悠久の機甲歩兵・・・もしも、序盤からもう1人パイロットがいたら・・・   作:てとるマン

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投稿期間めちゃ空いてもうた・・・そしてやばい、原作者がうちの投稿を発見されてもうた・・・頑張って投稿頻度あげよ(決心


生きた鎧

 小高い丘の上、その丘の下には一軒だけ建物がある。どうやら何かの店らしい。そんな店の前に人よりも一回りも大きな何かがいた。

 

 「ありゃ甲鉄(こうてつ)だな。旧式の砲戦用マキナだ」

 

 斜面の上から、軽薄そうな男声がカラカラとそう言った。

 双眼鏡を覗きながら、だがありゃあダメだな。と追加する。

 

「元々甲鉄は有人機だからな。自動制御プログラムなんて名前がついてても、大したことはできねんだよ」

 

 あー、勿体ない勿体ない等とブツブツ物を言う。

 そして喋るたびにカチカチカラカラと骨のような音が混ざった。

 いや、混ざっているというよりは、聞こえることが正常なのだろう。と思う。

 

 既に俺はこいつとは半年程の付き合いなのだが、そんな体で不便じゃないかか思ってしまう。

 

水色の鎧を纏った男も少なくともそう思った。

 

「骨がこすれて痛くないのかいダマル」

 

「あー、違和感はあるぞ。っていうか恭一、俺が生きてることそのものが違和感だろうが」

 

 そう返してきたのはまごうことなき骸骨だ。名前をダマルと言う。

 “俺”が目覚めた時、最初に声をかけてくれたのがこのダマルだった。

 もしかしてこういう生物種なのだろうかとさえ思ったが、本人曰くは元人間らしい。

 

 

 俺は目覚めた後、ダマルから色々な事を聞かされた。まず、俺たちが生命保存システムなる物で保管をされていたらしい、そして俺たちが保管されている間に文明が800年程前に滅びてしまったと言う事を。

 

 だが、俺には今一ピンとこなかった。なぜなら俺は殆どの記憶を失っていたからだ。一応ダマルが施設に保管されていたデータから俺が軍人で二脚歩行兵器マキナの操縦者で前線で戦っていた事しかわからなかった。

 

「まぁ、俺はいいとしてよぉ。ゼロ、お前の調子はどうなんだ?」

 

 どうやら俺が少し不安な顔でもしていたのか、ダマルが声を掛けてきた。

 

 ゼロとはダマルが考えてくれた俺の名前だ。安直だろうが俺の記憶がほぼゼロだからだと。

 

「ん?俺か?まあ、悪くはないし、俺の着てる・・・えっと黒鋼(くろがね)だったか?も調子はいいぞ。ただな、まだ世界が一度滅んだとか実感が湧かなくてな」

 

「仕方ないよ。僕だって、まだ目覚めたから1ヶ月程しかたってないからね。全然実感が湧かないよ」

 

 俺に共感してくれたこの水色の鎧・・・マキナを纏った色男の名前は天海恭一、企業連合(俺たちが所属していたらしい国の名前)の特殊部隊夜光中隊という部隊で隊長を務めていたエリートパイロットだったらしい。

そういう経緯からか俺よりも軽いとは言え記憶障害あったにも関わらず、とても頼もしい存在だとこの1ヶ月程の旅で俺は実感した。

 

 

 だが、俺の不安だと思っていた事はそれじゃない。じゃ?何かって?それはな・・・

 

「だけどな、不安にもなるだろう・・・殆ど実戦を経験した事無いような状態でマキナを着装しているんだからな」

 

 そう俺も現在、恭一と同じようにマキナを着ている。そもそもマキナってなんだ?ってなるだろう。俺だってそうさ、なんせ記憶が殆どないからな(白目

 とりあえずダマルからもらったデータで勉強したのだが、元々うちの国と戦争をしていた共和国という国が戦場に二脚歩行型兵器・・・言ってしまえばパワードスーツに戦車以上の装甲を付けた兵器を投入したのである。

 その戦果は凄まじく、企業連合もすぐに研究を開始して実戦投入する程だっだらしい。

 

それで俺が今、着装しているマキナは第二世代型マキナ、黒鋼の最終型番D-5と言い、どうやら傑作機だったらしく、様々な種類があるのだが今回は割愛する。そして、この黒鋼を発展、軽量化をし更にあらゆる事に特化させたマキナが現在恭一が着装している。第三世代マキナ、翡翠(ひすい)である。

 

「大丈夫だろ?一応射撃テストもしたし、歩行訓練をした時も身体の感覚は覚えていたようだしな。後は実戦で思い出すしがないだろ」

 

「ま、それもそうだな」

 

 ダマルが言う通りなので俺も気持ちを切り替える事にする。

 

「それで誰が店に行く?」

 

 恭一が問いかけてくるが一択しかないだろう。

 

「そりゃお前だろ」

 

「俺も恭一に一票」

 

「なんでさ」

 

「俺が店に入ってみろ。大騒ぎになるぞ。モンスターが出たって」

 

「マキナだって十分威圧的だけど」

 

「お前の中身は人間、俺の中身は骨だ。人間はびっくり箱の中身がトラップかプレゼントかで気分も変わるだろ?」

 

 確かにそうだ。

 普通の人々からしてみればホラー極まる展開である。これがせめて被り物か何かであればよかったが、彼は上から下まで服を脱げば只の骨に過ぎない。

 

「それにゼロはまだ不安がっている事もあるからな、バックアップが今回はいいだろう」

 

「ゼロに関しては分かるけど、君はモンスターじゃなくて骨だろう」

 

「いや骨だけどよ。喋る骨なんて他に見たことあんのかお前」

 

「ないよ」

 

 恭一はそう言って、水色の鎧の頭に光を宿す。

 

「弾は勿体ないから使うなよ」

 

「狙撃でもいいような気がするけど?」

 

「あんな旧式のどんくさい奴にそんな贅沢言うなよ、とは言いてぇがまあ、ゼロをバックアップで狙撃に入らせておく。ま、お前なら殴り合いで勝てると思うがな」

 

「そう言うこった、俺はリハビリも兼ねて後方支援するから任せな」

 

「わかったよ。でも、僕は最初からそういうのは、好きじゃないんだけどね」

 

「好き嫌いで戦闘なんてできるかよ」

 

「それもそうだ」

 

 手を開く、閉じる、開く、閉じる。その動作をした後、恭一は翡翠を翻し緩やかな斜面を踏みしめながら少しずつ加速していく。その後ろ姿を見送りつつ、俺も準備を始める。

 

「よし、俺も始めますかね」

 

黒色の鎧の頭に光を宿し、背中に背負っていた狙撃銃を構え、うつ伏せになり、俺はスコープを眺め始めるのだった。

 

◼︎

 

「・・・終わったな」

 

「お前の言う通りだったな、殴り合いで圧勝か・・・」

 

 ダマルの言う通り、殴り合いで敢えなく甲鉄は恭一の手で沈められた。

今は甲鉄に命令をしていた、女と男が逃げようとしているのが見える。

 

 

「ん?店から何人か出てきたな・・・っとおお、あっさり殺りやがった・・・」

 

 どうやら店の用心棒らしい男達の手で店を襲撃したらしい女と男を手際良く倒す光景を俺は眺めていた。

 

「まあ、あの程度の武装なら何人いようが恭一の敵じゃねぇな」

 

 ダマルも双眼鏡で状況を見てたらしい。俺も同意見だ。

 

「お、店の店主ぽいのが出てきたな。食料が買えりゃいいがなぁ」

 

ダマルが今後の事を心配している間に、恭一は店の店主らしき男から何かを買い、こちらに引き返し始めた。

 

「よし、ゼロ引き上げだ。取り敢えず恭一が帰ってきたらここから離脱してキャンプでもしようぜ」

 

「わかった」

 

 俺は短く返答をし、初めての実戦は何もすることなく無事に終わった。

 

 

 

 




次は2日以内にかけてたらいいなぁ
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