雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第二十五話 痣と赫刀

 撤収も済み佐島さんの葬儀も終わった翌日、緊急で柱合会議が行われた。

上弦の壱が動いたとなれば当然のことだ。

因みにこの会議に槇寿郎さんは参加していない。

大事を取って休むらしい。

 

「先ずは上弦の壱を逃がしたこと。申し訳ありません。」

 

「気にすることは無いよ、飛鳥。それより良く生き残り尚且つ

あと一歩まで追い詰めてくれた」

 

「それゆえに悔やまれます。後少しで討てたのですから」

 

「飛鳥には感謝しかない。後少し遅ければ俺も死んでただろう。

それほどの強さだった」

 

「そうだね。だがこれは大きな前進だ。無惨は上弦の壱をここまで追い詰めた

飛鳥を殺すためにさらなる刺客を送り込んでくるだろう。

柱達は常に連絡があり次第駆けつけられるように準備しておいてくれ。」

 

『はっ』

 

「それと飛鳥、君の額の痣について報告してほしい。

それの出現以降急に強くなったと聞いたよ。過去の記録にも

飛鳥と同じような痣が出て急に強くなったという記録が残っていた。

飛鳥の痣もそれだろう。どういう状態で痣が出たのか報告してくれるかな」

 

「はい」

 

俺は知っている事を全て報告した。痣と赫刀を出す方法。

その中でお館様は痣の代償についても触れられた。

おれはその際にその対処法についても報告した。

全ての報告を聞き終えたお館様は頷いて声を上げた。

 

「報告有難う、飛鳥。皆ももし痣が出たり出た者を見たのなら報告してほしい。

そして飛鳥の下へ行くようにしてほしい。頼んだよ。」

 

『はっ』

 

その後正式に槇寿郎さんの戦線離脱が報告されて柱合会議は終了。

正直柱を二人失ったのは痛い。

特に槇寿郎さんは炎柱だ。

炎柱は代々煉獄家の人間が高確率で担ってきた。

もはや世襲ではないのかと疑われているほどだ。(もちろん世襲制では無い)

それほど煉獄家の人間は炎の呼吸に対して適性が高くそれだけ周りへの影響が大きい。

次の候補となると杏寿郎だろうがまだ彼はその実績も腕も足りない。

怠けているわけではないし弱い訳ではないのだがまだ未成熟と言ったところだ。

彼には無理だろう。

柱合会議が終わりそんまま煉獄邸に向かった。

玄関前では次男の千寿郎が座っているが明らかに落ち込んでいる。

声を掛けずらかったが前に進まないので声をかける事にした。

 

「千寿郎、久しぶりだな」

 

「飛鳥さん。お久しぶりです」

 

「杏寿郎はどうした?」

 

「先程任務に」

 

「そうか。槇寿郎さんの事、間に合わず済まなかった」

 

「いえ、驚きましたけど、生きているんです。生きていれば何とかなりますよ」

 

「ありがとう」

 

「丁度さっき目を覚ましたところです。案内しますね」

 

「頼む」

 

千寿郎に案内されて槇寿郎さんの下に向かう。

その途中瑠火さんに会った。見た目は変わりなさそうだ。

 

「お久しぶりです」

 

「ええ、久しぶりね、飛鳥君。カナエちゃんとはうまくいってる?」

 

「はい。俺にはもったいないくらい出来た妻です」

 

「そう。良かったわ」

 

瑠火さんは微笑んでくれる。

その微笑みが俺にはつらかった。

 

「あの槇寿郎さんの件、遅くなってしまい申し訳ありませんでした」

 

誠心誠意頭を下げて謝罪する。

 

「気にする必要はないとは言えないわ。でもあなたが悪い訳じゃない。そうでしょ?」

 

「しかし」

 

「どうしても気になるなら、無惨を討って。この悲しみの連鎖を終わらして」

 

「はい。必ず」

 

「あの人が待ってます。此方へどうぞ」

 

二人に付いて行き案内された部屋に入る。

そこには一台のベットが置かれただけの部屋だった。

 

「飛鳥君か。見舞に来てくれたんだな」

 

「はい。今日緊急で行われた会議の報告に来ました」

 

「済まないな。報告してくれるか」

 

「はい。今日をもって槇寿郎さんを柱からの外す事が決まりました。

これがお館様からの文です」

 

あまね様経由で渡されたお館様手紙を槇寿郎さんに渡す。

手紙を見た槇寿郎さんは泣き始めた。

こっそり内容を見ると柱から外す事への謝罪とこれまで鬼殺隊を引っ張ってくれたことと

活躍に対する感謝の言葉が書かれていた。

 

「飛鳥君。私はここまでだ。後は君に全てを託す。杏寿郎と共に

何としても鬼舞辻を倒してほしい。頼んだぞ」

 

「任せてください」

 

俺は返答と共に新たな覚悟を決めるのだった

 

 

 

 




あけましておめでとうございます。
今年も投稿していこうと思います。
よろしくお願いします
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