ニートになって絶望してたら30になって回復魔法に目覚める〜不死身のタンク戦士無双〜 作:ただは
「昔は良かった」
まだ20歳をむかえたばかりの青年は
太陽が眩しい青空に向かってつぶやく。
ー周りは自分の適性を見極め、魔法の才能に開花していく者、戦士として英雄のような活躍をする者、俺達の世代は黄金世代と呼ばれていた。
俺は置いていかれた、優れた魔力は無いが、大した努力をしなくとも
それなりの成績を残す事ができた幼い頃の自分が
今となっては妬ましいー
若手の登竜門
年一回開催される魔法あり武器ありのトーナメント戦
この大会で優勝できたら素晴らしい将来が約束されている。
その一回戦、相手はまだ10歳だという少女に一撃で倒される俺。
「あっけな、まるで見応えなかったわ」
「組み合わせ順もあるし、まあしかたないよ。
でも彼、今年がラストチャンスだったんでしょ、
今まで何をしてきたんだか」
「でもまあ相手が悪かったな、、、」
ヒソヒソと話し声が聞こえてくる。
恥ずかしさがこみ上げてきてモゾモゾと動き出す、
地べたから体を起こすだけでもやっとだが、、、
情けないプライドだ。
同年代より遅れてこの大会に出場した。
年齢制限は20歳までで、出場するのは10代中ばが多い。
俺は今年で5度目の挑戦だった、、、
1度目 一回戦で半殺しにされて負け。
2度目、3度目も 結果はふるわず心が折れかけた。
4度目 運良くベスト16まで残れた、就職出来なかったが、、、
そして5度目。
最後のチャンスだった、、、ここで優勝はできなくでも2位、
そうすれば家から勘当されないはず!、、、
しかし結果は一回戦負け
偉い人はいった
「必要なのは1パーセントの才能と99パーセントの努力だ」
地べたに座り込んでいる俺に、対戦相手が手を差し伸べる。
「ありがとうございました! あの、大丈夫ですか?
力の加減が上手くいかなくて」
10歳の少女に心配される俺
なんともかっこ悪いな
「いや、大丈夫だ俺が弱いだけで君は何も悪く無い
それより試合にもならなくてすまんな。」
そんなことないの!と
大げさな身振り手振りで反応する少女。
才能をひけらかさない素晴らしい子だ、将来安泰だな。
さて俺はこれからどうするか、
将来は絶望的だが諦めもついた。
結局は才能の差、万人が英雄になれるわけじゃない。
今後は偉い人の言葉は信じない。
一応貴族の家からは勘当されるだろう、
適当に田舎に引っ越してスローライフも悪くない。
重たい体を引きずりながら会場を出ていく。
この日 弱冠10歳にして初の優勝者が誕生した。
会場は大盛り上がり、皆幼い少女を称えた。
その花々しい結果の裏では1人の男の失踪が発覚したが
誰もが知ろうとも思わなかった。
魔法が発現する10年後までは、、、、