雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第五十四話 柱稽古壱

柱稽古が始まった。

 

「遅い遅い遅い遅い。何してんのお前ら。意味わかんねぇんだけど」

 

竹刀片手に木の上から怒鳴る天元。

木の下では息絶え絶えに座り込む一般隊士たち。

 

「まず基礎体力がなさすぎるわ。走るとかいう単純なことがさぁ。

こんなに遅かったら上弦倒すとか夢のまた夢よ」

 

あまりに行動が遅い隊士がいると竹刀で殴ったりしている。

 

「ハイハイハイ。地面舐めなくていいから。

まだ休憩じゃねぇんだよ。もう一本走れ。」

 

言われて隊士たちはまた走り出す。

かなりきついがやはり違うものも少なくない。

さすがというべきか真菰をはじめとする甲の地位に就く隊士たちは

しっかりと基礎体力ができているので特に苦も無く天元の稽古を約十日ほどで突破していく。

炭治郎や善逸、伊之助、カナヲ、玄弥も同様の期間で突破した。

それらを突破すれば次は無一郎の稽古。

より早く無一郎に対して竹刀を打ち込んでいく。

ここでも炭治郎たちは他より早く突破した。

そんな感じで炭治郎たちは甘露寺の柔軟訓練、小芭内の太刀筋矯正訓練、杏寿郎の体幹強化訓練、

実弥の打ち込み訓練、義勇、錆兎の対多訓練を突破していく。

途中実弥のところで兄弟の関係のことでいさかいを起こして

炭治郎はお叱りを受けたが気を取り直して次に進む。

次の稽古は行冥の筋肉強化訓練。

これは三つの訓練が用意されている。

まず滝に二時間打たれる修行から始まり丸太三本を担ぐ修行。

そして最後に岩を一町(約百九メートル)押す。

最後から二番目という事もありやることは単純だが一番きつい。

基本前向きで負けず嫌いな伊之助は何の躊躇もなく滝に打たれに行く。

炭治郎もそれに続いた。善逸は戸惑いながらも滝修行に向かっていった。

カナヲは女性という事もあり特別な服に着替えたのち滝修行に入る。

滝修行の合間の飯休憩中にこんな話が出た。

 

「最強はあの飛鳥とかいうやつだ。確かにあの玉ジャリジャリ親父も強い。

だが二番目だ。飛鳥の野郎は常に自然体で強さのほどが全くと言ってわからねえ」

 

「それって洗練されてるってこと?」

 

「そうだ。なんて言っていいのかわかんねえけどとにかく強え」

 

「わかるよ。悲鳴嶼さんは何というか覇気出しっぱなしって感じだけど

飛鳥はそうじゃない。まるで植物を相手にしてるって感じだろ?」

 

伊之助の言葉に一緒に魚を食べていた村田が話に入ってくる。

彼と飛鳥は同期なので付き合いは長い。

だからこそ飛鳥のそれに関して伊之助が言いたいことはよくわかった。

ちなみに伊之助が飛鳥の名前をちゃんと覚えている理由は自分の超えるべき

目標として覚えているからだ。

まだまだ修行は続く。

 

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