柱合会議から数日
俺はつかの間の休息をカナエとしのぶの三人と楽しんでいる。
今日は蝶屋敷の近くの町に繰り出して買い出しに来てその後三人で店を回っている。
蝶屋敷は去年の暮れに屋敷に住み込みで働くようになった神崎アオイという少女が
留守番している。アオイは家族を鬼に殺されて鬼殺隊の隊士になる事を目指し去年の最終選別で
杏寿郎や実弥たちと共に合格したのだが初任務で大怪我をして柱屋敷に運び込まれたのだが
その時に遭遇した鬼に恐怖で負けてしまいもはや隊士として働けなくなってしまった。
そこで今はしのぶやカナエの下で医療を学び、助手兼看護婦として働いている。
因みに提案したのは俺だ。今隊士の治療はしのぶがほぼ一人で見ている。
俺は医療に関してはほぼからっきしだしカナエは自分の担当地域を見回る必要があり
どうしても蝶屋敷を開ける事が多い。そのせいでしのぶにほとんどの負担が
行ってしまっているという事だ。その負担を減らすためにアオイや数日前に保護した
きよ、なほ、すみという少女たちと共に看護婦として育てつつしのぶやカナエの補佐を
してもらおうと提案した結果、全員から賛成を貰った。
その結果アオイや三人娘には柱屋敷から食と住の提供と給金を支払う代わりに
蝶屋敷で働くことに決まった。
四人とも手先が器用なので戦力になるだろうとしのぶは言っていた。
そんなことを思い出しながら三人である場所に向かう。
そこはとても綺麗な池を中心に綺麗な林が広がる場所。
俺達三人はそこで一際大きな木がある場所の根元に座り持って来た弁当を開ける。
この弁当は俺が作ったものだ。それぞれの好物が入っている。
「とてもおいしいわ。流石飛鳥ね」
「ええ。とてもおいしいわ」
「二人にそう言ってもらえるのはとてもうれしいよ」
それから三人の時間を楽しんだ。
特に何かしたという事はないが景色を楽しみこれからの事を話し合うなどした。
そうやっているうちに時間が来る。
「楽しい時間はあっという間だ」
「そうね」
「飛鳥、姉さんまた来ましょう」
「そうだな」
「ええ」
三人は蝶屋敷に戻った。
三人で出かけてかっら数日後。
鳴屋敷で鍛練に励む飛鳥の下に客人がやって来た。
彼の名前は獪岳。
飛鳥と同じ師匠の下で雷の呼吸を学んだ弟弟子で杏寿郎や実弥の同期だ、面識はないが。
「で、わざわざ俺の元までどうしたんだ?」
「俺は霹靂一閃が出来ないんです。で、鳴柱であるあなたなら何かわかると思い
お邪魔した次第です」
「なるほど分かった。見てやろう。だがその前に条件がある」
「条件ですか?」
「そうだ。過去を清算しろ」
「過去を?」
「そうだ。済まないとは思ったがお前の事は調べさせてもらった。
昔は悲鳴嶋さんの下にいた事は知っている。
そこでお前がやらかしてしまったこともな」
「はい。」
「過ぎてしまった事は本当はよくないが今はいい。
だが過去に対して何のけじめもつけずうやむやにすることは俺は絶対に許さない。
過去に対して何もけじめをつけず逃げ続ける者に教えることは無いと思う。
お前はどっちだ?逃げるか?それとも立ち向かうか?」
獪岳は暫く考えた後、何かを覚悟したように飛鳥を見た。
「飛鳥さん。お願いします。悲鳴嶋さんに会わせてください」
「分かった。俺も行く。少し待ってろ」
その後すぐに二人で悲鳴嶋の下に向かい
出会いがしらに獪岳は土下座をしてこれまでの過去全てに謝った。
悲鳴嶋は暫く獪岳にお小言を言った後彼を許した。
その後飛鳥の方を向き、
「飛鳥殿、獪岳を説得してくれたようだ。大変世話になった。」
「気にする必要はないですよ悲鳴嶋さん。貴方の為でもあるが
獪岳が前に進むためには必要なことだと思うから
おせっかいだとは思ったがそうさせてもらっただけだし」
「いやこれで私も前に進めるだろう」
「ならよかった。獪岳と話したいことも有るだろう。俺は失礼する」
飛鳥はそのまま出ていった。
その数時間後獪岳は少し晴れやかな顔をして帰ってきた。
「どうだ?」
「つきものが取れたような感覚がします」
「そうか。なら修行を始めようか」
「はい」
「まずお前が今どれぐらいできるのか見せてほしい」
「はい」
獪岳は今できる最高の霹靂一閃を見せる。
だがそれは到底霹靂一閃といえる代物ではなかった。
「分かった。ならまずその場でいいから座禅を組め」
「?はい」
獪岳は分からないというような顔をしながら座禅を組む。
「俺が言う事をしっかり聞いてくれ
まず深呼吸だ。そうだ。
次にお前には我妻善逸という弟弟子がいるな?」
「はい」
「まずは認めるんだ善逸を」
「認めるですか?」
「そうだ。正確に言えば他者の努力、才能を認めろ!」
「認める?」
「そうだ。その意味を真に理解したら次の段階に進む。」
「はい。」
この時から獪岳の中で何かが目覚めるような感覚を覚えた