雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第二十話 番外編 カナエの願い

数日前飛鳥が義勇君と錆兎君と協力して大量の鬼を討伐したと聞いた。

下弦の弐は義勇君が討伐したらしい。

もうすぐ次の柱合会議がある。

場所を考えれば弐日もすれば帰ってくるだろう。

今年の初めごろに結婚式も上げ共に暮らしている。

一様鳴屋敷という飛鳥専用の屋敷もあるのだがそこはほぼ飛鳥の専用道場となっている。

結婚して半年たつが私はある思いをいえ願いかな?を飛鳥に隠している。

本来夫婦でこんなことはいけない事なんだけど飛鳥の事情を考えると言えなかった。

飛鳥は実の両親と姉と義親の六人を鬼に殺されている。

鬼を恨んでいるのは確実のはず。

そんな彼に私の願いを打ち明けたら余計な負担になるかもしれない。

それで拒絶されるのが怖った。その後に関係が崩れると考えただけで

全身が震えるほどの恐怖がある。

だが深く考えてみると関係が崩れるという事はないだろうと思うようになったわ。

昔からどこか適当なところはあったが責任感は高かった。

両親の件で離れてから再会した時適当なところはすっかり抜けて

真面目な人間になっていた時は驚いたけどそれでも責任感が強い所は変わっていなかった。

だからこの願いが拒絶されるかもしれないがこの関係が崩れるようなことは決してない。

やっとそう思えるようになった。

だから帰ってきたら言うわ。飛鳥に全てを。

 

 

 

 

二日後の夜

 

 

 

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい」

 

帰ってきた。決心したんだもの。まだ少し怖いけどそれでも隠すのは飛鳥の想いを

裏切ることになる。それだけは絶対してはだめ。

 

「飛鳥少しいい?」

 

「どうした?」

 

「少しだけ聞いて欲しい話があるの」

 

「構わないが」

 

「ありがとう。」

 

縁側に移動して二人で座る。

 

「で、どうした?話って」

 

「うん、鬼に関してなんだけど、私は鬼との融和を目指しているの」

 

「!」

 

飛鳥が私を見てきた。その顔は驚きの顔をしている。

 

「鬼だって最初からなりたくて鬼になったわけじゃない。

鬼も鬼舞辻の被害者なんだと思うの。珠世さんを見ていてより強く思ったわ。

勿論飛鳥の事情は分かってるわ。別に共に目指してほしいという訳じゃないの。

ただ夫として妻が目指している目標を知っててほしいというだけなの。」

 

長い沈黙の後飛鳥は聞いてきた。

 

「君の意志は固いんだね?」

 

「ええ。」

 

「これから先もしかしたらそんな鬼は現れないかもしれない。それこそ一生。

厳しいこと言うようだが君の意志を継ごうと考える人間はいないかもしれない。

それでもカナエはそれを目指すことを諦めないんだね?」

 

「ええ。」

 

「分かったよ。それが君の目指すものだというなら俺は応援するよ。

ただ俺は鬼への恨みを忘れる事が出来ないんだ。だから協力は出来ない。

それは許してほしい。」

 

「ありがとう。私頑張るわ。」

 

「でも絶対生き残ってくれ。それは約束してほしい。」

 

「勿論よ。飛鳥との子供も欲しいし。」

 

そこで飛鳥は赤くなった。

こういうところがかわいいのよね。

でもよかった。飛鳥が認めてくれて。

もしかしたらかなわないかもしれない。

でも目指すことに意味があると思うから

 

 

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