第一話 始まり
飛鳥視点
それは突然やって来た。
ある人口もそこそこの集落に俺は住んでいた。
親は五歳の時に両親と姉二人を殺され母親の親戚を頼ってこの村に来た。
俺の名は清水飛鳥。
生まれつき気配感知が得意なことと足が速い事だけが取り柄のどこにでもいる子供だ。
だがこの村に来て二年くらい経った時に義親夫婦は亡くなりはまた一人になってしまった。
義親夫婦には俺以外子供がおらず資産家だったため残された俺には莫大な遺産が転がり込んだ。
だがどんなに金があろうと親のいない子供は村にとって邪魔でしかない。
村長と数名の大人の判断で村を追い出される事なった。
しかしその決定を胡蝶夫婦が反対してくれた。
胡蝶家と義親夫婦は元々家族同士で仲が良かったことも有り
一時期は親同士で長女である胡蝶カナエと飛鳥で
結婚してはどうかなどと言う話も出るくらい仲が良かった。
そのことも有り胡蝶夫婦は俺を引き取ってくれた。
「いいんですか?」と夫婦に問いかけた所、
「子供が気にすることじゃない。子供の内はいっぱい甘えるもんだ。」
とおじさんはいい、おばさんも
「そうよ。村長の言う事なんか気にする必要なんかないわ。ずっとここにいていいのよ。」
と言ってくれた。
他の大人達も誰かが引き取ってくれるならと特に反対する者もいなかったので
結局胡蝶家でお世話になる事になった。
最初遠慮がちだった俺を見て夫婦は
「気になるなら、カナエかしのぶのどちらかと婚約して本格的に胡蝶の人間になればいい。」
と言われたときは三人揃って顔を赤くしたが反対意見は出なかったがその場は保留となった。
遺産に関しては代々受け継がれてきたという紺の羽織と
俺の実の両親が残した不思議な色の六本の刀を残し全てお金に換えた。
それから数年胡蝶家で過ごした。
そして俺達三人の運命を変える出来事がやって来た。
その日の夜いつも通り五人で寝ていた所、庭で物音が聞こえておじさんが確認しに行く。
扉を開けた瞬間首が飛びその近くにいたおばさんも腰を抜かしそのまま殺された。
見ればカナエとしのぶは完全に怯えている。
「(やばい、やばい。こいつはあの時の奴と同じやつだ。
何かするなら今しかない。あの時の奴は太陽の光を浴びた瞬間消えた。
こいつもそうかわからないけどおじさんとおばさんに夢中な今やるしかない。)」
傍に置いている刀を抜いて突きかかる。
化け物は完全に死体を喰うのに夢中で全く反応できずそのまま頭に刺さり壁際まで押し込む。
そのまま壁に打ち付けるように刀を化け物ごと刺す。
最初の頭から腕、身体、足の計六か所に刺す。
「くそーーーーー、人間のくせにーーー。はなせーーー。」
息を切らしながら化け物を見る。
必死に抜けだそうとしているようだが刀が深く刺さり抜け出せないようだ。
「(これで朝まで待てば、大丈夫なはず。)」
少し安心して二人の下に向かい逃げるように言う。
「大丈夫?」
「ええ。飛鳥は?」
「俺は大丈夫。逃げよう。ここは危ない。」
「ええ。行くわよ。しのぶ。」
「うん。」
俺達三人は家を出て道に出る。すると向こうから大男が走ってきて
血だらけの俺を見て声をかけてくる。
「済まない。この近くに化け物を見なかったか?」
「それなら家にいる。」
「!案内してもらえるか?勿論安全は保障する。」
「はい。カナエ、少し行ってくる。」
「待ってる。」
「分かった。すぐ戻る。行きましょう。」
「ああ。案内してくれ。」
大男を案内して家に戻り化け物のいる部屋まで向かう。
部屋に入るとまだ抜け出せず暴れている化け物がいた。
「お、鬼狩り!」
「これは君が?」
「ええ。食うのに夢中になってたので一気に。」
「そうか。」
すると大男は斧で化け物の頸を切った。
すると化け物は崩れるように消えた。
大男は念仏を唱えている。
念仏を唱え終わると同時に声をかける。
待つ間に刀は回収した。
「あの、有難うございました。」
「気にする必要はない。これが私の仕事だ。それより済まなかった。
私がもっと早く来ていればご両親を失わずに済んだ。」
「有難うございます。でもそれは外にいる二人に行ってあげてください。
俺はこの家では居候にすぎませんので。」
それから二人の下に向かい今後の事について話し合った。
その結果、二人は親戚の家に向かい、身寄りのない俺は先程の大男
悲鳴嶼行冥さんの案内で彼の所属する組織、鬼殺隊で働くことになった。
最初はカナエたちは一緒に来ないかと誘われたが流石に面識もない人に
お世話になる訳にはいかないと断った。
それから悲鳴嶼さんに鬼殺隊について教えてもらい
適性を調べてもらった結果雷と水の呼吸が適任だとわかり
雷の呼吸の育手である桑島様の下へ向かう。
「俺………私は清水飛鳥と申します。今日からよろしくお願いします。」
「うむ。よろしく頼む。儂の事は師範と呼ぶといい。
これから君が最終選別へ向かうまでみっちり鍛えてやる。
しっかりついてくるように。」
「はい。よろしくお願いします、師範。」
それから二年間の修行が始まった。