雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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前回後書きに書きましたが今回からいっきにじかんがとびます。
よろしくお願いします。


第三十三話 長期任務壱

三年が過ぎた。

その間に色々な事が起きた。

まず何と言っても柱が増えた事だろう。

まず俺が鳴柱を辞し代わりに獪岳が鳴柱に就任した。

代わりに俺は雨柱に就任した。

そして新しく蛇柱として小芭内が霞柱として無一郎がそして蟲柱としてしのぶが就任した。

更に新たに恋柱として甘露寺蜜璃が就任。

何でも元杏寿郎の継子らしい。

恥ずかしい話、啓が死んでからただただ鬼を狩る事しか見ていなかった。

そのせいもあり杏寿郎や他の柱とも交流を避けていた。

それほど恨みに囚われていた。

天元さんに顔面をひっぱたかれるまで自分の体調に気付かない程に。

気付いてからは心配かけたとみんなに謝り周りも仕方ないと許してくれた。

それにしのぶと結婚した。

これには蝶屋敷の皆も大喜びだった。

だがやはりというべきか二人とも柱なので

なかなか結婚生活を謳歌出来ずにいる。

今日、真菰と共に長期任務に向かう。

長期任務とは普段の任務とは別に長期で遠くの地方に鬼の討伐に向かうというものだ。

柱は基本自分が担当する区域を巡回しその中で鬼を討伐していく。

その範囲は広大だ。そしてそれとは別に長期任務に向かうのだ。

だが今は柱が増えたことにより俺は担当区域を外し長期任務を専門に受ける柱となった。

幾つか理由はあるのだが主にこの長期任務では普段どうしても見逃しがちな

場所にいる鬼を狩ることが主な目的だ。そうじゃない場合もあるが。

そして今日任地に着いた俺と真菰は目的の街に来ていた。比較的に大きな街だ。

そこでは多数の人間が行方不明になっていた。

この事から鬼の可能性ありとして二人でこの場所に来ていた。

 

「まずは手分けして住民から話を聞いてみるか」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

 

「どうだった?」

 

「いくつか情報は手に入ったよ」

 

「なら情報のすり合わせをするか」

 

すり合わせの結果わかったことは

1誘拐されているのは男性。

2被害は一度起こると次に起こるまで少し猶予がある。

3被害男性は十代半ばから六十近くの老人まで様々。

4被害男性は行方不明になる少し前まで

女性と付き合っていた。

 

「こんなところか。聞いた限り一番怪しいのは」

 

「その付き合っていた女性だね」

 

「だな。大体てぐちも想像できる。

まず一般女性を装って対象に近き恋仲になる。

そこから関係を進展させる。

そうしておいて頃合いを見て人気の無い場所に

連れて行き食らう。こんなとこだろう」

 

「なるほどね。でも何回も続けてたら気づくんじゃ無い?」

 

「この土地だから出来る方法だな。商売目的にしろ単なる旅行にしろ何人も人が行き交う。

当然その中には女性も多い。だから特定も難しい。

更に交易で成り立っているからその流れが止まる事は無い。嫌な任務だ」

 

「だから飛鳥君が選ばれたんだね。気配で鬼かどうか分かるし。」

 

「多分な。じゃあ、今後の行動な。俺は隣町まで行ってくる。

他にも被害が出てるか確かめたい。

真菰は此処で鬼の特定を頼む」

 

「わかったよ。気をつけて」

 

「ああ」

 

俺は他の被害調査の為隣町まで出かけた。

それから数日して俺は最初の街に帰って来た。

 

「お帰り。どうだった?」

 

「思った通りだ。この街周辺の街や村で同様の手口の事件が

数件あった。そして一番最近の事件は隣街だった。」

 

「じゃあ」

 

「ああ。恐らくだけど鬼はこの街にいる。そっちは?」

 

「街のあちこちできいて条件に合う女性を探したら

何とか四人まで絞り込んだよ」

 

「流石だな。じゃあ案内してくれるか?」

 

「うん」

 

真菰の案内の元その女性たちの下に向かう。

まず一人目の女性。大きめの商家で働く女性だ。

 

「最初の人があれ。名前は明智 都子。

最近この街にやってきてここで働きだしたみたい。

この家の若旦那と恋仲らしいよ」

 

「なるほど。条件にはあうな」

 

そう言いながら観察する。

 

「違うな。人間の気配だし何よりかなりの時間、日の光に当たっている。」

 

「うん、そうだね。なら次行こう」

 

そして次の女性もその次の女性も白であることが判明する。

そして俺は最後の女性の下に来ていた。

 

「あいつだな」

 

「うん。あからさまに日の光を避けてる。私でも分かるよ」

 

「それに気配も鬼のものだ。よし、夜を待って動くぞ」

 

「分かったよ」

 

一旦宿でやすみ他の候補に上がっていた女性についても調べなおす。

 

 

 

 

 

そして夜

 

 

 

 

 

俺は真菰と例の鬼の女のいる屋敷に来ていた。

着いてみると丁度屋敷を抜け出して彼氏と思われる男性と夜の街に出かけようとしているところだった。

俺たちは怪しまれないようにすぐ戦える私服に着替えて刀を隠し後をつける。

 

「なんか鬼とはいえ後をつけるのは罪悪感があるな」

 

「そうだね。でも任務だし」

 

「分かってる。見失わないように後を付けるぞ」

 

「うん」

 

結局その日は特に騒動になる事はなく終わった。

俺もだが真菰もかなり落ち込んでいるようだ。

 

「何にもなかったね」

 

「ああ。濃厚な愛を見せられただけだった」

 

今回尾行の結果見られたのは鬼の女性と男性による数時間にも及ぶ

濃厚すぎる男女のいとなみ。

見ているこっちが恥ずかしくなってくる。

何が嬉しくてこんなもの見なくてはならないのか

 

「つらいけど明日、いや今晩か、もやるぞ」

 

「うん。これ以上ひがいは出したくないしね」

 

二人で気合を入れなおす。が、

 

「でもその前に」

 

「ああ。その前に」

 

「おやすみなさい」

 

「ああ。おやすみ」

 

俺たちはそのまま眠りにつくのだった。

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