雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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どうも秋月です。
今回から柱稽古編です。
予告通り刀鍛冶の里編は飛ばしました。
どう介入させようか悩んだ末そうすることといたしました。
ではどうぞ。


柱稽古編
五十三話 目覚め


飛鳥視点

 

 

夢を見る。そこは前に三人で出かけた場所だ。

そこでは俺とカナエとしのぶが数人の子供達と共に笑いながら話している。

これが俺の願望なんだと理解した。

俺の夢は愛する二人やその子供たちと楽しく過ごすこと。

ただそれだけだ。だが鬼がいる限りそれはそんな願いさえもかなわない。

 

「ならこんなとこで夢見てる暇はないな」

 

夢を見るのをやめて反対に歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚める。起き上がればそこは超屋敷の超屋敷の病室の一室。そのベットの上だ。

周りにはいくつかの薬品と包帯が置かれていた。

 

「あ、飛鳥さん目が覚めたんですね」

 

「よかった」

 

「すぐ皆さんを呼んできます」

 

なほ、きよ、すみが走りながらほかのみんなを呼びに行った。

数分もすればカナエやしのぶ、アオイにカナヲ、他にも炭治郎たち三人も来てくれた。

 

「よかったわ、目覚めてくれて」

 

「そんなに眠ってたのか?俺」

 

「三か月近く目覚めなければ心配もします」

 

「悪かった。カナエ、しのぶ」

 

二人の頭をなでながら謝る。

 

「ほかのみんなも心配かけた」

 

皆を見回した時、飛鳥はあることに気づいた。

 

「炭治郎、その痣」

 

「はい。遊郭での戦いの時に出たんです。」

 

「直ぐに意識を全身に回すんだ。よく自分の心拍を聞け。

呼吸で止血するように身体の中に意識を巡らせ、その心拍を落ちつけろ。」

 

「わかりました」

 

炭治郎が困惑した様子でこっちを見つめるが、息を整え言われた通りにし始める。

炭治郎の胸の辺りに手を添え、透き通る世界で様子を見る。

 

「・・・うん、そうだ。大きく息を吸って吐いて、安定させるんだ。」

 

「こう・・・ですか?」

 

「その調子だ、いいぞ・・・」

 

完全な状態で現れてしまえば痣は消えないが

跳ね上がっていた心拍が落ち着く。

一つ安心してこの三か月の間のことを聞いた。

なんでも刀鍛冶の里に上上弦の鬼が二体現れた。

苦戦したが甘露寺、無一郎と玄弥さらに悲鳴嶋まで参加して勝ったらしい。

特に悲鳴嶼参戦後は圧勝だったらしい。

 

「ちょうど今日は柱合会議よ。既にお館様には烏で手紙を送っておいたわ

それと一つ話さなければならないことがあるの?」

 

「どうした?そういえば早紀はどうした?任務か?」

 

「それが、早紀さんは行方不明なの」

 

「は?」

 

一週間前、早紀は獪岳と共に他の隊士を率いて鬼を討伐に向かった。

だがそこで上弦の壱と遭遇。他の隊士を逃がすために二人で戦いを挑んだという。

後から人を派遣したが血の跡すら見つからなかったという。

 

「ならちょうどいい。参加する」

 

起き上がり立とうとするとやはり三か月寝たきりの体は思うようには動かない。

 

「くそ、たった三ヵ月寝てたくらいでこの体たらくか」

 

「仕方がないわね」

 

カナエが肩を支える。

反対側はしのぶが支えてくれた。

それから着替えてお館様の屋敷に向かった。

屋敷につくと部屋に通された。

既に全員そろっている。だがやはり獪岳はいなかった。

 

「すまん。遅れた」

 

「よい。まだお館様は来られていない。それとよく生き残ってくれた」

 

「あの時はありがとな。派手に助かった」

 

「起きたか。ずいぶんねぼすけだなぁ。飛鳥」

 

「悪いな、実弥。それと眠っている間のことは聞いた。

悪かったな。甘露寺、無一郎。大変な時に。」

 

「気にしないで。飛鳥さんは仕方ないわ」

 

「そうだよ。それだけの傷を受けていたんだ。仕方がないよ」

 

「悪いな。それとすまないがまだ本調子じゃなくてな。カナエの同席を許してほしい」

 

「理解している」

 

悲鳴嶼さんの隣の席が空いていたのでそこに座る。

カナエはその横に座る。

しのぶは一番後ろに座った。

しばらくすればお館様ではなくあまね様が入ってくる。

すかさず全員が平伏した。

 

「本日の柱合会議、産屋敷輝哉の代理を産屋敷あまねが務めさせていただきます。

そして当主輝哉が病状の悪化により今後皆様の前に出ることが不可能になった旨お詫びします。

さて現在鬼の出現が止んでおります。先日から多方面に烏を放ちさらに隊士にも探らせおりますが

現在に至るまで発見したという報告を受けておりません。

そこでかねてから悲鳴嶼様から相談を受けておりました隊士に対する一斉稽古を

行おうと考えております。」

 

「俺は派手に賛成だ。一般隊士の質の低下は前々から懸念材料だったんだ。

ここらでまとめて鍛えなおすべきだ」

 

「俺も天元さんに賛成だ。鬼が一斉にいなくなったのなら無残は戦力を集めてるってことだ。

ならそう遠くない時期に大きな戦いあると考えるべきだ。

その時になって一般隊士が弱いと話にならん」

 

天元さんと俺はこの時点で同意の声を上げた。

 

「ほかの皆様も異論はないという事でよろしいでしょうか?」

 

全員が賛成の声を上げた。

 

「ではここからは私が説明する。」

 

話はこうだ。

それぞれの柱が一つずつ稽古を一般隊士に与えていくというものだ。

順番は一番目が天元さんの基礎体力向上訓練から始まり

無一郎の高速移動訓練。

甘露寺の柔軟訓練。

小芭内の太刀筋矯正訓練。

杏寿郎の体幹強化訓練。

実弥の打ち込み訓練。

義勇、錆兎の対多訓練。

悲鳴嶼さんの筋肉強化訓練。

そして最後に俺が実戦形式の稽古をして総仕上げとなる。

それとは別に柱達には痣の発言を目指しての稽古を別途行うというものだ。

そしてしのぶは別件の指示をお館様から受けているので稽古には不参加。

柱達の稽古のみに参加することとなった。

 

「では皆様よろしくお願いします」

 

そこで会議は終了となった。

 

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