転生したらSAOの世界に居ました。推しに会えそうもなくて辛いですがこれから頑張って生きていこうと思います 作:HIKARI
今さらですけど、こんな長いタイトルで大丈夫なんですかね?
初めてこの小説の目次を開いてみてそう思った作者でした。
村を出た俺達は、足下が荒れた山道を歩き、聳え立つ岩崖をよじ登り、北の洞窟を目指していた、のだが………………
転生したらSAOの世界に居ました。最初のバトルから難易度ルナティックで死にそうですがこれから頑張って生きていこうと思います。
「ソラル~!もう疲れた~~!」
「何でおぶられてるだけのお前が俺より疲れてるんですかねぇ。」
体力のないアーシャは、村を出て三分位で「疲れた!おんぶ!」と言って俺にのし掛かってきた。
それから、アーシャを背負って山道を歩き、アーシャを背負って岩崖をよじ登って、北の洞窟を目指していた。
背負われているアーシャは、最初は楽しそうにはしゃぎながら大人しく背負われていたのだが、もう背負われているのにも飽きてきたらしい。
それにしても、森の中は随分と静かだ。聞こえてくるのは、近くを流れる小川の水音や、風によって揺れている木々の葉、時折さえずる小鳥の声くらい。
こんな静かなところは転生する前の世界にはなかった。
よっぽどの田舎に行けば別だったかもしれないが、生憎俺は都会生まれの都会育ちだったから、何時何処に言っても喧騒が聞こえてきて、静寂に包まれる、なんて事は、想像すら出来なかった。
この世界に転生してから、前世では考えもしなかった事を体験したり、見た事も無いような者を見たり。最初の頃は絶望してばかりだったが、こういう事があるのなら、この世界も、
「うん、悪くないな。」
「なぁに?何が悪くないの?」
「何でもないっ。さ、ちょっと飛ばすぞ!」
「ちょっ!わっ!」
今までおぶっていたアーシャをお姫様抱っこの状態に持ちかえた俺、ソラル・ツーベルクは、生い茂る木々の谷間を流れる清流を飛び越えて、ゴツゴツした岩肌で出来た坂道を岩から岩へと飛び移って駆け登って、アーシャと二人、北の洞窟を目指して駈けていった。
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「「着いたーーーーーー!!!!」」
北の洞窟に到着。
いやぁ、たまには何も考えずに馬鹿な事をやってもいいのかもしれない。この世界に来てから、子供らしい言葉づかいやら、親との距離感やら、いろんな事に気を配りながら生きていたから、こんな事は久しぶりで、すっごい楽しかった。
「よーし!早速行くわよソラル!目指せ深紅の血薔薇!」
「ちょっ!まっ、ちょっと休憩させ………アーシャ!」
そんな感慨に更ける時間も俺の可愛い幼馴染みは許してくれない。
俺の手から降りて早々に洞窟の中へ駆け出してしまったアーシャを追いかけて、俺も洞窟の中に入っていった。
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「ソラル~、おんぶ~!」
「洞窟の中くらいは自分で歩いてくれよっと!はっ!これで16匹目!」
「だって疲れたんだもん!システム・コール!ジェネレート・エアリアル・エレメント。アロー・シェイプ!ふふん、私17匹目!」
凸凹天才カップル、ただいま北の洞窟内を探索中であります!
洞窟に入った当初は、互いに緊張感を持って、時折襲ってくる巨大コウモリを追い払いながら慎重に進んで来たのだが、次第にそれにも飽きてきて、今ではどっちが多くコウモリを倒すかの競争になってしまっている。
俺が剣で一匹づつしか倒せないのに対して、アーシャの方は神聖術による範囲攻撃で一掃出来てしまうから、この勝負は俺が圧倒的に不利である。それで一匹しか差をつけられていないのだから、俺は誇っていいと思う。
そんな事をしながら洞窟の中を探索して、俺の討伐数が42、アーシャの討伐数が47になった時、洞窟の先の方に赤い光が見えた。
「アーシャ!あれ!」
血薔薇の伝説に出てきた、洞窟の先に見える赤い光。
それと全く同じと思われる光が、洞窟の奥から差し込んでいた。
「まさか、伝説は本当だったっていうのか?」
「ええ!きっとそうよ!行ってみましょ!」
「あ、ちょっと待ってアーシャ!」
洞窟に入った時と同じように駆け出してしまったアーシャを追いかけて、赤い光の方へ走る。
やがて俺がアーシャに追い付いた頃にたどり着いた、赤い光の出所では、見る者全てを魅了するような魅惑的な美しさをもった、血のように紅い薔薇が暗い洞窟に似合わない、眩く鮮やかな真紅の光を放っていた。
「これが………深紅の血薔薇」
そう呟いたのはどちらだったか。俺だったかもしれない。アーシャだったかもしれない。或いは両方か。
そんな単純な思考さえ奪うほどに、深紅の血薔薇が纏う雰囲気は圧倒的だった。
魅惑的で、幻想的で、それでいて確かに物体としてそこにある荘厳性も持ち合わせていて、
………………キサマモ……チヲヨコセ………
そんな声が聞こえたその時、体の制御が効かなくなった。
両腕から力が抜けて、持っていた剣を取り落としてしまった。視界が急激に暗くなり、アーシャの声も遠く聞こえる。脚が勝手に動き出して、血薔薇の方へふらつく足取りで歩んで行ってしまう。
サアオマエノチハドンナアジダ?
そんな声が頭に響いた気がした。その声に応じるかのように、俺の両脚は、持ち主の意志を無視して血薔薇との距離をどんどん縮めて行く。
「ソラル!」
その時、アーシャに腕を掴まれた。刹那、ボヤけていた視界がクリアになり、体の自由が戻ってきた。
「はっ!」
「ソラル、私の目をしっかり見て。」
言われるがままに、アーシャの綺麗な碧眼を見つめる。うん、俺の幼馴染みは今日も可愛い。
「落ち着いた?」
「ああ、もう大丈夫。ありがと、アーシャ。」
「ううん。それより気をつけて。絶対にこの薔薇を美しいって思っちゃダメ。そう思った瞬間に暗示にかけられて血を吸われて殺される。」
そう言ったアーシャの横顔は、いつもの天真爛漫な笑顔ではなく、神聖術師としての真剣な表情だった。
こんな小さな薔薇でさえ暗示をかけてくるのか。やっぱりアンダーワールドは怖い世界ですね(小並感)。
それはそれとして、この薔薇どうしようか。
「どうしようね。この薔薇。」
丁度アーシャも同じ事を考えていたみたいだ。このまま放置しておいたら、いつ次の犠牲者が出るか解らないので、何かしらの処理はしなきゃ駄目なんだけど………うーん……。
「取り敢えず引っこ抜いて持って帰りましょう。ここに置いとく訳にも行かないし。」
「オッケー、じゃ伐るよー。」
という訳で、持っていた剣で深紅の血薔薇を刈り取る。特に硬い訳でもない血薔薇の茎はあっさり切れた。
「えっ!ちょっと待っ!もう!馬鹿ソラル!罠とか呪いとかあったらどうするの!」
「あ」
何も考えてなかったけど、そういうのも考えなきゃ駄目だったか。花が暗示をかけてくる世界だ。切り取った瞬間に俺も御陀仏なんて事もあったかもしれない。
「馬鹿!」
「いや、本当すんませんでした。」
ドウゥン……
そんな会話をしていた時、北の洞窟が大きく揺れた。
「アーシャ!」
「うん!」
咄嗟に互いに背中合わせになって周りを警戒していると、洞窟の壁に亀裂が入った。
ドウゥン!ドウゥン!ドウゥン!
地響きはだんだん大きくなっていき、それにつれて壁の亀裂もどんどん大きくなっていく。
ガシャァァァァァン!
そして、洞窟の壁に走った亀裂が割れ目に変わり、壁が崩れ落ちた。
その先に見えた物に、俺もアーシャも、何も言葉が出なかった。
「Gaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」
やがて俺達が抱いたのは絶望。
崩れた壁の先に見えたのは、北の洞窟に住むもう一つの伝説。かつて英雄ベルクーリと激戦を演じたとされる、巨大な龍の姿だった。
嘘でしょ?これが俺達の
転生したらSAOの世界に居ました。最初のバトルから難易度ルナティックで死にそうですがこれから頑張って生きていこうと思います。
誤字・脱字・設定の勘違い等ありましたら、教えていただけると嬉しいです。