雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第十七話 武人の世界参

 更に数千年がたった。

既に各呼吸を鍛えた。だが日の呼吸だけがまだ不安定なままだった。

指南書があった雨の呼吸と違い日の呼吸は夢の中で見ただけ。

しかも一度だけだ。完璧に使いこなすためには最低でも後一回は見なければならない。

だが現状俺以外に日の呼吸を使いこなす人間はいない。

今の状態でも使えないわけでない。だが実戦で鬼に使うとなるとどうしても不安が残る。

 

「ない物ねだりしても仕方がない。ないならないなりにやるしかない」

 

「ヌルフフフフ。どうやら悩んでいるようですね。清水君」

 

「これは殺先生。どうしたんですか?」

 

「いえ、君は今伸び悩んでいる様に見えたので先生として何か助言できればと思いまして」

 

「ありがとうございます。では少し見ていただけませんか?

もしかしたら動きに無駄があるかもしれません」

 

「ええ。構いませんよ」

 

「お願いします」

 

俺は日の呼吸の円舞から炎舞までを順番に繰り出す。

一つ一つの型がつながってい流れる様に繰り出すことができる。

一通り出し終わると殺先生に意見を聞く。

彼は元々余り剣術には明るい方ではない。だがその高い観察力と的確な助言が

ここにいる剣士たちから高い評価を得ている。

 

「なるほど、大体わかりました。では一つずつ指導していきましょう」

 

「お願いします」

 

一つずつ無駄な動きにいなっているところや刀をのブレを調整していく。

それでも雷の呼吸を使うより体力を使う。その割に威力が低い。

 

「これ以上は流石に専門知識がないときついかもしれません」

 

「いえ、ここまで指導していただきありがとうございました」

 

「いえ、妥協はいけません。ここは武人の世界。武に関する事を鍛える場所です。

ここは先生に任せてください」

 

そう言うと先生はどこかに消えてしまった。

それから数日後帰ってきた先生はとんでもない人を連れ帰ってきた。

 

「清水君。お待たせしました。彼なら力になるでしょう。継国縁壱さんです」

 

開いた口がふさがらないとはこの事だろう。

任せてくれとは言っていたがまさか彼を連れてくるとは思わなかった。

 

「いやー大変でしたよ。武神に頭をさげて天照大御神に頭を下げて閻魔大王に頭を下げて

やっと許してもらえました」

 

「何から何まですみません」

 

「気にする必要はありませんよ生徒の為に出来る事をするのは当たり前です。

では継国さん後はお願いします」

 

「任せてくれ。話は彼から聞いた。日の呼吸を習いたいとの事だな」

 

「はい。お願いできないでしょうか?」

 

「構わない。私に出来る事を全てを飛鳥に教えよう」

 

「ありがとうございます。お願いします」

 

あえて笑いながら感謝の言葉を口にする。

 

「笑った顔が蒼月そっくりだな」

 

「そうですか?いうじゃないですか笑う門には福来るって。笑っていないと

幸せがにげてしまいますよ」

 

「言葉まで蒼月そっくりか。では始めるぞ」

 

「はい。よろしくお願いします」

 

それから縁壱さんから型と正確な呼吸方を教えてもらう。

そのおかげで威力が出なかった理由が分かった。

呼吸が少しおかしかったのだ。

少しの違いだがそれだけでとても大きな違いが出た。

他の呼吸とは比べ物にならない威力。

体力の持続時間も格段に変わっていく。

呼吸と型を教えてもらった後は日の呼吸のみを使った戦闘。

それを行う事で実際の鬼との戦いの中で使い物になる様にしていく。

ひたすら戦い技の練度を上げていく。

最初は全く太刀打ちできなかった縁壱さんの動きに次第に就いて行く。

そしてついに互角に戦えるようになった。

その頃には額に縁壱さんと同じ痣と腕に雫模様の痣が出来る。

そこで縁壱さんから痣の制御方法を教えてもらう。

縁壱さん曰く痣を出る時は体温と心拍数が跳ねあがっている。

そしてその心拍数が跳ねあがったせいで普通の人は

二十五歳までに死んでしまうそうだ。

そこで心拍数を抑える訓練と赫刀都のやり方の訓練も行う。

この訓練は直ぐにできた。

 

「ここまでだ。後は実際に鬼と戦う事で高めていけ」

 

「はい。ありがとうございました」

 

「ヌルフフフフ。如何やら行けるところまで行けたようですね」

 

「はい。色々ありがとうございました」

 

「気にする必要はありません。それが私の教師としての務めです。

さて清水君。君は今日で卒業です。元の世界ではこの世界での事は

他言しないでください。」

 

「分かりました」

 

「わたしからもいいか。私の兄上が鬼となり鬼舞辻の傍にいるはずだ。

見つけたら必ず滅してほしい。六つの目があるはずだ。見れば分かる」

 

「六つの目?まさか上弦の壱か?」

 

「知っているのか?」

 

「恐らくですが、確かにそいつは六つの目を持っていて

月の呼吸を使う鬼です。」

 

「そいつが兄だ。名を継国 巌勝。

絶対に滅してくれ。私の心残りなのだ。」

 

「分かりました。お任せください。」

 

「話は済んだようですね。では時間なのでもう会えることは無いでしょうが

お疲れ様でした」

 

そこで光に包まれ目をつむる。光が収まり目を開けると元の場所に戻っていた。

 

「戻ったか。どれだけ成長したか試したいがそれは無理だな。

とりあえず帰るか」

 

独り言をいいつつ俺は帰路についた。

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