また一つ、年が明けた。
カナエから自分が目指す目標を聞いた日から半年。
それからも鍛練を繰り返しまた鬼を討伐する。
かれこれ数十程倒したと思う。
今年は杏寿郎が最終選別に行くらしい。
手紙で実弥や真菰も最終選別に向かうと聞いた。
そんな時にお館様から手紙を貰い産屋敷邸に向かう。
入り口であまね様に取り次ぎお館様の部屋に入り座る。
「来てくれてうれしいよ。元気そうだね。飛鳥」
「はい、お館様もご壮健でなによりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
「ありがとう。今日呼んだのは新たな柱を決めようと思っているんだけどね。
候補としては冨岡義勇、鱗滝錆兎を考えているん。」
現在の柱は炎柱の煉獄槇寿郎さん、水柱の戸倉芭蕉さん、音柱の宇随天元さん
風柱の佐島象山さん。岩柱の悲鳴嶋行冥さん、花柱の清水カナエに鳴柱の俺の七人。
お館様が言うには次の柱合会議をもって水柱である芭蕉さんが引退する。
彼は年齢が六十三歳で長年の戦いでの怪我のせいで体の節々にガタが来ていて
最近では体を動かすのがつらいらしい。
そこで新たな柱として彼の代替わりの候補として考えたのが義勇と錆兎だった。
俺を呼んだのは俺が二人と同期で顔見知りで共に戦った経験があるから
意見が欲しいという事だそうだ。
「二人とも技量としては文句の付け所がありません。一言に水の呼吸といえど
二人は性質が違います。錆兎は荒々しい流れの川のような型ですが義勇はまさに凪です。
どちらを柱にしても問題なく職務を全うしてくれると思います。
ですが俺の率直な意見は錆兎です。技量は義勇の方がわずかに上ですが
柱は鬼殺隊で精神的支柱であり下の階級の隊士を率いる事も多いです。
その面で言うと錆兎の方が他者を率いる事に長けているかと」
率直の意見を言う。正直かなり難しい二択だ。
技量の義勇か、統率の錆兎かどちらをとってもはずれにはならない。
「ならこうしようか。義勇は柱として錆兎には柱補佐として義勇の補佐にする。
義勇にはその動きで周りを率いてもらい、錆兎には統率者として率いてもらおう」
「それがよろしいかと」
「ならそれで行こうか。相談に乗ってくれてありがとう」
「いえこのようなことでよろしければいつでもお呼びください。
出来る限りお力になって見せます」
「期待しているよ」
それから数週間後柱合会議が開かれ現水柱芭蕉さんの引退が報告された。
「鬼との戦いはまだ終わっていないのに私だけ先に引退してしまい申し訳ない」
「体が動かしにくいなら仕方ないですよ。今まで長い間お疲れ様でした。」
「うむ。後は我々に任せてほしい。必ず無惨を討伐しよう。」
「長い期間を鬼狩りに費やされたのだ。尊敬に値する。
だがそろそろ自分の体を休ませてあげるべきだ」
「芭蕉様には補佐をしていた期間色々お世話になりました。有難うございました」
「今まで派手に戦ってきたんだ。誰も反対しねえよ。」
「ありがとう。この体では出来る事も少ないだろうが何かあれば頼ってほしい。」
「その時は頼りにさせてもらうよ芭蕉」
「はい。お館様もお体にはお気お付けください」
「ありがとう。そして芭蕉の後を継ぐのはこの二人だ。」
言われて奥の部屋から錆兎と義勇が出てくる。
「みんなに紹介しよう。新たに水柱に就任した冨岡義勇と
その補佐に就任した鱗滝錆兎だ」
「よろしく。」
「鱗滝錆兎ですよろしくお願いします。」
「義勇に錆兎か。柱の仕事は多い。後は頼んだよ」
「「はい」」
「二人にはこれまで芭蕉が担当していた区域を担当してもらうよ。頼むね。
分からない事があればカナエや飛鳥に頼るいい。四人同期だ。気心も知れているだろう」
「「はい」」
「ではこれにて柱合会議を終了とする。今日はご苦労だったね」
『はっ』
お館様はそのまま部屋を辞した
俺達もまたそれぞれの任務に戻る。