雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第二話 雷の呼吸

師範による稽古が始まった。

まず基礎体力向上から基本的な稽古など雷の呼吸を使うのに適した稽古をつけてもらう。

鍛練の内容は厳しいが両親と姉二人とおじさん達の仇を取りたいので頑張ると決めた。

稽古中の師範は一言で言うと雷オヤジを絵に描いたような人物で結構頻繁に拳骨で殴られる。

でも稽古が終われば優しいところやお茶目なところもある。

厳しくも優しいおじいちゃんという感じだろうか。

そんな師範に鍛えられながらその内師範から次の段階へ向かうと言われた。

がきついのは変わらずいやむしろ今までよりきつい。

朝起きると同時に体力作りの走り込みで数時間走る。走り込みは今までもやってたのでいいのだが

今は呼吸法も加えながらなので集中力を求められるのでかなりしんどい。

しかも遅いと師範に殴られるというおまけ付き。

走り込みが終われば朝の食事を食べて少し休んだ後は木刀を持って素振り。

足の次は腕を鍛えるのだ

勿論稽古中は怠ける事は許されないし剣筋が鈍れば即拳骨や杖が飛んでくる。

疲れてきた時は最悪で剣筋がゆがみ殴られ、そのせいでまたゆがみまた殴られるの繰り返し。

適当に振ったつもりはないがふとカナエやしのぶの事を考えてしまい剣筋がゆがんでしまい

殴られることもあった。

さらには特殊な呼吸法の鍛錬。全集中の呼吸というものを会得しないと話にならないらしい。

また、雷の呼吸という剣技?呼吸法?を会得しなければならない。

これもきつい。肺痛い、心臓ドクンドクンする。耳から血とか心臓が出そう。

ここまでの鍛練を修行開始から半年続けた。

余りのしんどさに数回逃げ出したが即捕まりその度拳骨とありがたいお話を貰う。

お話の時はいつも決まって、

 

「泣いてもいい、逃げてもいい、ただ諦めるな。信じるんだ。自分を。」

 

と言ってくる。

人生経験豊富なためかその言葉がいつも重たい。

 

「(このままじゃだめだ。)」

 

半年の内最後の数日は逃げる事しか考えてなかったと思う。

だが逃げる事は不可能と考えた俺は作戦変更とばかりに別の方法を取る。

作戦内容は逃げられないなら逃げずに全集中の呼吸を持続して行う事で

基礎体力の向上を図り、走り込みや素振りを疲れることなく行うというもの。

師範曰く呼吸法が完璧に出来るようになれば今の鍛練も楽になると最初言っていた。

なら全集中の呼吸を四六時中やれば早くそうなるんじゃないかと考えたのだ。

だがそんな簡単にできるわけもなく

 

「全集中の呼吸きっつい。」

 

と叫ぶ。

肺を大きくしてより多く空気を肺に取り込むらしいのだがこれがまぁきつい。

師範のところに来てから半年。真面目に訓練してきたと思っているし実際努力してきた。

その結果、肺活量などは高まっているはずだが未だ全集中の呼吸を継続することができない。

寝てる間も全集中とかやろうとしてるけどこれもまぁキツイ。

無意識にできたらもうあとは余裕になると思うんだけどなぁ。

それと同時に雷の呼吸の型を習得に励む。

師範曰く俺は覚えが早く筋がいいらしい。

滅多にないが褒められたときはとても嬉しい。

俺にはいなかったが爺ちゃんってこんな感じなのかもしれない。

 

「これ、ぼーとするな、馬鹿者。」

 

ガツン

 

「いってええぇえ!!」

 

瞑想中に余計なことを考えていたせいでおこられ

師範の杖で殴られそうになったので躱そうとするが首から下が動かず肩に当たる。

また殴られた。俺まだ十一歳だよ。少しは手加減してくれてもいいんじゃない?

 

「ほう、やるではないか。」

 

「全集中の呼吸が途切れたらどうするのさ!今最高記録なんだから!」

 

「ん?儂、常中は教えとらんぞ。」

 

「教えてもらってないですからね。逃げるの諦めて早くできるように

なろうとしてやってた。常中っていうんだ、これ。」

 

「どれくらいやっとる?」

 

「朝からずっと。まだ寝る間は出来ないけど今はまだ途切れてない。」

 

「たった半年で、ゼロからここまで……よし!今日からお前は儂の後継者じゃ!

儂の全てを叩き込んでやるから覚悟せい!」

 

「まじか!」

 

「まじじゃ。」

 

なぜこうなった?将来楽しようと始めた事のせいでむしろよりしんどくなる。

まさかこうなるとは思わなかった。

でも教えるのは師範なので俺に逆らえるはずもなく徹底的に仕込まれた。

それと同時に少しは真面目になろうと考えた瞬間だった。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

ここでオリ主の紹介。

名前 清水飛鳥
年齢 十三歳
誕生 十二月三日
呼吸 雷の呼吸
家族 カナエ
   しのぶ
好物 胡蝶家で食べた料理
趣味 料理

主人公。生まれつき生命の気配を感知する事が出来る。
見ただけで技術をある程度使える様になる程器用な
才能の持ち主。でも本人は自覚無し。
全体的に細い体に中性的な顔立ちをしている。
女性寄りな名前を若干嫌っている。
両親と姉二人を鬼に殺されるが奇跡的に助かり
その後母方の親戚の夫婦の下に身を寄せるが二年後に鬼に殺されて身寄りをなくす。
村から追い出されそうになるが胡蝶家に拾われてそこで過ごすが
十一歳の時に鬼によって育ててくれた胡蝶夫婦を殺され、
その後悲鳴嶼に救われ鬼殺隊に入隊。
桑島のところで雷の呼吸の型を学ぶべく修行の積んでいる。
元々真面目な性格ではなかったが後継者になれと言われた時に
下手に逃げようとすると余計しんどくなると学び、
真面目に生きようと決意し
以後人が変わったように真面目に生きるようになった。
だがいまだ家族や恩人を殺された事を恨んでいる。

以後も主人公やオリキャラ独自設定を入れたキャラ
に関する情報は後書きで入れていくと思います。
またよろしくお願いします。

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