鬼っ子痴女海賊団ドタバタ珍道中   作:黒雲あるる

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気が付いたら年明けてて更に半年経ってたので初投稿です!!!




第七話

「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛~~ッ!!パパ上のチ〇コがぁ~~~ッ!!」

 

 幾重にも重なる斬撃が砂浜を縦横無尽に駆け巡り、道を阻む物全てを斬り裂いてゆく。気高く聳え立っていた御立派な男根も一度はミホークの斬撃を耐えたものの、続く二度目の斬撃には耐えられず脆くも崩れ去ってしまっていた。

 

「あれロジャー海賊団の誰かのだったのかよ……………というか良く一発耐え切れたな」

 

 度々"レッド・フォース号"と女鬼(めっき)族の船へ飛んでくる斬撃を捌いていたシャンクスが至極真っ当な感想を口にした。生半可な練度の武装色では到底耐えられない斬撃であるのは軽く痺れている片腕を見れば一目瞭然である。寧ろ良く一撃を耐え抜いたものだと褒めるべきだろう。

 

「あいつブッ飛ばす!!」

「やめな!あんたじゃ近付くだけで死ぬよ!」

「放せママ上ッ!あいつぶん殴らないとッ!!」

 

 あの男根を熱心に造っていた幼女の一人が血気盛んに吼える。ミホークの横っ面に一発叩き込もうと船を飛び降りようとするが、母親らしき女に即座に取り押さえられた。

 

 その判断は間違いなく正解だ。ウズメとミホークの周囲は、全てを斬り裂く斬撃と全てを叩き潰さんとする拳の応酬で死の気配が濃い領域と化している。実力のない者が迂闊に飛び込めば直ぐ様細切れにされ、肉片の欠片も残らない程にすり潰されてしまいかねない。

 

「……外野が騒々しいな」

「わりぃな、おまえが斬ったあの男根…あいつの父親のブツを模してんだよ」

「ほう?とするとロジャー海賊団の船員のものか」

「あぁ、名前はなんだったか…………確かロジャーの奴に"右腕"とか言われてたか」

「「「あのチ〇コ"冥王"のかよ!!?」」」

 

 風に乗って聞こえてきた二人の会話の内容に"赤髪海賊団"の船員達が驚嘆の声を上げる。

 

「あの人興味無さそうに見えて結構な好色家だからなァ……」

 

 "ロジャー海賊団"の船員達がどのような一週間を過ごしていたのかをシャンクスが知ったのは出航前夜の宴の場だ。伝え聞いたところ、光月おでんは数十人の女達を相手に大立ち回りを演じ、レイリーとギャバンもそれぞれが三人程の女を侍らせてちゃっかり愉しんでいたとのこと。

 

(……そういやァバギーの奴は今何してんだろうな?)

 

 当時を思い浮かべ懐かしんでいると、ふと脳裏に浮かんだのは赤い鼻が特徴であった同じ見習いの姿だった。確か、最後に会ったのはローグタウンで船長の処刑を見届けた時だったなと、シャンクスは感慨深げに悪友のような関係の嘗ての仲間を懐かしむ。

 

(…結局あいつが何をされたのか聞けず仕舞いだったな…大体想像はつくが)

 

 出航前夜の宴の場で息も絶え絶えな干乾びたバギーとお互いの無事を祝い合い、一体どのような初体験だったのかを聞き出そうとした。しかし、バギーは口を噤んだまま干乾びた身体をガタガタと震えさせるだけで何も答えようとせず、結局何も聞く事は叶わず現在に至っている。

 

(久しぶりに会いてェもんだな)

 

 手配書が発行されているのは知っているが、その金額も長い間更新されていない。死んでいる可能性も考えられるが、なかなかにずる賢くしぶとい男である。きっと今も何処かの海で楽しく海賊生活を送っていることだろう。

 

「喰らいなァ!!」

「──むっ!」

 

 シャンクスが昔を懐かしんでいる間にも、ウズメとミホークの決闘は更に激しさを増していた。

 

 二人が戦っていた砂浜は斬撃によって生じた深い亀裂や、まるで小隕石でも落ちたかのようなクレーター跡が至る所に散見され、最早原形を留めてはいなかった。二人の極まった"武装色"が鬩ぎ合い、その余波によって砂浜が赤熱化さえしている。

 

(……暴れすぎだろあいつら)

 

 この島が無人島で心底良かったと思うばかりである。

 

 二人程の実力者ともなれば、相手を殺すつもりで放った攻撃は周囲の環境をいとも容易く破壊してしまうのだ。回避されたミホークの飛ぶ斬撃は木々を斬り刻みながらジャングルの奥地へと消えていき、ミホークの顔面に風穴を開けるつもりで突き出されたウズメの拳の衝撃波は遠方の剥き出しの岩場を易々と粉砕する。

 

「ちぃッ!厄介だなその飛ぶ斬撃!!」

「軽々と回避しておいて良く言う」

 

 首を斬り落とさんと迫るミホークの斬撃を薄皮一枚のところで回避し、お返しとばかりにウズメがミホークの顔面目掛けて拳を突き出すがさらりと躱される。先程からこの応酬の繰り返しを続けているところを見る限り、両者の実力は限りなく拮抗していると見て良いだろう。

 

「お、大頭ァァ~~~~!!」

 

 決闘が始まってから少しばかり経った頃、決闘を見学しつつ周囲を警戒していた船員がドタドタとシャンクスの元へ駆け寄ってきた。

 

「どうした?」

「沖合に海軍の奴等がッ!」

 

 報告を受けたシャンクスが慌てて大海原に視線を向けると、確かに遠目に海軍の軍艦が四隻航行しているのが見て取れる。

 

「確かに海軍だが…おれ達に用があるって訳じゃねェみたいだな」

 

 だがベックマンが言うように此方に近付いてくる様子は見られない。全方位を警戒しながら進まなければならない"新世界"で、目の届く範囲にある無人島に停泊している二隻の船を捉えていない可能性は皆無である。此方を捕捉した上で手出ししてこないところを見ると、どうやら海軍の目的は別にあるらしい。

 

 このまま此方から手を出さなければ、海軍も手を出してくる事はないと二人は考えていた。

 

「これならどうだ」

「おっと危ねぇッ!」

 

 だがこのまま海軍を見送ってやり過ごそうと考える二人の思惑は破綻することとなる。

 

 殺すつもりで放った斬撃の悉くを避けられてしまい、無意識の内に"夜"を握り締めるミホークの両手には普段よりも幾分強い力が籠められていた。そうして放たれた斬撃はこれまで以上に強力な威力を内包しており、既の所で回避したウズメを通り過ぎても尚、その威力は一切衰えることなく大海原へと突き進んでいく。

 

 その向かう先には、偶然にも海軍の軍艦が航行していた。

 

「あァ~…ありゃ直撃だな」

「何やってんだあのバカ!」

 

 "赤髪海賊団"随一の頭脳を誇るベックマンが半ば諦めたかのように呟いた。それはつまり、どう足掻いてもベックマンが導き出した未来は避けようがないと言う事だ。

 

「む」

「おっと!急に止まるんじゃねェよ!」

 

 そして、意図せずに海軍へ向けて斬撃を放ってしまったミホークもまた、沖合を進む海軍の船を見付け動きを止める。突如動きを止めて構えを解いたミホークに釣られ、ウズメも訝し気に動きを止めた。

 

「……海軍か」

 

 ポツンと大海原に浮かぶ海軍を見付けたミホークが小さく呟き、"夜"を定位置に収めて構えを解く。血沸き肉躍る決闘がこれにて終いであると悟ったのか、先程まで周囲に伝播させていた殺気を瞬く間に霧散させた。

 

「残念だが、ここまでのようだな」

 

 直後、海軍の軍艦が轟音と共に大海原に散った。そしてベックマンの予想通り、残った三隻の軍艦が無人島の方角へ針路を変更して此方に向かってきている。

 

 "赤髪海賊団"の船員が双眼鏡で様子を探ったところ、"正義"の二文字が刺繍されたコートを風に靡かせている中将らしき男が電伝虫に向かって怒鳴りつけているらしく、十中八九増援を呼んでいるに違いないとシャンクスは面倒な事態になったと頭を抱えるのであった。

 

「おいミホーク!てめェがやった落とし前はてめェでつけろよ!!」

「断る」

「はァ!?」

「おれは七武海だぞ、海軍と敵対する訳がなかろう」

「お、おい待て…!お前まさか……!!」

「奴らの相手は任せる──さらばだ」

「あ、あの野郎逃げやがった!!」

 

 この事態を引き起こした元凶たる男に落とし前を付けさせようと怒鳴りつけるが、張本人たるミホークはスタコラサッサと女鬼族の船と"レッド・フォース号"の間に停泊していた小舟を持ち上げ、ジャングルの奥地へと姿を消してしまった。恐らくは島の反対側に出てそのまま出航する腹積もりだろう。

 

「あの野郎次会ったら一発ぶん殴ってやる!!出航だ野郎共ッ!!白ひげの元へ向かうぞ!!」

「「「ヒャッホ~~~ッ!!戦闘だァ~~~!!」」」

「………なんかよく分かんねェが、着いてきゃ良いのか?」

 

 見事に厄介事を押し付けられたシャンクス達は否応なしに出航せざるを得なくなってしまう。そして、"四皇"同士の接触を阻止せんと妨害する海軍を相手にしながら、"赤髪海賊団"はウズメ達を引き連れて一路"白ひげ海賊団"のナワバリへと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 "赤髪海賊団"とウズメ達が海軍とドンパチしながら"白ひげ海賊団"のナワバリに向かっているその頃、モビー・ディック号は港町に停泊して入渠の準備を進めていた。

 

 そのモビー・ディック号の甲板では入渠の対応に追われた船員達が引っ切り無しに駆けずり回っており、その只ならぬ様相は戦場と然して変わらないほど喧騒に包み込まれている。

 

 その最中、白ひげと隊長達は一人の使者と相対していた。

 

(……なんだあのチビッ子は)

 

 使者の正体は、スクアードに拾われモビー・ディック号へと案内されたロックスターである。見上げる視線の先には、得意げな表情で白ひげの右肩に居座り己を見下す謎の幼女の姿。どうしてこんな場所に子供が?と、当然の疑問がロックスターの脳内を駆け巡る。

 

(……部外者…じゃあねェよな?孫か?)

 

 周囲の隊長や傘下の海賊団の船長達が特に何も言及しないところを見ると、どうやら部外者という訳ではなさそうだ。それに、手紙を読んでいる白ひげ本人でさえ特に何も言う事無く自由にさせている。事情を何も知らない第三者が見れば、その様子は祖父と孫娘の関係に見えなくもない。

 

「これがシャンクスからの手紙か」

「儂も読みたい!」

「おう、ほらよ」

 

 暫くして手紙を読み終えた白ひげが視線をロックスターへと戻し、読み終えた手紙は見せろと主張した幼女の小さな手へと渡ってしまう。大事な内容が書かれているであろう手紙をそんなホイホイと渡さないで欲しいと物申したい衝動に駆られたロックスターだが、己の今の立場を思い出し喉から出掛けた言葉を無理矢理に押し込める。

 

「──え、ええ。重要な手紙らしくて確実に届ける為におれが!」

「そうか、そりゃご苦労だったな」

 

 至る所に傷が目立つモビー・ディック号の甲板には一人を除いて集結した隊長達に加え、傘下の海賊団の船長までもが勢揃いしていた。表立って敵対したことこそないものの、"赤髪海賊団"と"白ひげ海賊団"は本来なら敵同士の間柄だ。下手な発言をして白ひげの怒りを買えば、元々海賊の身で少しは名の知れた己であろうとも即座に殺されてしまうのは火を見るよりも明らかである。ロックスターは慎重に言葉を選びながら白ひげと会話を続けていた。

 

「──黒ひげから手を引け…なぁなぁ"黒ひげ"って誰だ?」

 

 そんな中、手紙を読み終えたサクヤの何気ない素朴な一言がモビー・ディック号の甲板を駆け抜ける。すると瞬く間に弛緩していた空気が張り詰めた糸のような緊張感を持ち始め、喧騒がぴたりと止まり静寂が場を支配した。白ひげ自身の様子に変化はないが、周囲で事の成り行きを見守っていた隊長や傘下の船長達の変化は一目瞭然であった。

 

「……?な、なんじゃ、どうしたんじゃお主等?」

「エースと黒ひげの事か」

「──エース!?むぐっ!!」

 

 弟の名前が白ひげの口から出るとサクヤがいち早く反応を見せるが、すぐに手を伸ばしてきた白ひげに口を塞がれてしまう。口出し無用。そういわれている事を悟ったサクヤは白ひげとロックスターの会話に黙って意識を集中させた。

 

「赤髪のガキに伝えてこい──おれに物言いたきゃ良い酒持っててめェで来いと」

「……!!」

 

 有無を言わせぬ白ひげの迫力に、ロックスターは瞠目したまま立ち尽くす事しか出来ない。話はそれで終いだとでも言わんばかりに、白ひげは持っていた酒を浴びるように飲み始める。傍に控えていた看護士の女が苦言を呈するが、白ひげが耳を傾ける様子は見られない。ロックスター本人も白ひげを引き留めようと食い下がるものの、やはり白ひげは聞く耳を持たなかった。

 

 周囲に控えていた船員達に下船を促され、ロックスターは意気消沈した様子でその場を後にすることしか出来なかった。

 

「ぷはっ!!!殺す気かジジイ!!」

「おっとすまん……っておいサクヤ、おれの事はオヤジと呼べと言っただろうが」

「まだ言うのか!?儂が父と呼び慕うはゴールド・ロジャー唯一人!お断りじゃ!!」

「ちっあの野郎…仕方ねェ、お爺ちゃんの立場で我慢してやる」

「む!それなら良いぞ!お爺ちゃん!」

「いやいやいや家族関係デタラメになってきてるよい」

 

 その後、何事もなかったかのように和気藹々と会話を続ける二人。マルコが思わずツッコミを入れたが、二人の関係はセンゴクの耳に届けば胃に穴が空きかねない程の関係に変貌しつつあった。

 

「なぁなぁお爺ちゃん!儂エースに会いたいぞ!何処にいるんだ?」

「少し前の定時連絡じゃあ…アラバスタに居るって言ってたな。もう居ねェかもしれねェが」

「何処じゃそれは??」

「"楽園"だ…っつっても分かんねェか、まぁ少しばかり遠い場所だ」

「むぅ、すぐに会いに行ける距離ではないのか~~」

「……おいマルコ、エースのビブルカードを渡してやんな」

「──へへ、孫娘に甘ェお爺ちゃんだよい」

「うるせェ」

「ビブルカード?」

  

 こてんと首を傾げ、サクヤは初めて聞いた言葉に興味を示す。そんなサクヤにニヤリと笑みを浮かべたマルコは、何処からか取り出した一枚の小さな紙切れをサクヤに見せる。

 

「ああ、これだよい」

「むむ…ただの紙切れにしか見えんのじゃが?」

「まぁ見てろい」

 

 マルコが手の平にビブルカードを乗せると、ビブルカードがじわじわと動き始めた。

 

「う、動いておる!?こやつ生きとるのか!!」

「別名"命の紙"。爪のかけらを混ぜて一枚の紙にするんだ。こうやって平らなところに置くと爪のかけらを提供した人物がいる方角へ動くんだよい」

「……爪混ぜただけでなんでこうなるんじゃ?」

「そりゃあお前ェ…………なんでだろうな?」

「分からんのか!!」

「まぁとにかくだ。この紙が動いてる方角にエースは居る。ほら持ってけ」

「うむむ。外界は奇想天外な技術で溢れておって怖いのじゃ…」

「ビビり過ぎだよい」

「……んひっ」

 

 おっかなびっくりな及び腰でサクヤはマルコからビブルカードを受け取る。ジワジワと動き始めたビブルカードの得も言われぬ感触に変な声を零しながら、風に吹かれて何処かに飛んで行く前に慌てて懐へと仕舞い込む。

 

「ふふふふ……待っておれ弟よ!すぐにお姉ちゃんが会いに行くからなー!!ありがとな皆!この恩は決して忘れぬ!何か困ったことがあれば力になるぞ!!」

「ちんちくりんの力を借りにゃあならねェほど困ることなんざそうそう起きねェよグラララ!」

「またちんちくりん言いおってこのジジイめ……ふ、ふふん!じゃが儂は手の掛かる弟を持つ出来た姉じゃからな!此れしきの事で怒ったりはせぬ!」

「さっき怒ってたじゃねェか」

「ぐぬ…わ、儂は過去を振り返らぬ!で、ではさらばじゃ皆の者!縁あればまた会おうぞ!」

 

 まだ見ぬ弟の元へと導いてくれる道標は手に入れた。そうとなれば善は急げである。白ひげとの締まらない押し問答を経てサクヤは弟の元へ馳せ参ずるべく、モビー・ディック号から飛び降りようと手摺に足を掛けるのであった。

 

「おっと待てサクヤ」

「ぐえッ」

 

 だが、両足が宙に浮いたところで何処からともなく伸びてきた白ひげの手が首根っこを掴み、重力に従いつつあったサクヤの身体を丸太の様に太い腕でガッチリとその場に固定してしまった。細い首を掴んだと同時にサクヤの首回りが瞬時に武装色によって黒く染まっている。条件反射によるものだろう。

 

「グラララ……エースに早く会いてェのは分かるがな。お前一人じゃあ"赤い土の大陸"(レッドライン)は越えられねェし行く手段もねェだろう…ちったァ落ち着け」

「大丈夫じゃ!泳いで行く!」

「どんだけの距離あると思ってんだ…誰かに送らせてやるから少し待ってろ」

「ほ、ほんとか!?ありがとうお爺ちゃん!」

 

 何の準備も無しに海に出られるほど"新世界"が甘くないのは周知の事実である。ボロボロの軍艦に乗って漂流して死に掛けていたというのに、その事実を忘れてしまうぐらいにサクヤの頭の中はエースに会う事で一杯になっているらしい。このまま見送ってしまえば"赤い土の大陸"(レッドライン)に辿り着くことも出来ぬまま溺れ死にそうだ。

 

「おれが送るよい」

「おう、わりィなマルコ。ついでにエースが元気にやってるか見てこい」

「あいよ、オヤジ」

 

 マルコが早々に名乗りを上げると、白ひげは当然の様にマルコの名乗りを受け入れる。他の面々も納得の表情で事の成り行きを見届けており、彼以外の適任は居ないと口に出さずにそう主張している。誰にも邪魔されず、天竜人達の頭上を悠々と超えて"楽園"へと辿り着けるのは彼だけなのだ。

 

「マルコが送ってくれるのか!?」

「おう、おれ以上の適任は居ねェよい」

「お~!それは心強いな!それでどの船で行くんじゃ?」

「あ~船は使わねェよい」

「???……やっぱり泳いでいくのか?」 

「なんでそんなに泳ぎたがるんだおまえ…まぁ見てろい」

 

 マルコの意図を察したのか、白ひげを含む周囲の面々は呆れ顔を晒していた。逸る気持ちを抑えつつ、サクヤは真正面に立つマルコに視線を注ぐ。

 

 ──変化はすぐに顕れた。

 

「お、お~~~~!!」

「これがおれが口にしたトリトリの実モデル"フェニッ……」

「マ、マルコ!お主……お主!ハゲタカじゃったのか!!!」

「誰がハゲタカだッ!!?」

 

 嘴で強引にサクヤを咥え、己の背に放り投げ翼を広げる。「も、燃える~~!」と慌てふためくサクヤを無視して、マルコは大海原へと飛び立つのであった。

 

 向かう先は砂漠の王国──アラバスタ。




一方その頃の麦わらの一味は…

・ロングリングロングランドでフォクシー海賊団と「デービーバックファイト」が開催し、これに勝利する。←今ココ
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