雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

56 / 69
第五十六話 お館様の策

炭治郎たち五人は飛鳥の稽古を突破した。

今彼らは他の柱の稽古を再度受けなおしを希望しその場所に向かっている。

そして夜になれば柱達は全員で集まり痣を出すために稽古に励んでいる。

その成果もあって何人かは痣を出すことに成功した。

そこから心拍数を抑える稽古。赫刀の稽古を行う。

結果、痣が出ずともより洗練された動きが可能になり戦力増強になった。

翌日悲鳴嶼と飛鳥はお館様に呼ばれて産屋敷邸に向かう。

いつも通りのあいさつをして入室する。

そこにいたのは全身を包帯を巻いたお館様だった。

 

「来てくれてうれしいよ。行冥、飛鳥。

早速だが本題に入ろう。」

 

二人は黙ってお館様の枕元に座る。

 

「今日から五日以内に鬼舞辻がここにやってくる・・・確実にね。」

 

「・・・鬼舞辻が。」

 

「そこで、だ。私はもう長くない。だから、私を囮にして鬼舞辻を滅殺して欲しいんだ。」

 

「・・・!?」

 

「ですが、それでは・・・」

 

「心配することないよ。私の代わりにすでに輝利哉が継いでくれている。だから心配いらない。

鬼舞辻が来たら、私が鬼舞辻の注意を引きつける。その隙に屋敷ごと爆破させるんだ。

鬼舞辻は、傷の修復で手一杯となるはず。そこに珠世さんが薬を打ち込む予定だよ。」

 

「さらにそこを、啓と行冥の二人で仕留めて欲しいんだ・・・どうか、頼まれてくれ。」

 

「御館様の意思とあらば・・・私は「お断り致します。」」

 

「飛鳥」

 

悲鳴嶼が飛鳥をとがめる。

だが飛鳥は譲らなかった。

 

「我々が鬼舞辻を滅すれば、御館様の呪いも解けるはず・・・どうか、どうか生きてください。

貴方はここで死ぬべきではない。鬼の居ない平和な世で天寿を全うして頂きたいのです。」

 

「しかし」

 

「悲鳴嶋はいいんですか?今鬼舞辻はこちらに自身も併せて大攻勢をかけようとしている。

これが下手すれば最大で最後の後期かもしれない。

ここで鬼舞辻を滅することができればすべてが終わる。

そして呪いで苦しんできたのにやっとその苦しみから解放されて平和な世が訪れる。

その開放をお館様には享受していただきたいと俺は考えます。

だからあきらめないでください。己の生を。そして見届けてください。

誰でもない現当主であるあなたが次期当主である輝利哉と共に」

 

飛鳥は土下座をして願い出た。

 

「飛鳥」

 

「私からもお願いいたします。。他の隊士達も、皆同じ事を思う筈です。

貴方はもう十分過ぎるほど苦しんだ。ならばこそ、平和を享受して頂きたい。

苦しみしかない一生など辛すぎる」

 

「行冥」

 

悲鳴嶼も飛鳥と共に土下座する。

 

「父上。一度は父上の決断を受け入れましたがやはり私も父上にも見届けてほしい。

生きてください。生きてこの先の時代を見てください」

 

少し離れていた場所で黙って話を聞いていた輝利哉も同様に願い出た。

こうなればお館様いや輝哉もうなずかないわけにはいかなかった。

 

「わかった。三人がそこまで言うなら計画を見直そう。

だが私が囮になるという事は外せない。その後のことを一緒に考えてくれ」

 

「「御意」」

 

計画は見直され修正を加えられる。

そして四人で考えた計画が完成した。

 

「では当日頼むね」

 

「お任せを」

 

「お館様のため、そして全ての生きとし生ける者のために」

 

「頼んだ」

 

飛鳥と悲鳴嶼は部屋を去った。

準備のために一度自分の屋敷に戻る道中二人は話す。

 

「感謝する。飛鳥。私もどこかでお館様のことを諦めていたのかもしれない。

飛鳥のおかげでより良い結果を目指すことができる」

 

「はい。ですが俺達が死んでは意味がありません。絶対生き残りましょう。

そしてより良い朝日を迎えましょう」

 

「そうだな」

 

二人は自分の屋敷に向かった。

決戦は近い。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告