───野蒜訓練鎮守府 記念艦 三笠
気持ちを切り替えましょう、できないけれど、とにかく、とにかく勝たなくては。
まずはじめに、提督の献身により超弩級戦艦3 前・準弩級戦艦5が新たに艦隊に加わりました……提督の為、必ず彼女らと勝利します……
しかしそれでも敵艦隊との戦力差は圧倒的ですね。それに建造されたばかりの艦娘は……えっ、なぜ姉様含め皆さん戦えるんですか?
「三笠ちゃんを助けてって声が聞こえたの。だからお姉ちゃん達はもうそれだけでヤル気200%だよ!」
「殺気スイッチも入ってるからね」
二人とも顔は満面の笑みだけど目がまったく笑ってない。
えっと、はい、姉様達こわい。
……それはおいときまして、見島さんがいきなり改ニになったような物なのでしょうか。
ふと思い出す。私達山本提督に建造された艦娘は、今までも特定条件下で練度50ほどを発揮できる事を。
もしかすると姉様達は私を守るためが特定条件下?
「挨拶もほどほどにしてもらおうかの。三笠提督代理、攻撃命令は良いが具体的な指示をくれんかのぅ」
「発砲していいんだよな? ぶっ放して良いんだよな?」
「ノーガードでの殴り合いこそ英國淑女の嗜みね」
「たとえ装甲を貫徹できたとしても、私の心までは貫徹できないと思い知らせてやりましょう」
「……しゅれ、紅茶娘がこわい」
「そうだね……我々は旧式艦だから上手く立回ろう」
イギリス・ドイツ両国艦娘もまったく練度として問題ないみたいです……艦隊決戦での適性なのでしょうか。
まずは具体的な指示を出さないと!
まだ敵艦砲射撃が周りに落ちてきている、まずは海岸から敵艦隊を引き剥がさないと。
戦闘割当は今妖精さんに転送しますので各自確認願います。
敵戦艦9
対応艦娘
超弩級戦艦3(リヴェンジ カナダ センチュリオン)
前・準弩級戦艦5(敷島 朝日 シュレジェン シュレスヴィヒ・ホルシュタイン ヘッセン)
「承知した。では私、リヴェンジが指揮を執る。数では拮抗しているが実質9対6ってところだな」
「リヴェンジ、不安?」
「まさか……滾るなぁ、戦艦相手は滾るなぁ!」
あ、あの、無理はしないでくださいよ? 英国の皆さん以外の戦艦では敵戦艦へ遠距離砲撃戦では有効打が「つまり突撃じゃな? まかせたもれ!」「jawohl 突入します」「たいかんせんとう、ふふふ……対艦、戦闘………ふひひ」
えーっと、ご、ご武運を!!
「よっと、まずは行ってきましょー!」
「行ってくる……あとでお姉ちゃん大好きって言ってね三笠」
……こほん、他の艦娘も出撃できる者は続いてください。
指揮は夕張さんにお任せしますので、敵軽巡と駆逐艦の相手をお願いします。可能な限りはやく殲滅し、戦艦部隊の援護に回ってください。
敵艦隊
軽巡洋艦4 駆逐艦3
対応艦娘
重巡洋艦1(伊吹)※魚雷未装備
軽巡洋艦1(夕張)※魚雷未装備
駆逐艦1(楢) ※魚雷残弾なし
潜水艦1(公称第2900号) ※魚雷残弾なし
『勝てじゃなくてはやく勝てってなかなか無茶言うね〜 まぁ私に任せて! 伊吹ちゃん、しっかり付いてきてね。貴方の火力が勝負の鍵だよ!』
『がんばるっす!』
『魚雷在庫ないから身軽に撃ち合いしてくるね!』
『ゆー残弾なしなので妨害活動するって』
こちらは伊吹さんが頑張ってくれればなんとか解決できそう。空母改装や航空巡洋艦改装もされていない純粋な重巡洋艦だから軽巡相手に活躍を期待します。
後は戦艦水鬼だけですね。アイツを何とかしない限り勝利はおぼつかない。今はまだ敵艦隊の最後尾でこちらを見下すように嘲笑っているけれど、敵主力の戦艦部隊に加勢されたら本当に対応しようが無くなる……
ジェット機の轟音が上空に劈く。対艦ミサイルをありったけ搭載したロシア戦闘爆撃機隊だ。
『航空隊は先に始めさせてもらってるぞ、ミサイル使い切る勢いだか敵機ほぼ撃墜!』
『Su-34のKh-35空対艦ミサイルは温存してある、何時でも撃ち込めるよ』
航空隊の奮戦で制空権は確保できたようですね。であれば敵空母はほぼ空荷ですから後回しでも良いでしょう。
通常兵力はありったけ戦艦水鬼に投入してください。
スプレイグ大佐、航空隊の攻撃にあわせてミサイル攻撃よろしくお願いします。ボレーニン艦長も同じく魚雷全弾発射願います。
『OK! あのビッチをファックしてやる!!』
『承知した、魚雷戦用意』
石巻港の対戦車ヘリコプター各隊は直ちに離陸し、劣勢の戦艦部隊の援護を、ハイドラロケットで敵照準装備などの破壊をお願いします。危険な任務ですが……
『了解した、既に何時でも飛べる状態だ。対戦車ヘリで対艦戦闘するだなんて孫まで自慢できるよ。任せてくれ』
戦艦水鬼を戦艦部隊との戦闘にいかに関わらせないかが勝敗を左右します。
どうか、どうか皆さん、山本提督の為よろしくお願いします……
───野蒜訓練鎮守府 敷島型戦艦 『敷島』
三笠ちゃんの指示を受けて敵艦隊に向けて一直線に進む。
いやはや、三笠ちゃんを助けてって声に喚ばれて来たら提督は死んじゃってるし、なんか三笠ちゃんはほっといたら自決しそうな顔してるしもーなんだろうね。
やっぱりここはお姉ちゃんPower見せつけないとね!
「各前弩級classはわかってるな、『Engage the enemy more closely』だ」
「『敵と接近して交戦せよ』ですな、承知した。ヘッセン殿、シュレ、行きます!」
「ときにドイッチュランド級の二人はお互いシュレで呼び合うのやめんかえ? 無線ではわからんぞ」
「……やだ。しゅれ、シュレ大好き」
ドイツ艦はみんな仲良しなんだね。うーん三笠ちゃんももーっとお姉ちゃんに甘えてくれればいいんだけどね〜
「妹を泣かせたやつは殺す、妹を泣かせたやつは殺す」
『oh...見島と朝日を会わせたらSchoolなDays確定ネ……』
『……朝日お義姉さん?』
「見島、帰ったらオハナシしようね?」
「なぁ日本艦、ドイツ艦、カッコよく決めたいからもう少しオウッ!って感じの反応をだな」
なんだかすんごいほんわかな雰囲気だね、初めて会った娘ばかりなのになんだかもう仲良し!
んもー! これだから石炭炊きの船ってやつはさー
───ガギィン!!
艤装に敵戦艦の副砲が当たるが、上手く受け流して弾く。
ここは既に敵戦艦『9隻』の射程内。絶え間なく身長より高い水飛沫ができる。
そうなんだよねー私含めてさぁ、石炭炊きの戦艦って『駆逐艦』並みの根性無きゃやってられないんだよね!
もう敵艦は目の前。主砲は必中射程まで引きつける……よし、撃てぇ!!
──ズガァン!!
こちらの主砲である30.5cm連装砲や、ドイツ艦の28cm連装砲が発砲される。主砲は前後に1基ずつ、今敵艦隊に向けて突進しているため、1基しか使えない。
こちらの発砲直後に敵の主砲弾が直撃する。中破かな? 妖精さんが報告してくる。装弾不良発生、浸水発生、火災発生……なるほどね、『だから?』
敵艦との距離はもはや至近、腰を落として右手を艤装に装着しゆっくりと腕をひく。一撃だ、一撃で決める。
敵艦が回避しようと副砲を連射してくるけど、もう遅いんだよね。
もう一度言うね?
石炭炊きの戦艦って『駆逐艦』並みの根性無きゃやってられないんだよね!
腰の捻りと、船の速度と、全体重をのせた衝角の一撃を繰り出す。ふふっ、ビーンゴ! 口から脳天まで貫通だね!
だらりと力なく手や艤装がしなだれ、敵艦は唯の肉塊と鉄屑の塊となった。
とても清々しい気持ちとともに周りを見ればシュレジェンちゃんの突撃が浅かったみたいで、敵艦ととっくみあっている。助けに行かないとね!
力尽きた敵艦を投げ捨てその反作用と蹴り出すことで急加速。いっくよー! Hurrah!!
「戦艦なんて嫌いだこのこのカエルみたいな艤装して余計嫌いだうわぁ!?」
敵艦に再び衝角で突進しそのまま腕を振り切る。
───グシャァ!
うん、頭ぺっちゃんこ♪
えーっと、シュレジェンちゃんごめんね? 一緒に弾き飛ばしちゃった♪
「……やっぱり連合国コワイ、戦艦キライ」
ちょっと怖がらせちゃったけど、こちらの損害は私含めて5隻中破、敵戦艦5隻撃沈確実! うーん大勝利!!
さてさて、あとは超弩級戦艦のみなさーん? ご武運を〜!
……アイタタタタタ今更着弾箇所痛くなってきたなぁいたたたたたたた三笠ちゃーん! いたいのいたいのとんでけってして〜!!
『姉様はふざけてないで他の戦艦に対する砲撃を続行してください!』
んもー三笠ちゃんのいけずぅーーー!!
リッサ沖海戦よりイキケの海戦がもっと好き