全力で走っていた。
普通の人とは比べようがないほど早く。
「(急げ、もっとだ。もっと早く。でないと)」
それは三十分前に遡る。
その日も数体の鬼を退治し終え次の任務を待っていた。
その時に鴉から風柱と炎柱、音柱が上弦の壱と戦闘しているという知らせを持って来た。
急いで目的地に向かう。走れば三十分でつける位置にいる。
何とか間に合ってくれと祈りながら走り続ける
目的の場所についた俺は唖然とした。
そこには上半身と下半身が腰の所で二つに切られて息絶えている佐山さんと
利き腕を失い膝を付いている槇寿郎さんがいた。
現在は音柱である天元さんが一人で戦っているが体に欠損こそないが
傷だらけで既に満身創痍という状態だ。
「天元さん!」
「清水か」
「変わります。槇寿郎さんを連れて下がってください」
「すまん」
「飛鳥君、死ぬなよ」
「はい」
天元さんが槇寿郎さんを抱えて離れる。
「また貴様と相まみえるとはな」
「そうだな。だが今はそんなことはどうでもいいだろ。
俺が柱でお前は鬼。ならすることは一つだ」
「そうだな」
互いに自分の刀を手に取り睨み合うが動かない。
「(最初が肝心だ。最初の動きで流れを掴めるかで勝負が決まる。集中しろ。)」
その時体温が跳ねあがった。それと同時に額と腕に依然と同じ痣が浮かび上がる
体温の上昇に気づいた飛鳥は心拍数を抑える。
それと同時に目の前にいる上弦の壱の本来見えない筋肉の動きなどが見える。
「(これが縁壱さんが言っていた透き通る世界。
これなら奴の動きが見える。追いつけるかもしれない)」
「(あれは痣か。それに心拍数が下がった?何の意味が?
いやそれよりこの気配にこの感じは、まるで縁壱そのもの!)」
上弦の壱と飛鳥はそれぞれ思考巡らせる。
だが動かない。お互いがお互いの動きの読み合いそれぞれの思考の中で
影の戦いを繰り広げている。
最初に決着が付き動いたのは飛鳥の方だった。
「(雨の呼吸 壱の型 車軸の雨)」
「(!これは蒼月の型。こいつの型は雷の呼吸の型ではなかったのか?
まさかそれ以外にも使えるというのか?)」
とっさに躱した上弦の壱だが飛鳥の技はまだ終わらない。
渾身の突きからそのまま円を描くようにして振りかぶり追撃をかける。
「(まだだ。雨の呼吸 陸ノ型 雨龍の牙)」
「これは、躱せない)」
上弦の壱は飛鳥の攻撃を己の刀で受けてしまった。
ガァキイインという刀がぶつかる音が周囲に響いた。
「(動けない。そうか先程の攻撃でしびれた)」
「(これで終わりだ。漆ノ型 奥義 天翔ける龍の如く)」
最後の決め手の攻撃をかける。
それもただの刀ではなく刀身を赫く染めた赫刀を使った奥義による十五連撃。
上弦の壱は辛うじて頸を守ることは出来たが上半身をを残してそれ以外は
切られてしまった。
「(再生が出来ない。また私は負けるのか?才能に。どれだけ努力しても
圧倒的な才能にはかなわないのか)」
「終わりだ。上弦の壱」
その時上弦の壱の真下に障子の扉が現れ扉が開きその中に上弦の壱が落ちていった。
飛鳥はそれを見送る事しかできなかった。
「逃げられたか。場合によればあの転移の血鬼術の方が厄介だな。
後は隠に任せるか」
そこで上弦の壱戦は終わった。飛鳥は遺体となった佐山の開いた目を閉じて
隠が作業を終わるまで合掌していた。
第二十四話いかがだったでしょうか?
少し上弦の壱とオリ主の戦いがあっさりしすぎたかもしれません。
でもこういうのもいいと思って書きました。
今年はこれ以上の更新は出来ないでしょう。
読んでいただいた皆様ありがとうございました。
お気に入りに入れていただいた皆様ありがとうございました。
おかしなところなど色々あり読みにくいと感じたところも
多々あったと思います。では来年も良い年をお過ごしください。