IS CHANGE・BROTHER AND SISTER(仮)ただ今休載中 作:アマガキ
お母さんが死んだ。
今まではお母さんと二人で暮らしていたけれどこれからは一人ぼっちだ。
物心つくころには自分にはお父さんがいないことに気づいていた。
お母さんに聞いたらお父さんは事情があってお母さんと一緒に居れないって言っていた。
でもお母さんが病気になってもお父さんはお見舞いに現れなかった。
いつしか僕は父を嫌な人間なんだろうと思うようになっていた。
そうしてお母さんが死んで今日はそのお葬式で、これから一人ぼっちなんだなと思い知らされたような気分だった。
「君がシャルロット・デュノアかい?」
お葬式が終わった後、弔問に来ていた人の中でも見覚えのない日本人の男の人がそう聞いてきた。
見覚えのない人なのにどこかで見たことがあるような人だった。
「たしかに私はシャルロットですけど、苗字は違いますよ?」
「そうか。とにかく君がヴァイオレットさんの娘のシャルロットちゃんなんだね?」
「私のお母さんはそうですけど・・・・・お兄さんは?」
「俺は君のお父さんの使いできたんだ」
「父の・・・・・」
今更お父さんが現れたって・・・
お母さんのお見舞いにも来なかったくせに・・・・・・
今更父親づらされたって・・・・・・・・
「父は私になんと?」
知らず私の口調は固くなってしまう。
「そうだね。まず最初に父親らしいことを何一つできてなくてすまないって。そしてまだしばらく出来そうもなくてすまないって」
「え?」
謝罪?
お母さんのことを何とも思っていない冷酷な人だとばかり思っていたのに、その人の言伝の最初が謝罪?!
「どうしたんだい?」
「そんな?!今まで連絡の一つもなかった人が・・・・・嘘だ?!」
そんな、じゃあ私が想像していた父と全然違う。
「君は君のお父さんのことをどのくらい知っているんだい?」
「な、何も知りません」
そうだお母さんは会えない事情があるってことしか教えてくれなかった。
だから話したくないことなんだと思って変に誤解していたけど。
じゃあ、一体どんな人なんだ?
「まずは君のお父さんのことから話さないとな。場所を変えよう」
お兄さんに連れてこられたのはホテルの喫茶店だった。
「悪いね。ここぐらいのセキュリティがないと話せないから」
どういうことだろう?
「まず君のお父さんの名前はフランツ・デュノア」
「・・・・フランツ・デュノア」
それがお父さんの名前なんだ。
「こっからが問題なんだが、君のお父さんはあのデュノア社の社長さんだ」
「え?」
会社のデュノアって?
確か昔は機械工業をやってて今はISを作っている、あの?
「フランツさんはヴァイオレットさんと恋人同士だったらしいんだが、ご両親にお金持ちの娘との結婚を無理やりさせられたそうだ」
「それじゃお母さんは・・・・・?」
「黙って身を引いたそうだ」
「そうだったんだ」
「そのフランツさんが結婚させられた人が問題でな。性格も悪く、わがままな人らしい」
ついさっきまでお父さんをひどい人だと思ってたのになんだかかわいそうになってきた。
「フランツさんもできれば別れたかったらしいんだが、その人の実家からの融資で会社が大きくなったこともあってそうはいかなかったそうだ」
「お母さんよりも会社が大事だったってことですか?」
「ああ、違う違う」
私の疑念をお兄さんが否定する。
「フランツさんが気にしたのはどっちかっていうと社員の人たちだよ」
「?」
「フランツさんが離婚したりすれば嫁さんの実家がごねてデュノア社の評判はがた落ち。会社が潰されでもしたら社員の生活が危ないだろ」
やっぱりお母さんの言った通り会いにこれない事情があったんだ。
「それにあの人は傲慢でヴァイオレットさんや君につらい思いをさせてくるだろうから、フランツさんは会いに来ることもできなかったんだよ」
そんな事情があったんだ。
「さてとこっからは君の今後にかかわる話なんだけど、フランツさんは君を引き取りたがっているんだ」
お父さんがそんなことを・・・・・
「だけど君の継母が君を苦しめることになるのは確実だそうだ」
「それなら一人で生活するしかないんですね」
「そんな要件をフランツさんは頼まないさ。
あの人は俺に君のことを頼んできたんだよ」
「僕のことを?」
「ああ。君が大人になるまで俺が面倒を見てくれないかってな」
「でもそんな迷惑じゃ・・・・」
「そうでもないさ。すでに友達の妹も預かってるしな。それにフランツさんには前にお世話になってる。そしてなによりも困ってる人がいたら力になりたいんだよ」
こんないい人がいるんだ。
「で、どうする?君は家に来るかい?」
「行きます」
そこからはすぐに荷物をまとめて、飛行機に乗って移動となった。
そこで聞いたところによるとお兄さんは織斑一夏というそうだ。
どこかで聞いたような気がするけどなんでだろう?
それに、これからは俺が親代わりだから遠慮するなよと言われた。
「えっと・・・・・・兄さんその子は?」
「この子は今日から家に住むことになったから」
「「え?」」
一夏さんの家に着いたら一夏さんの妹に問い詰められた。
まあ僕も何の前触れもなくこんなことになったら驚く。
でもそれよりも驚いたのは、
「箒とおんなじような事情」
と一夏さんが言ったら泊りに来ていた人たちまで納得していたのが驚いた。
まあ、後で一夏さんがIS世界最強のジークフリードだって知った時のほうが驚いたけど。
その後僕は千冬たちと同じ学校に通うことになった。
みんながよくしてくれたおかげで学校にもすぐに馴染めた。
それと親しい友達からはシャルって呼ばれるようになったんだ。
そして小学六年の夏休みのことだった。
「ってわけでモンドグロッソ第二回があるわけだが、千冬と箒には政府がチケットをくれてるんだよ」
「「「はあ?」」」
「一応は要人の関係者ってことだかららしい」
となると僕はお留守番か・・・・。
こっちに来てからたいてい千冬や箒と一緒にいたから、さびしいな。
「そんな顔しなくてもいいぞシャル」
「え?でも・・・・」
「フランツさんがお前の分を送ってくれたんだよ。なくても俺も融通してもらうつもりだったしな」
「お父さんが・・・・」
正直に言うとモンドグロッソを見に行けることよりもお父さんが送ってくれたということのほうが嬉しい。
「それと会場にはフランツさんも来るそうだぞ」
私にとってこの夏はサイコーのものになりそうだ。
そしてモンドグロッソ当日僕は一夏さんに言われた通りの場所に来ていた。
「シャルロット?!」
そこには金髪の若々しい男の人が立っていた。
その人は私に近づくとぎゅっと抱きしめてきた。
その時に確信したこの人は私の本当の父親なんだと。
若々しすぎる気もするけど。
「お父さん!」
その後二日にわたる大会の間お父さんと過ごせたことは私の一生の思い出になると思う。
でもその時は思いもしなかった。
決勝の裏で大切な友達に危機が迫っていたなんて。
ようやく第二回モンドグロッソまで来ました。
さて次回は誰視点かな?
今回の話に関しては、
デュノアの社長はいい人だった。
一夏さんは人脈とかいろいろすごい。
モンドグロッソでシャルは親父さんと会えた。
の三本といったところです。
活動報告でのヒロインに関するアンケートは現在
数馬ヒロインは
更識刀奈に一票 更識簪に一票
です。
明久ヒロインに関してはまだ何も出ていない状況です。
ご意見よろしくお願いします。