雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第三十話 蝶屋敷襲撃

カナエ視点

 

今日はしのぶも飛鳥もいない。

私だけがお休み。

しのぶは任務だし飛鳥はお館様の所へ行ってしまった。退屈だわ。

今屋敷にいるのは私だけ。患者すらいない。

患者がいないのはいい事なんだけど。

もうすぐ夜になるし飛鳥も帰って来るでしょう。

その時だった。私は鬼の気配を感じ取った。

 

「(何でこんなところに鬼の気配が?)」

 

部屋を飛び出し気配のする方へ向かう。

そこは何もない部屋。だがそこには鬼がいた。

血を被ったような色の髪。扇を二つ持っている。

見ただけで分かる。この鬼は話だけ無駄だと。

 

「やあ、こんばんわ。」

 

「どうしてここが?」

 

「それは秘密さ。さあ君も救ってあげる。」

 

意味が分からないがとにかく切りかかった。

ここで死ぬわけにはいかないから。

 

 

 

 

 

 

飛鳥視点

 

 

 

急いで蝶屋敷に向かう。

いつもより速く走っているはずなのに焦りからか遅く感じる。

屋敷に着くと急いで中に入る。

気配をたどって目的の場所に着くと

そこには倒れているカナエとそれを今まさに食べようとしている

鬼がいた。

 

「(させねえ。雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃)」

 

「おっと危ない。」

俺は技を出して片腕を赫刀で切り飛ばし傷ついたカナエをもぎ取った。

相手は十二鬼月のしかも上弦の弐のようだ。

 

 

「カナエしっかりしろ」

 

鬼から目を離さずカナエの脈を確認する。傷は多いがどうやら生きているようだ。

だが明らかに呼吸がおかしい。まるで息がしにくいようだ。

 

「折角その子を救ってあげようとしてたのに邪魔しないで。」

 

「は?お前頭いかれてんのか。殺すことが救うって狂ってるだろ。」

 

「ひどいな~君。俺じゃなかったら既に死んでるよ。そっかそっか君も

 

救われたいんだね。今の言葉は気持ちの裏返しという訳か。なら。」

言いながら扇を構える。

 

「(血鬼術 散り蓮華。)」

 

俺はすぐさまカナエを背負って下がる。

一旦物陰にカナエを寝かせて元の場所に戻る。

 

「(冷気を操る血鬼術か。カナエの状態を見るに多分あの冷気で肺を凍らせて

呼吸を封じられてしまう。近づきにくいし厄介だな。だが苦戦するほどではない。)」

 

「君速いね。どこに行ったか分からなかったよ。」

 

「余裕だな。時間があったにもかかわらず切った腕が元に戻っていないようだが?」

 

言われて上弦の弐は切られた腕を見る

本来なら再生しているはずの腕がない。

驚いて此方を見る。

 

「今更気付いたのか?危機管理意識が足りなさ過ぎやしないか?」

 

「何故だ?まさか黒死牟殿と同じ・・・」

 

「わざわざ答えてやるわけないだろ。さっさと死ね(雨の呼吸参の型五月雨)」

 

一気に近づき型で攻撃をする。首を狙った攻撃は完全に防がれるので

これはフェイク。本当は赫刀による腰辺りに向けた攻撃。

不意を突かれて対応が遅れた上弦の弐は真っ二つに切られてたおれた。

勿論下半身は消滅している。

 

「この傷も再生しない。鳴女殿!」

 

ベベン

 

琵琶の音と共にまた襖が表れて上弦の弐は消えていった。

 

「くそ、またか。本当に厄介だな。あの血鬼術は。」

 

これまで空間操作を行う鬼は幾度となく倒してきたが

この敵は別格だ。本当に厄介だな。

カナエの元に戻ると既に目覚めていた。

 

「動くな。大丈夫。鬼は逃げた。」

 

直せる傷から治療していく。

 

「すごいわね。私の旦那様は上弦を二人も撃退しちゃうなんて。」

 

「そうか?だがお前が生きててくれたのが一番うれしいよ」

 

「ありがとう。飛鳥。」

 

その後援軍として最近柱になった杏寿郎と実弥としのぶが来てくれた。

しのぶにカナエを任せて報告を行う。

 

「援軍ありがとうございます。」

 

「気にする必要はない。親友の家族の危機だ。

何を置いても駆けつけよう。それで鬼は?」

 

「悪い逃がした。上弦の弐だったが例の血鬼術でだ。」

 

「まじか。飛鳥お前上弦相手に無傷かよ。」

 

「うむ、実に見事だ。友として誇らしい。」

 

「ありがとう。詳しい事は柱合会議で話すさ。」

 

「分かった。」

 

 

 

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