発 島村 横須賀鎮守府首席参謀
宛 山本 野蒜訓練鎮守府司令長官
『野蒜訓練鎮守府』に以下の艦娘を配属する。
三ヶ月で練成を行うべし。
重巡洋艦
『古鷹』『利根』
駆逐艦
『夕立』『秋月』『潮』
やっほー、山本提督だよ。なんか訓練鎮守府の司令長官って、日本最大の横須賀鎮守府の首席参謀より位が低いみたいだね。階級章とか貰ってないし、まぁ偉くなりたいわけじゃないからいいんだけどさ。
それはともかくこの鎮守府に所属する三笠さん、浅間さん、富士さんでは遠征や演習は行えないので資源を融通してもらうために訓練鎮守府を始めることにしました。
普通どんなに歴戦の艦船でも艦娘になると水上を走る事ができないぐらい初心者に戻っちゃうらしいんだけど、うちの三人はなんでかそれぞれの特技では練度50ほどの実力があるとのこと(妖精さん談)
ということで、今回訓練しに来る重巡の二人は秘書艦課程を、駆逐艦の三人には対空・対潜・海上護衛課程を受けてもらう事になっています。
さてさて、着任の挨拶を終えた後私は休暇と挨拶も兼ねて横須賀鎮守府まで自転車で行ったんだけど、島村参謀すんごい驚いてたなぁ……
だって山道走ったほうが空襲で狙われないし列車より安全でしょう?
って言ったんだけど伝わらなかったのかなぁ。
まぁそれはさておき、一週間お休みも貰えて運動もできたし無休の基地設営の疲れも吹っ飛んだ!
さーて訓練の様子はどうかな? まずはグラウンドから声が聞こえるから───
「お前たちは何だ!」
「「「艦娘です!」」」
「お前たちは何だ!」
「「「艦娘です!!」」」
「お前たちが護るのは何だ!」
「「「国民と仲間です!」」」
……えーっと、富士さん? グラウンドで駆逐艦の娘達を汗だくになるまで走らせてるみたいだけど、貴方のお仕事は砲術理論なんだけど……ま、まぁ富士さんだもんね、そんな気はしてたからまぁこれはこれで砲撃には体力がとかそんな感じなんでしょう。餅は餅屋で専門家に任せましょう。
さてさて、浅間さんはレーダー訓練室に居るみたいだ。
そーっと覗いて───
「Prat!! 水偵の偵察方向が違うネ! 電探の照射方向に飛ばしてどうスルヨ!」
「ああああ取舵いっぱ「Berk! Damn it!! 急旋回したら水偵が発艦出来ないヨ! その慌てると考えなしに行動する癖治すまで帰さないネ!」あああああちくまぁああああ!!!」
……うん。訓練引き続き頑張ってください。
あーえーうん、三笠さん、三笠さんはどうだろう。流石に大丈夫だよね、だって三笠さんと古鷹さんだよ? こう、ぽわぽわーな感じの訓れ───
「そこはもう少し上手く要員配置しましょう。設営隊に余剰人員がでています。彼らの適性的にどこへ応援に行かせるべきでしょうか?」
「補給隊の物資搬入が遅れているようなので力仕事として応援に行くべきではないでしょうか?」
「半分正解です。しかしせっかくの設営隊なのです。単純な力仕事より、補給艦を接舷させてそのデリックも使うと良いでしょう。水深は問題ない?」
「そうですね……あっ、でもそれだと艦舷が傷つかないように廃タイヤ類の手配をしてからでないと」
ほっ、よかった。なんか普通に授業やってる。ただ特大黒板がほぼ真っ白に見えるんだけどどれだけやってるのかな? ちゃんと休憩できてる? 前の二人がぶっ飛んでたのですこーし三笠さんも信用してはいけない気がする。
「あっ、提督おかえりなさい。古鷹さん、一旦休憩にしましょう。夜戦訓練明けですから次は三時間後とします」
「はっ! では古鷹、休憩に入ります! 提督、お先に失礼します!」
「え、あ、うん。お疲れ〜」
そう言うとキビキビと古鷹さんは荷物をまとめて部屋から出ていってしまった。
ん? 夜戦訓練明け……? 三笠さん、今何時?
「はい提督、今は17:55です」
古鷹さん夜戦訓練明けなんだよね?
「はい、04:00に夜戦訓練は終了しています」
そこからすぐ座学してたの?
「はい、それが何か……あっ、つ、つい海軍の頃の感覚で考えてしまいました。これではブラック企業になってしまいますあわわ」
あわわしてる三笠さんかわいい
かわいい
ってちがーう! そこの妖精さん、古鷹さんに休憩ではなく睡眠を要する休息を以て翌日7:00に会議室に来るように伝えて!
「すみません提督……頭ではわかっているのですが、艦娘といるとつい……」
うん、これはちょっとみんなの進捗状況一度確認しなきゃ駄目そうだ。
───ピンポンパンポーン
提督より連絡、以下の艦娘は提督室へ
浅間、富士 繰り返す 浅間、富士
提督室へ来るように
───ピンポンパン「提督! 会いたかった!」「Hi! 提督お久しぶりネ!」ポーン
うわ二人ともはっや
……さて、訓練の進捗状況を聞こうか。まずは富士さん、よろしくね。
あの走り込みはどんな事を狙ってやってたの?
「艦娘は『心』を持っているからな。折れない心があるからこそ最期まで諦めずに戦い、死中に生を求める事ができるのさ」
うん、なので一週間ひたすら運動トレーニングしてたのね。
「そうだ、まずは基礎体力が命だよ」
うんうん、なら基礎体力ができていない駆逐艦の子達の近接格闘訓練による治療履歴は後で詳しく話を聞くね。
「うぐっ……そ、それは」
はい次浅間さん、利根さんの電策戦と海上護衛訓練はどう?
「……強いストレス下においてミスや誤認が多いヨ。なので少し圧力を加えながら緊張状態で訓練してるネ」
なるほど、さっきの罵りながらの訓練はそういう事ね。
「Yes! 愛の鞭ヨ!」
わかりました、では高ストレスでおねしょしてしまい眠れず余計に高ストレス下に置かれていると寮監妖精さんから報告があがってるので、明日の訓練は中止して彼女は私が甘やかします。
「Oh……少しキツくし過ぎたネ……」
まぁ三笠さんも三笠さんで色々と問題はありますが、みんなも艦娘としてはじめての訓練教官をやっているわけです。
今回の反省点を自分なりに理解して対処法と今後の訓練プランを考えてきてね。
まずは明日は三人は対処法と訓練プランを考えてきて。訓練生は私が甘やかしてストレスと疲労抜きするからじゃあ解散!
「ありがとう提督、俺も少し焦ってたかもしれない。明日ゆっくり考えてみるよ」
「Ok...」
「少し頭を冷やしてきます……」
ほらほら三人とも落ち込まない! 明日があるさ!
───とある初期訓練艦娘の自伝より
弾薬が尽きた。大丈夫、まだ戦える。
武器がない。大丈夫、私にはこの体がある
戦える。そう、前へ、前へ前へ前へ!
「艦娘が格闘戦だとゴォベ!?」
ゴキリという音と共に感じる手応え
リ級さん、人の形をしてたらみんな殺せるっぽい?
そう、あの富士さんが教えてくれたんだから。
首があるならみんな殺れるっぽい。
魔法の言葉(訓練)で、楽しい〜仲間〜っが
ぽぽぽぽ〜い!(サブミッション)
この訓練鎮守府こっわ