雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第四十二話 機能回復訓練弐

炭治郎視点

 

翌日からまた全集中・常中の習得の為に修行を庭で行う。

 

「(よし、少しずつだけど体力が戻ってきた。以前より走れるし肺も強くなってきた。

昼間は走り回って肺を酷使した。だから今はゆっくり呼吸して指先まで空気を巡らせる。

集中だ。集中しろ。鱗滝さんや飛鳥さんの言ってた事を思い出せ。)」

 

全集中・常中も大体出来てきてる。でもどうしても寝てるときは全集中の呼吸を

やめてしまっているかもしれない。どうすればいい?

 

一人では無理だ。かと言って飛鳥さんや他の隊士の皆さんは任務があるから無理だ。

そうだあの子たちならいけるかもしれない明日の朝聞いてみよう。

 

 

翌朝

 

 

「なほちゃん、きよちゃん、すみちゃん。俺の修行手伝ってほしい。

俺が寝てる間全集中の呼吸を辞めたらこの布団たたきでぶん殴ってくれないか。」

 

彼女たちは修行中時々おにぎりを作って持ってきてくれた。

更に蝶屋敷では上弦の弐の襲撃以降隊士一人と屋敷の人間が二人

見回りの為夜交代で起きていることがある事を知っていた。

そこで見回りついでに頼んだという訳だ。

 

「「「いいですよ。」」」

 

「カナエさんや飛鳥さんにも頼んで見てもらうように

言っておきますね。」

 

「アリガトウ。」

 

これで大丈夫だろう。皆には悪いけど。

 

 

夜カナエ視点

 

 

 

「炭治郎さん、どうかな?」

 

「出来てるかな。」

 

「どうかな?」

 

「出来てるといいわね。でもたぶん。」

 

「ああ。だが案外できてるかもしれないぞ。あいつは真面目だからな。」

 

飛鳥がここまで言うなら期待してもいいかもしれないわね。

そんなことを考えながら竈門君の部屋をのぞくと今は出来てるようだが

暫くするとやめてしまった

 

「むしろ二時間持っただけでも凄いと思うわ。じゃ、お願いね。」

 

「「「はい。」」」

 

なほ、きよ、すみは布団たたきで竈門君を叩く。

 

「(痛そうね)」

 

見ててそう思うわ。

 

もう一度お願いします。

 

「「「どうぞ!!」」」

 

そう言って出ていく。

 

 

それから十日後飛鳥視点

 

 

「んじゃ、この十日間の成果を見せてくれ。これが今カナヲが破裂させている瓢箪だ。

なほたちからこれに近いものを破裂させれていることは聞いたからこれで試してみようか。」

 

「はい。」

 

瓢箪を吹き始める。いい感じだ。

 

「「「がんばれ、がんばれ、がんばれ。」」」

 

なほ、きよ、すみも一緒にいて必死に

応援している。

 

そしてついに破裂した。

 

「「「割れたー。」」」

 

「やったー。」

 

「よし。いいな。アオイ達を待たせているから

そこでこの前みたいに勝負してくるといい。

今度は勝てるだろう。」

 

「はい。」

 

走って鍛錬場にかけていく。

少しじじ臭いかもしれないがとても真っ直ぐな子だと思う。

それから山で動物たちと戯れていた伊之助と菓子を盗み食いしていた善逸を捕まえて訓練場に

向かってみると丁度反射訓練をしていて炭治郎君とカナヲがいい勝負をしていた。

 

「見ているといい。伊之助、善逸。」

 

「「はい。」」

 

見ていると遂に炭治郎君がカナヲの防御より速く湯呑を掴みカナヲの顔にかける。

と思いきや湯呑をそのまま頭の上に置いた。

 

「勝ったー!!」

 

「勝ったのかな?」

 

「かけるのも置くのも同じだよ。」

 

三人と炭治郎君は勝てたことに大いに喜びカナヲはきょとんとしている。

それを見てから

 

「どうだい。これが君たちが遊んでいた間に炭治郎が頑張った成果だ。

はっきり言えば差だな。さぼっていた者と頑張った者、当然差はどんどん開く。

炭治郎はさぼるという事を知らないしどこまでも実直だ。

当然どんどん上に昇っていく。位、実力共にね。

そうなった時、横で共に戦うのか後ろで守られるかどちらがいい?

もっとよく考えるんだね。」

 

少しきつめに言う。

二人を見ていると

 

「いいわけねー。あいつにだけは負けたくねー。俺は誰にも負けねー。」

 

伊之助はそう言うと炭治郎君の元まで行くと

 

「俺はお前に負けたくねー。でも今お前に向かって言っても俺は勝てねー。

だからお前がこの一月で身に付けたことを俺に教えろ。」

 

と頼んでいるのかと聞きたくなる頼み方で頼んでくる。

 

「うん。やろう、伊之助。」

 

それを聞いていた善逸に

 

「善逸は前線に出るのが怖いか?」

 

「はい。」

 

「そうか。それが当り前さ。怖くて当たり前。その場その場の選択が命に係わるんだから当然だ。

だから鍛練するんだ。その選択肢を増やすために。」

 

「でも俺なんかどれだけ頑張っても。」

 

「いいか。善逸。自分を信じるんだ。俺や師範、炭治郎たちが信じるお前を信じるんだ。

でないとどれだけ努力しても無駄だ。自分を信じない奴に努力する価値も意味はない。」

 

「!!」

 

「前を向き自分を信じて初めて今まで努力が実るんだ。分かるな。

泣いていい、逃げていい、ただ諦めるな、信じるんだ。」

 

「はい。」

 

そう答える善逸君の目はさっきまでと違い澄んでいた。

 

「そうか。理解したなら後は進むだけだ。」

 

「はい。」

 

 

善逸も炭治郎の下に向かいその中に加わる。

 

「いいこと言うじゃない。ちょっとカッコよかったわ。」

 

「そうか?ってきいてたのか?しのぶ。なんか恥ずかしいな。」

 

「これであの二人も前に進めるといいわね。」

 

「だな。」

 

三人の方を見る。

如何やら炭治郎君は爆裂に教えるのが下手なようで二人とも全く理解出来てない。

 

「仕方ないか。あっしのぶちょっと協力してくれ。」

 

「いいけどなにをすればいいの?」

 

「善逸を励ましてほしい。

そうすれば奮起もして一石二鳥だ。」

 

「分かったわ。任せて」

 

二人で炭治郎君達の元へ行き炭治郎君と同じ説明をする。

その時に俺が伊之助に

 

「これは基本的技術だから出来て当然なんだけどな。

でも会得するには相当な努力が必要なんだけど出来て当然の事なんだ。

まぁ出来ないなら仕方ないさ。気にするな。」

 

と煽り伊之助はぶちぎれて奮起し

善逸はしのぶが

 

「頑張ってください。善逸君一番応援してますよ。」

 

と満面の笑みを作り励まして奮起させた。

その甲斐あってか二人とも九日程で習得した。気持ちって大事だね。

 

その後、型と呼吸の矯正を行った後、

しのぶや早紀も参戦しての呼吸有りの実戦形式の稽古を一月行った。

最初は追いつけなかったがが最後は三人でなら何とか追いつけるにまで成長した。

 

 

更に数日後

 

 

炭治郎君と伊之助の刀が届いた。その時に一波乱あったらしく

炭治郎君はすごく疲れてえいた。

 

二人が刀鍛冶とあってる最中俺はお館様に会いに産屋敷邸を訪れていた。

 

「お呼びと伺い参上いたしました。お館様。」

 

「よくきてくれたね、飛鳥。今日呼んだのは例の三人の事なんだ。

その後成長ぐあいはどうかな?」

 

「はい。三人とも高い水準で鍛えられたと思っております。

今なら下弦の鬼とも互角以上に戦えるでしょう。」

 

「そうか。ならちょうどいいかもしれないね。

飛鳥に頼みたいことがあってね。

杏寿郎と共に無限列車を調べてほしい。

そしてその任務に三人を連れて行ってほしいんだ。」

 

「承知いたしました。では数日以内に向かいます。」

 

「頼んだよ。」

 

「はっ。」

 

俺はその足で煉獄さんの家に向かい予定を詰めて蝶屋敷に帰った。

 

 

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