五日が過ぎた。その間街中の女性を調べた。
更に毎晩最有力候補の女性の見張りと尾行を行ったが何も成果が得られていなかった。
しかも尾行のたび人気のないところで濃厚な男女のいとなみを見せつけられるので、
俺も真菰もかなり疲労が溜まっていた。
「はあ~、なんか無駄に思えてきたね」
真菰が溜息をつきながら呟く。
俺自身そう思う事はある。だが現状証拠がない。
証拠なしに殺して違った場合それはただの殺人だ。
それをしてしまえば鬼以外の敵を作ってしまう。
鬼殺隊はそこに細心の注意を払っている。
だからこそその確信がない限り滅することが出来ないのだ。
「言うな。俺も薄々そんな気がしながらやってんだ。
でも今のところあいつ以外それにつながりそうなものがない。
他も調べながらだがあいつを調べていくしかない」
無理やり気合いを入れる。
その日の夜
「(今日、明日位で終わるといいけど)」
そう思いながら尾行を続ける。
しかし今日はこれまでと違った。
「(いつもと違うな。いつもなら露店や店舗を回るのに今日は妙に焦ってる。)真菰」
「うん。いつもと違うね」
「かなり焦ってる。飢餓状態が近いのかもしれない。気を付けて行くぞ」
「うん」
俺達は再び尾行を開始する。
しばらくしていつもの場所に着く。
様子を見れば女性の方は明らかにおかしい。
息が荒くなり汗も凄く出ている。
「確定だな。行くぞ」
「うん」
俺と真菰は茂みから出る。
「なんだお前たち」
俺達に気づいた男が声を上げ後ろの女性の顔が青くなる。
「あんたには用はないんだ。用があるのはそっちの女性の方なんだよ」
俺の指摘に男は少し黙ると急に指をさし。
「そうか!お前、この子の言ってた、浮気ばかりするくせにしつこく
取り戻そうとしてくる元彼だな」
「「「は?」」」
急な展開に俺達二人だけでなく鬼の女性までも驚いてしまう。
「だが。今は俺の彼女だ。悪いが諦めて帰りたまえ」
「・・・・・」
独自の解釈を自信満々に語る男に呆れて何も言えない俺。
勿論女性の事は注意しているが。
だがそんな茶番も長くは続かない。
限界を迎えた鬼が急に一番近くにいた例の男を食べるために動いた。
「危ない」
俺は男を自分の後ろに投げ飛ばし鬼の持つ小太刀とつばぜりあう。
「へ~。早いね」
「鍛えてるからな。真菰そいつ任せる」
「任せて。必ず守るから」
「おい。やめろ彼女に怪我させたら承知しないぞ」
後ろで男が何か騒いでいるが真菰に任せて戦い続ける。
「(血鬼術 五里霧中)」
赤い霧が発生して鬼の姿が霧の中に消える。
周りからうっすら血の匂いが漂う。
「ふふ。私の姿見えるかしら?見えないわね。さあ、何処にいるか探してみなさい」
「なるほど、確かに見えないな。だが。」
俺は目を閉じて気配を探りそして
「(雷の呼吸 弐の型 稲魂)」
「くっ」
気配のしたところを切りつけたら鬼が出てきた。
「何故分かった?」
「わざわざ答え合わせしてやるほど俺は優しくない」
そう言いながら居合の構えを取る。
「(使ってみるか。雨の呼吸 伍ノ型 鉄砲雨)」
居合の状態から刀を抜き、飛ぶ斬撃を放つ。
あまりの事に対応出来なかった鬼の頸が飛んだ。
「くそ。まさか斬撃が飛ぶなんて油断した」
そんな言葉を残して鬼は消えていった。
俺は合掌をする。
振り向けば男が信じられないような顔をして此方を見ていた。
「何だったんだ今のは」
「今のは鬼だ。人を食う。俺たちは鬼を退治する為にこの地に来た」
「鬼?人を食う?じゃあ彼女は俺を食う為に近いたのか?」
「そうだな」
「そんな」
俺は絶望し膝をついている男の型に片手を置き
「君の幸せを奪ってしまって済まなかった。俺に言えた事じゃないが
これからもしっかり生きてくれ」
そう言いながら俺達は男の前を去った。
数分後
「やっと終わった。とても疲れた」
「真菰に激しく同意する。本当に疲れた」
俺と真菰は宿に戻り寝るのだった。