魔法科に通う一般(相対的)生徒   作:姿見 写

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 特にオリキャラ達について深掘りできませんでした。ですが、今後もメインストーリーに関わっていくためには欠かせないと判断したため、ここは書かせていただきました。
 今更ですが原作キャラの説明っていりますかね?なるべくしようとは努力してるんですけど、頭の中でもうアニメーションとか3Dモデルが出来上がっているキャラクター達を文字に置き換えるのが難しいんですよね。
 それと、毎週土曜日更新を目指す事にしました。間に合わない場合は諦めて日曜に出します。その時は毎週日曜日更新に変わるかもしれません


いざこざと野次馬

 薫と待ち合わせていた場所に向かうと約束の時間を過ぎていたせいか、すねた顔で待っている姿が見えた、僕を見つけるとより露骨に、見せつけるようにして不満を表現してきたので。帰りにカフェに寄る事を提案することで、何とか許してもらえた。

 校門に向かって歩いていると、何やら揉めている様子が目に飛び込んで来た。目を向けると達也とその傍に居る司波さん。昨日も見掛けた師匠らしき人とその他数名。何やら言い争いをしているようだけど、立ち止まって遠巻きに眺めている人は意外と少なかった。でも折角だからと数少ない野次馬の一員として薫と二人で眺める事に決めた。

 どうやら昼ご飯の時に起きた事の再演をしている様に見える。昼よりも人は少ないみたいだけど、その分意志が強い人達が揃ったようで。かなり長引いていた。この掛け合いもいつまで続くんだろうな~、なんて考えているとおとなしめに見えてた黒髪の女の子が一番にA組の面々に突っかかっていて中々衝撃だった。

「一番に突っかかって行くのはガタイの良く彫りの深い顔立ち彼だと思ってたんだけどな、薫は誰だと思ってた?」

「考えてるわけないでしょう。三郎は意外とそう言う喧嘩とか戦いについて考えるの好きよね」

「そりゃあ僕もこんな見た目でも男の子だからね、()()()身体も鍛えてるからどうせなら発揮したいじゃん」

 話してる間にA組の茶髪っぽい男子生徒がCADを取り出した。

「あれって森崎かな、あのクイック・ドロウで有名なところ。確か同級生にいるらしいし。それにしても普段から家の仕事を手伝ってるのか、流石の速さだねぇ抜き出すのも狙いを定めるのも見事だ」

「詳しく分析してるみたいだけど、それを相手にしてる深雪さん達は大丈夫なの」

「あそこにいるオレンジ色の髪した人が僕の想像通りなら大丈夫だと思うよ。そろそろ性格的に我慢でき無くなる頃だろうし」

「もしかして前に話してた同級生の剣術の師匠って彼女なの」

 それに返事をするよりも先に結果が最も分かり易く現れた。その師匠がどこからともなく取り出した警棒の様な物で、森崎のCADを吹き飛ばした上にそれを顔に突き付けたのだ。流石は師匠、薫なんかは全く目で追えて無かったようで目を瞬かせていた。その後も相手の方に目もくれず漫才の様な物を続けている師匠、相手はその同級生らしき僕がさっき一番に突っかかると予想した人。やっぱり波長が合うみたいで、かなり様になっている。

「後ろの女の子が魔法を起動しようとしてるけど良いの?三郎は風紀委員なんでしょ」

「まだ正式ではないけどね、流石に法律違反は見逃せないでしょうから仕方ないか。けど、その必要はなさそうだけど」

 秩序の無い諍いの場に、突然目に見えて秩序が訪れていった。それをもたらした三年生の二人組、さっきまで話していた渡辺先輩と生徒会長と達也が何やら会話を交わしていた。どうやらこの場はお咎め無しと裁定が下ったようで、一斉に頭を下げる一年生を置いて渡辺先輩達は帰って行く。しかし途中で渡辺先輩が振り返り達也に問い掛けた。

「君の名前は?」

「一年E組、司波達也です」

 それを聞いた渡辺先輩は周りで見ていた僕に気付いて、目を合わせてから納得したように頷いた。

「成程、覚えておこう」

 それを聞いた達也は少し嫌そうな顔をしている様に見えたが、結局何も言わずに見送っていた。

 その後森崎と達也が少し言葉を交わしていたが、結局A組の人達は機嫌が悪そうに帰って行った。二人の女子生徒を除いてだが。彼女達も含めて帰っていくそうなので、駆け寄って一緒に帰らせてもらうことにした。勿論自己紹介はその時に互いに済ませた、互に名前で呼ぼうとしていたが僕は苗字で呼んでもらえるようにお願いした。ほぼ全員が受け入れてくれた、しかし師匠だけは最後まで名前で呼ぼうとしてたが、最終的に僕はエリカの事を師匠と呼ばないかわりに、エリカにも僕を名前で呼ばない事を約束してもらった。

 

 

 

 E組の達也、美月、エリカ、レオとD組の僕と薫、更にA組の深雪、ほのか、雫と言う一科と二科の壁を越えた面子で駅に向かう最中では、主にCADの調整について話していた。

「それじゃあ深雪さんのアシスタンスの調整を達也さんがされているんですか?」

「ええ。お兄様にお任せするのが、一番安全ですから」

 ほのかの質問に対して、どこか得意気に深雪が答えると。達也は謙遜して応えた。

「少しアレンジしてるだけなんだけどね。深雪は処理能力が高いからそこまで調整しなくても大丈夫なんだ。それに、これくらいの調整なら飯綱も普段からやってるだろう」

 どうやら達也はそこまで持ち上げられたくないようで、丁度良いと言わんばかりに雑なパスを僕に出してきた。

「まぁ、やってるけど。僕の場合は余り外部に公開したくない式が多いから、やらざるを得ないってだけなんだけどね」

「そんな仕方なくやってる人に任せるくらいなら、達也くんにあたしのホウキも見てもらおうかな?」

 振り返りながらエリカが達也に声を掛けた。

「無理。あんなに変な形のCADは弄れないよ」

「やっぱりすごいね達也くんは、よくこれがCADだって分かるね」

 そう言ってエリカは瞳に鋭い輝きを持った笑みを浮かべて、縮めた警棒のストラップを持って軽く回す。どうやら驚いてくれなかったのが不満なのかと思い、弟子として師匠の無茶振りにこたえるかと思って返事をした。棒読みになってしまうのはご愛嬌だ。

「エー、ソノケイボウッテシーエーディーダッタンダー、マッタクキヅカナカッタ―」

「えっ?その警棒ってデバイスだったの?」

「美月、良い反応ありがとう。そして飯綱は覚悟して話してるんでしょうね」

 どうやら僕の猿芝居は必要無かったようだ。全員が気付いていたらすべってしまうだろうから、そうなるのを防ぐための良い手だと思ったけど違ったようだ。

「どうなってんだ、このデバイス。さっきの使い方を見ると全部空洞ってことは無いと思うんだが」

「残念レオ、柄以外は全部空洞らしいよそれ。硬化魔法を使ってるらしいけど、詳しいことはエリカより三郎に聞いた方が良いと思うよ」

「ゆうじゃない薫、何も否定できないけど。流石に普段使っているあたしも開発者よりは知らないわよ」

 エリカの発言を聞くと、雫やほのかなどは少し驚いた顔をしていた。

「僕は最初、持ち運びが不便でもちゃんとした頑丈なデバイスにしたかったんだけど。エリカが空洞がいいって言い張って。それだとCADの機械部分が埋め込められないから、刻印にするしかなくて。もともと飯綱家はそっちの方が得意分野だからそれは良いんだけど、問題はどうやって長時硬化魔法を維持させるかで悩んでたら。エリカが『振り出しと打ち込みの瞬間だけ硬化魔法が発動すれば良いじゃない』って言われて。そんな兜割の様な事ができるのかと、感心するやら呆れるやらで。そこから更にサイオンを流した瞬間に、硬化魔法が起動するように刻印を調整してようやく完成だよ」

 本当にあの時は疲れたと振り返っていると、エリカが深雪に兜割りができる方が単純にサイオン量が多いより凄い事だと指摘されて焦っていた。それを見た僕が本当に訳が分からないと便乗してエリカを弄っていたら、飯綱も十分おかしいと言われてしまった。

 そんな事無いのにと思って、何か反論しようと考えていたが。駅に着いてしまったので何も言えないまま、解散となってしまった。

 さらにはカフェに寄り損ねた事に気付いた薫の機嫌が悪くなってしまったので、帰りにケーキを買って帰る事にした。




 字数が多いか少ないか分からん。まぁ今回はこれ以上増やせなさそうだけど。
 オリキャラ達の設定はちゃんと考えてるので安心して下さい。原作リスペクトで少しずつ小分けにして出したいんですが、やろうとすると原作者の力量に押しつぶされてばかりです。

 アニメ二期「来訪者編」楽しみですね、個人的には小説の中での理解が難しい第一のポイントだと思うのでアニメでどう描くのか気になりますね。今期も「さすおに」で終わるのか、原作並みの情報の洪水が来るのか。

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