雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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無限城最終決戦編
第五十七話 火蓋は切られた


飛鳥視点

 

 

お館様いや、輝哉様が予想した日から五日目。

遂に鬼舞辻がやってきた。

既に山のふもとには柱達が気配を殺して待機している。

俺はお館様の寝ている部屋の押し入れで待機し悲鳴嶼さんは近くの木の陰で待機している。

仕掛けの近くでは実弥が待機している。

今鬼舞辻と輝哉様が話している。

合図は「ありがとう無残」の一言。それを合図に輝哉様とあまね様を俺が、

外で遊んでいるひなき様とにちか様を悲鳴嶼さんが救出する。

そしてその時が来た。

 

「ありがとう無残」

 

隠れていた押し入れの戸を蹴飛ばし輝哉様とアマネ様を抱きかかえ救出。

庭の方を見れば悲鳴嶼さんがひなき様とにちか様を救出している。

今しかない。

 

「「実弥ーーー」」

 

悲鳴嶼さんと二人で叫んだ。

その瞬間屋敷が大爆発を起こした。

俺たちは四人を同じように近くで待機していた槇寿郎さんと隠に任せる。

 

「槇寿郎さん、輝哉様をお願いします」

 

「任せてくれ。飛鳥君も必ず鬼舞辻を」

 

「はい」

 

「飛鳥、行冥」

 

「なんでしょう?お館様」

 

あえて輝哉様をお館様と呼んだ。

 

「後は頼んだ」

 

「お任せを」

 

「お館様に、必ず吉報をお持ちいたします」

 

「待っているよ」

 

御館様の見送りを背に、悲鳴嶼さんと再び鬼舞辻の元へと戻る。

今日で全てを終わらせる、必ず。啓、父さん、母さん、姉さん、おじさん、おばさん

天国で見ててくれ。

 

 

 

 

三人称視点

 

 

 

 

 

輝哉を槇寿郎に預けた飛鳥と悲鳴嶋は急いで鬼舞辻の元へと戻る。

そこでは鬼舞辻が血の太い針の血鬼術で固定され動けない。

そこに珠世が鬼を人間に戻す薬を投与する。

正確には、薬を潜めた拳を無惨に突き刺した。

それを吸収した無惨、当然、薬ごと吸収してしまう。

 

「悲鳴嶼さん!!清水さん!!お願いします!!」

 

「南無阿弥陀仏」

 

「鬼舞辻無残、覚悟」

 

悲鳴嶼の赫い鉄球が、飛鳥の赫刀が。無惨へと襲いかかる。

飛鳥は再生しかけていた無惨の身体を再び切り刻み、悲鳴嶼の鉄球は無惨の首を粉砕する。

赫刀で喫られたためか修復が遅い。

その間に飛鳥が珠世の腕を切る。

 

「珠世さん、下がって」

 

「飛鳥さん、あとはお願いします」

 

その間に鬼舞辻は体を再生させる。

 

「(首を斬っても死なない・・・か。)」

 

これも耀哉の予言通りだった。

つまり、無惨を倒すためには陽光の元に固定し、焼き殺さなければならないということ。

それより早く無惨が仕掛ける。

 

「(黒血枳棘)」

 

有刺鉄線のような触手が行冥と啓に襲いかかる。

が、二人はそれを素早く防ぐ。

 

「(岩の呼吸 参ノ型 岩軀の膚)」

 

「(雨の呼吸 肆ノ型 斬雨)」

 

触手は二人に届くことなく落とされる。

そこに、柱達と炭治郎が到着する。

 

 

「鬼舞辻無惨だ!!頸を切っても死なない!!」

 

「日の出までここに固定して焼き殺すぞ!!」

 

(あいつが!!)

 

(鬼舞辻・・・無惨!!)

 

無一郎、しのぶ、小芭内、蜜璃、義勇、錆兎、実弥、杏寿郎、炭治郎、悲鳴嶼、天元、飛鳥。

鬼殺隊最高戦力がここに集結、鬼の始祖を討たんとそれぞれの技を放とうとする、が・・・

 

 

ベベンッ

 

 

琵琶の音と共に地面が開く。

この光景に飛鳥は見覚えがあった。

 

 

 

「(転移の血鬼術・・・!ということは!!)」

 

「全員落下に備えろ!!この先は鬼の本拠地!!極力誰かと合流して行動しろ!!」

 

「ははは!!貴様らがこれから行くのは地獄!!今宵皆殺しにしてやろう!!」

 

「地獄に行くのはお前だ無惨!!絶対逃がさない、必ず倒す!!」

 

「やってみろ・・・竈門炭治郎!!」

 

その場にいた全員が鬼の根城、無限城へと落とされる。

ここにいない隊士達も、ほとんどが血鬼術により転送される。

無惨もまた、今日で決着をつけるつもりだったのだ。

戦いの火蓋は切られた。

最終決戦の始まりである。

 

 

 

 

 

 

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