男性Vがコラボするってよ【完結】   作:TrueLight

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【収益化記念配信】念願のマ〇クラ雑談!【~後輩を添えて~】①

「こんヒビキ! VS二期生、ヴァーチャルシップ唯一の男性Vこと暁ヒビキです! 今日は初コラボ記念生配信に来てくれてありがとうございます!!」

 

コメント

    :始まった!

    :収益化おめー ¥120

    :ちゃんと挨拶するな ¥370

 

    :動画タイトルと内容が違うんだが? ¥1000

    :コラボ記念ww

    :他のVが配信に来るだけでこのはしゃぎっぷりよ

    :泣ける;;

 

「スパチャあざます! でも早いですよー、なんせまだ主役が来てないんだからね!!」

 

コメント

    :チャンネル名改めろ ¥250

    :ここはユラちゃんねるだったのか(困惑)

    :コラボは嘘で見栄張ったって正直に言いなさい ¥2000

    :相手のライバーって俺らのことでしょ?

 

「いまだに信じてもらえてないことにある意味信頼を感じるね! しかし事実だ、君らもとっとと現実を受け入れることだなぁ!!」

 

コメント

    :草ァ ¥610

    :なぜコラボってだけでイキれるのかと

    :当たり前なことが幸せってこと、あるよね……

 

 告知通りの時間に配信を始めると、見慣れた名前の人からそうで無い人まで、配信画面で待機してくれていたらしい視聴者たちがコメントをくれる。なかには今回から俺のチャンネルでも可能になった投げ銭機能を使ってくれている人もいて、そのユーザーはよく話し相手になってくれた人たちだ。ありがたいねぇ……。

 

「それじゃあ早速お呼びしましょー。夕張ユラちゃんどうぞ!」

「みなさんこんばんは~! ヴァーチャルシップ三期生の夕張ユラと申しますっ。今日は尊敬するヒビキ先輩とのコラボと言うことで緊張していますがっ。なにとぞ、よろしくお願いします~!」

 

コメント

    :声かわいい

    :礼儀正しい娘や

    :三期生の常識枠とポンコツ枠と頑固枠を兼ね揃えたスーパーハイブリッド(?)だぞ

    :こんばんわー

 

 俺が配信画面にユラちゃんの立ち絵を表示すると同時に、通話を繋いでいる彼女が溌溂と挨拶してくれた。Live2Dで動く俺のモデル、アニメチックな学生服を着た茶髪イケメンキャラの隣には、意匠が似通った制服の美少女が並んでいる。エメラルドブルーの髪はポニーテールで、どことなく神秘的な印象を持たせるが。タレ目で柔和に微笑む表情が親近感を抱かせてくれている。控えめに言ってカワイイね!

 

 す、すげぇ……俺の配信に別のライバーがいるぜ!

 

「す、すげぇ……俺の配信に別のライバーがいるぜ!」

 

コメント

    :めっちゃ嬉しそうに悲しいこと言ってんな

    :ヒビキの配信に違う立ち絵がある時点で偽チャンネル感やべぇ

    :だってここユラちゃんねるですしおすし

 

 おっと、思わず口に出してしまったらしい。ユラちゃんとそのマネさん、さらにボスを交えた四人での事前打ち合わせでは、二人して割とはっちゃけて良いとのお言葉を賜ったが。さすがにチャンネル主の俺がテンションのまま進行を放棄するわけにゃ行かんね!

 

「ユラちゃん、今日は来てくれてホンットにありがとう! 俺、こんな風にライバーさんとコラボ配信するの、夢だったんだ……」

「そっ、そんな! 私こそ、ヒビキ先輩は憧れで! 初コラボに呼んでいただけるなんてすっごく嬉しいです……!」

 

「ユラちゃん……へへっ」

「えへへ……」

 

コメント

    :なんやこいつら

    :男女カプ厨ワイ大歓喜 ¥3000

    :このチャンネル燃やそう(名案)

    :ユラちゃんがVになったきっかけってやっぱこの人なのか

    :憧れのライバー居るって言ってたけど、女性とは言ってなかったもんね

 

 あかんあかん、さっき反省したはずなんだが。テンション任せに喋ってリスナー置いてけぼりである。……しっかし、ユラちゃんもノリがいいなぁ。ボスの話によると、ユラちゃんはゲームが大好き(・・・・・・・)らしく、俺のPS(プレイヤースキル)に憧れて配信をよく見てくれてたそうなのだ。

 

 俺はV活動とは別の仕事もあって、ユラちゃんの配信を見れたりはしてないんだけども。そこでも俺のことはちょいちょい話題にしてくれているらしく、向こうのリスナーも俺に対してそこまで悪感情は無いだろうってことで、今回のコラボと相成ったのだ。あったけぇよやっぱ、Vtuberの輪ってヤツはよぉ……俺とユラちゃんが両手繋いでる程度の小さい輪だけどね!

 

「ま今回はね! 俺も不慣れなコラボってことで、いつものノリでお届けできるよう、慣れ親しんだゲームをしながら! 雑談して行こうと思いますよー。ってことで、ユラちゃん準備は?」

「オーケーですっ。入れてますー!」

 

「そんじゃあゲーム画面出してっ、と……大丈夫そうかな?」

 

コメント

    :マ〇クラか、いいね

    :放送タイトルにあるしな

    :G・Iか?

    :スペルエフェクトの表示欄無いしバニラでしょ

    :夢がかなってよかったねぇ…… ¥2525

 

「ありがとな、ばぁちゃん……いやじーちゃんかも知れんけども。そう! 俺の夢だと散々言ってきましたマ〇クラ雑談コラボ! 運営が用意してくれたサーバーでテキトーに、ゆるーく遊びながらね、お互いのことを知れたらなーと思いますよ。先輩後輩言うても、僕ユラちゃんのことあんまり知らないからさ」

 

「うーん、私は嬉しいんですけど……収益化記念がこんな感じで大丈夫ですか? もっとリスナーさんと絡んだりとか」

「いーのいーの! ほら、お祝いってことらしいし、俺がやりたいようにさせてもらおうかなって! それに視聴者諸君とはもう嫌って程コラボしたから!! スパチャは拾うけどね!!」

 

コメント

    :ユラちゃんそこのボッチと遊んであげて? ¥2000

    :俺たちをライバー扱いする残念なパイセンで申し訳ないけど

    :保護者多くて草

    :はいコラボ代 ¥5000

    :これでダイヤピッケル作るといい ¥10000

 

「え、あっちょっと! 嬉しいけどお財布とちゃんと相談しろよ! 赤スパありがと!! ……実在するんやなぁ」

 

コメント

    :ボソッと赤スパを都市伝説扱いするな

    :お前の後輩はとっくにもらってるぞ

    :ホラひざまずけ ¥20000

 

「ハッハッハァ! 嬉しいし感謝しきりだが、赤スパでダイヤは掘れんので跪きなんぞしねぇぞ! ただまぁ、何となくの目標はダイヤを掘るまで、って感じにしようかな? ……あれ?」

 

 リスナーと戯れる自分の音声で気づかなかったけど、ちょっと口を閉じたらユラちゃんがくつくつ笑ってるのが聞こえてきた。どないしたんやろか。

 

「す、すみません……ふふっ。……やー、ヒビキ先輩とリスナーさんたちのやりとり、私とっても大好きで! いつも配信見ながら笑わせてもらってましたっ」

 

コメント

    :かわいいかよ

    :照れる///

    :媚びてんじゃねぇぞ ¥5000

    :ツンデレニキ!?

    :ツンデレニキで草

 

 思わずユラちゃんの言葉に照れたが、リスナーもやられてしまったらしい。うん……マジ可愛いね! こんな後輩欲しかったね! 事前打ち合わせの時はもうちょい口調が硬かった気がするけど、めっちゃリラックスしてるのが窺えるのも嬉しい。本人曰く、ライバーとして喋ってるって時は吹っ切れて自然に話せるらしい。俺はちょっと緊張するタチだから、珍しく感じるね。

 

「今日はね、俺と親交を深めてもらえると嬉しいけど。良かったらこっちのリスナーともね、絡むというか罵倒してやってもらえると僕の笑みが深まるのでね、どうぞよろしく」

 

コメント

    :まぁヒビキにマウント取られるよりは

    :我々の業界ではご褒美ですから

    :罵倒してください ¥514

 

「あっ、やっぱやんなくて良いやユラちゃん。意外に紳士(ヘンタイ)が多かったらしい」

「あははっ、ハーイ!」

「そんじゃあ配信も温まってきたのでね、マ〇クラ雑談! やっていきやしょー!」

「おーっ!」

 

コメント

    :雑談枠ってもっとヌルっと始まるもんでは

    :慣れてないからしゃーない

    :もっと温めてやるよ(炎上)

    :俺らとしかシたことないコラボ素人童貞に多くを期待するな

    :喋れてるだけマシw

 

「君らうるさいよー!!」

 

 チャットで俺をおちょくる連中に苦情を入れつつ、始まったマ〇クラ雑談枠の中、俺はとりあえず木を伐りに林へ突っ込んだ。

 


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