました。

 

やっべぇ……なにあの男装、白い軍服がめっちゃ似合ってる……

 

 

「Hey! 提督! しっかりしてくだサイ!」

 

「提督! お気を確かに!」

 

 

ふへっ……しゅごい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───航海学校保管艦『富士』建造からニ週間後

 

 

 

 

「Hi! 練習特務艦『浅間』です! みなさん今日から勉強頑張りまショー!」

 

「座学は『浅間』が、俺『富士』が近接格闘戦と砲撃理論担当だ。ヒヨッコ共、期待してるぞ?」

 

「記念艦『三笠』です。秘書艦業務を中心とした実務系の教師としてみなさんよろしくお願いしますね?」

 

 

「「「「はい!!」」」」

 

 

 

20XX年、鎮守府は学校となっていた!!

 

 

「提督? 提督、一言みなさんによろしくお願いします」

 

 

えっ、あっ、まって。いや、そんなキレイな輝く目で生徒の艦娘さん達こっち見ないで……えーあーーーー

 

「───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『野蒜訓練鎮守府』

 

東日本で建造された艦娘がまず通う、初等訓練から始まる高度な指導育成鎮守府。

 

秘書艦業務から格闘・砲術理論、海上護衛戦に至るまで『空母機動部隊訓練』以外なんでも教えられると言われる。

 

厳しくも優しい教官艦娘と、人の特性を見るに長ける提督により、訓練を受けた艦娘の撃沈率は平均に比べて極めて低いと言う。

 

 

※鎮守府近くにある牡蠣小屋で提督らしき人物がバイトしているのを見た。

 提督らしき人物が艦娘の航行訓練に合わせて自転車で追いかけていた(時速50km/h)など、真偽はともかく逸話がたくさんあることでも有名。




最高速18~20ノットしか出ない艦艇で38ノットとかで距離を詰めてくる第二次世界大戦型駆逐艦とか、戦艦で30.5cmの主砲だけと最大射程13,700mだから、最大射程26,673mで20.3cm砲ぶっ放してくる重巡とか相手に実戦で戦えるか! 訓練か後方勤務しかできないんだよぉーーー!!
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