IS CHANGE・BROTHER AND SISTER(仮)ただ今休載中   作:アマガキ

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どうか温かい目で見守ってください


第零章 追憶
織斑 千冬


物心ついたころには私と兄さんしかいなかった。

 

何故父親や母親がいないのかは聞いたことがない。

聞く意味もないと思う。

話す必要があれば兄さんが話してくれるだろうと思っている。

ただ兄さんが

「これからは俺がお前を守る。何としてもだ。今日から俺はお前の父親代わりでもあり母親代わりだ。甘えたきゃ好きなだけ甘えろ」

と言っていたのがひどく印象に残っている、

 

 

 

 

私はいつのころからか剣道場に通うのが常となっていた。

その道場には兄さんも小さいころから通っていたため私も自然と通い始めた。

私はその道場の娘である箒と仲良くなった。

お互い剣道に打ち込む姿勢が近かったのもあるのだろう。すぐに親しくなった。

兄さんは箒の姉の束さんと仲が良い。

なんでも幼馴染だからだそうだ。

兄さん曰く束さんは恐ろしく他人に興味が薄いらしい。

まあ、兄さんががんばって何とかしたらしい。

さすがは兄さんだと思う。

 

そんな風な日常。

十分楽しいのだがどうにも私と箒は学校ではなじめない。

どうも話し方が固いというかそんな感じだかららしい。

学校では箒と常に二人だ。

余計なことを言ってくるものもいるが無視している。

 

 

 

そんなある日の学校でだ。

 

「男女今日は木刀持っていないのかよ」

 

一人でいると三人の男子が絡んできた。

いつも絡んできてうっとおしい奴らだ。

 

「どうしたんだ?何とかいえよ?」

 

こんな奴ら相手にするだけ無駄だ。

そうしていつも通り無視を決め込む。

 

「そうそう、お前は似合わないリボンしたりしないのかよ?」

 

は?リボン?なんで?

 

「そうだよ、もう一人の男女みたいに似合わねえのしたりしないの?」

 

バカにしたように言ってくる。

確か兄さんが誕生日にあげたものだ。

充分似合っていたじゃないか。

私のことをバカにされるのは構わないが、私の身近にいる人を馬鹿にされるのは我慢ならない。

早く黙れと思う。

でなければ私の手が出てしまう。

 

「ほんとにあんなのがおしゃれしようだなんて笑えるよな」

 

普段はお互いが切れかけたほうを止めるのだが、今は普段止めてくれる箒はいない。

 

「ほんとあんなのが女だなんてありえないよな」

 

もういい。

今ここでこいつらに引導を渡してやる。

 

そう思い殴ろうとした瞬間だった。

一人が後ろから蹴飛ばされた。

蹴り飛ばされてこっちにこけてきたので思わず横に突き飛ばしてしまった。

 

「なっ、何しやがっぶはっ」

 

そいつは裏拳で二人目を薙ぎ払った。

さらに回し蹴りで三人目も倒した。

しかし三人目を倒したまま蹴りが私にもあたった。

怒り狂ったままだったこともあり私はそのままそいつを殴った。

 

「うぎゃっ」

 

そのままそいつが殴り返してきたのでそのまま殴り合いになった。

思えば私は物心ついてすぐに剣道を始めた。

そのためか誰かに暴力を振るわないように常に自制していた。

抑えきれなくなっても箒が止めてくれた。

逆もまたしかりだったが。

だからこれが初めての喧嘩だったのだろう。

そのままバカっぽい顔をした男子と箒が先生を連れて来るまで殴りあっていた。

その男子は私たちを心配して、箒は相手の男子を心配して先生を呼んだらしい。

 

 

 

 

 

そのあとはいろいろと大変だった。

まあ、当然でもある。

普段おとなしいとされている私が男子相手に喧嘩をしたのだから。

保護者を交えてのお説教となった。

兄さんも呼び出されてしまった。

私とけんかをした男子は御手洗数馬というらしい。

何でも先生を呼びに行った男子は彼の友人で吉井明久というそうだ。

なぜか保護者は吉井の姉が来たが。

御手洗は常日頃から私たちに余計なちょっかいを出す奴らが気に食わなかったそうだ。

まあそこには同意する。

私もあいつらは気に食わなかった。

それであいつらに攻撃したらしい。

そのあと攻撃してしまったことはすまなかったと思った。

しかし疑問が一つあったのでお説教の後に聞いてみた。

 

「お前は気に食わなかったら殴るのか?それではあいつらと同じではないのか?」

 

「一緒かもしれないけど。それでもやんなきゃ止まらないだろあいつらは?雄二も散々止めたけどさ」

 

なんだかんだ考えているようだ。

意外と骨のあるやつなのかもしれない。

 

「俺からも一つ聞いていいか?」

 

「なんだ?」

 

「お前めっちゃ強かったけど、なんかやってんの?」

 

「箒のうちの道場に通ってるが?」

 

「じゃあ、そこに俺も通うかな?負けっぱなしはいやだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな変わった出会い方をしたこいつが後々背中を任せられるような友になるとはこのときは想像もしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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