死んだと思いきやご本人に提案されたので、憧れのウルトラマンになってみようと思います。 作:たかきやや
「【毒竜】!」
メイプルが最初から全開で攻撃する。攻撃回数を増やせば増やすほどメイプルの攻撃能力は無くなっていくからだ。出来れば一発で片付けたい。
部屋に雪崩れ込むゴブリン目がけて撃った毒竜はゴブリンの眼前で光り輝く障壁に止められてしまう。
通路の奥。
ひしめくゴブリン達の最奥に帽子を目深にかぶり杖を構える三匹のゴブリンがいた。
恐らく、その三匹の魔法なのだろう。
しかし、それは奥の手だったのか三匹は全員が肩で息をしている。
それだけメイプルの攻撃は強力だったのだ。
しかも、毒竜の被害はそれだけではない。
たとえ防がれようとも、周りに撒き散らした毒そのものは消えはしない。
その毒に触れたゴブリンが苦しみ、倒れて光となって霧散する。
それでも。
ゴブリン達は倒れる仲間が消える前に、その体を踏み台にして毒の海を越えてくる。
ボスからの指令に逆らうことなど出来ない。
ただ、目の前の敵に向かっていく。
「【魔法剣:光闇】!」
が、相反する属性を纏った刃が毒の海を超える者を切り裂いて行く。
最後のゴブリンを切った時。ちょうどメイプルとサリーも戦闘が終わったようでショウトの方を向く。
そして、魔法使いのゴブリン達に気付き魔法攻撃を開始した。
「【ファイアボール】!さらに、【ウィンドカッター】!」
「オマケの【天翔閃】」
防御力は無かったようで、魔法使いのゴブリン達は呆気なく沈んだ。
「お疲れ、二人とも!」
「お疲れメイプル。にしても、派手にやったねー」
「そうだな……凄ぇ」
二人は驚きと呆れの混じった表情で毒の海を見ていた。
「えへへ…そんなことより行こう!きっとこっちがボスだよ!」
メイプルは照れ笑いを浮かべつつ話を変える。
「そうだね、行こうか!…よっ!」
サリーはゴブリンが苦しんだ毒の海を飛び越え、俺は空を走る。メイプルは勿論歩いて渡る。
「私が触れたら一発アウトだよ」
「俺も心許ないな………」
「気をつけるね」
「「お願いします」」
三人は洞窟の奥へ奥へと向かっていった。
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「ボス部屋っぽい部屋発見!」
目の前には道中には一つも無かった扉の存在があった。
五メートル程の木製の扉を開き中へと入る。
中は広く、薄暗い。
天井までは十メートル近く、周りを見るに横幅も同じくらいだ。
そして奥行きだけはその倍程でその最奥には巨大な玉座。
そして、そこには通常のゴブリンの三倍近い大きさをほこる醜悪な面のゴブリンが座っていた。
ゴブリンが三人に気付いて咆哮する。
凄まじい音量に三人が顔を顰める。
「さっと倒しちゃおう!あいつうるさい!」
「黙らせる………」
「同感、行こう!」
サリーが頷く。
メイプルの大盾は闇夜ノ写に変わっており、決戦仕様だ。
ゴブリンまでの距離はおよそ二十メートル。
サリーとショウトが最速でその距離を詰めようとする。
しかし、ゴブリンはそれを許さない。
玉座の真横、立てかけてあった巨大なサーベルを手に取りつつ立ち上がると、前進しつつ乱暴に振り抜く。
凄まじい剣圧と共に迫る凶刃。
「【カバームーブ】!【カバー】!」
サリーがこれを回避出来たかどうかは分からない。メイプルが身の丈の二倍はあるそのサーベルを恐れずに大盾で受け止めて消し飛ばしたからだ。圧倒的な破壊力で敵のメインウェポンを戦闘開始早々削り取った。
サーベルが光となって消えていく。
「ナイス!よしっ…!」
とゴブリンが二人に気を取られているその時、ショウトは光と炎の二刀流を携え、死角に立っていた。
「輪切りにしてやるぜ!」
と言いながら、彼は不規則に立ち回りながら無造作に剣を振るい、ゴブリンをあちこちから斬りまくった。
最後に大きく振りかぶった十六撃目が止めとなり、ゴブリンはバラバラになって消えた。
「ふぅ、二人ともお疲れ様」
「お疲れー!」
「お疲れ様…で?あの十六連撃は狙ってたの?」
「さあね〜。それより宝箱見に行こう」
「あ、そうだった!」
話題をごまかしながらも、三人はゴブリンが座っていた玉座の元へ向かう。
そこには装飾は無いものの大きめの宝箱があった。
「開けるよ?」
「うん」
「おっけー!開けちゃって!」
サリーが宝箱を開ける。
中に入っていたのはゴブリンが持っていたのと同じ見た目のサーベル。そして、銀色に輝くメダルが二枚だ。
「やった!メダルだ!」
「しかも二枚、二枚だよ!」
二人はサーベルなどそっちのけでメダルに夢中になる。そもそも、サーベルは二人とも装備出来ないのだから興味がなくて当然とも言える。
なので俺はサーベルを手に取ってその性能を見る。
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【ゴブリンキングサーベル】
【STR+75】
【損傷加速】
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「うわぁ…なかなかの脳筋武器だ…」
「どういう感じ?」
「壊れやすくて長時間戦闘は出来ないけど、STR+75」
「私達じゃ装備出来ないよね?」
「うん」
「じゃあ、メダルは二人にあげるからコイツ貰っていい?」
「そうね」
「いいよー」
ショウトは貰った戦利品をイベントリに仕舞うと二人を目線で追う。
「次のダンジョン探しに行く?玉座の裏に魔法陣あるし、乗れば外に出れると思う」
「……あと一つくらいなら今日中に行けそうかな?スキルも持つと思う!」
「なら決まりだな」
三人は相談を終えると魔法陣に乗った。
メイプルの【悪食】のことを考えると一日の内に出来るだけ探索して使い切りたいところだ。
明日に持ち越しは出来ないため、攻略出来る数が減ってしまう。
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そして光が消えるとそこは元の草原だった。
「忘れてた……取り敢えず、草原を出るところから始めないと…」
「ど、どっちに行くのがいいかな?」
「前進あるのみ!確実なのはそれだな」
「それもそうだね!」
三人は山岳地帯を目指して歩き出した。
Zロス解消の為に日々精進します
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