飛鳥は走る。
烏からの報告でしのぶが上弦の弐と一人で対峙していると聞いたからである。
運が悪いことにしのぶが送られた場所は飛鳥や他の柱が送られえた場所とは
かなり離れた場所だった。
その報告受けた輝利哉はここで柱を失うわけにはいかないと柱の中で一番近くの位置にいて
一番早く現場に着き確実に上弦の弐を滅することができる飛鳥を救援に向かわせた。
後続として念のためカナヲと伊之助も向かわせた。
そして今飛鳥が間に合った。
「遅くなった。すまない」
「君はあの時の」
「休んでろ。すぐ終わらせる」
安心したからかしのぶは座り込んだ
飛鳥は構える。刀身が赫い。赫刀状態で突っ込んだ。
「(雨の呼吸 壱ノ型 車軸の雨)」
刀を両手で持ち高速の一点集中の突き。
しのぶの倍は早い突きだ。
童磨はそれをかわす。
その時足の氷が壊れるがそれを瞬時に再形成。
その間に一気に近づいた飛鳥が怒涛の攻撃を加える。
「(水の呼吸 壱ノ型 水面切り)」
「(風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風)」
「(雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷)」
「(炎の呼吸 伍ノ型 炎虎)」
呼吸をフル活用して童磨を追い詰める。
その差は圧倒的で童磨もかわしてはいるが毎回無視できない傷を負う。
そして動くたびに足の氷を再形成を行う為その集中力も削がれていく。
その時童磨の体が崩れだした。
「(なぜ体が崩れているんだ。あの男の攻撃のせい?いや)」
童磨は壁際にもたれかかり座っているしのぶを見た。
しのぶはくすっと笑った。
そう童磨の体が崩れ始めたのはしのぶの毒が回ったからだ。
童磨はしのぶの毒を分解した。
そう分解しただけだ。解毒したわけでも無毒化したわけではない。
分解された毒が童磨の血管を通り集まり体中に周り今その影響が出始めたのだ。
その全てがしのぶの策通り。一撃目で毒が分化される事を知ったしのぶは
そこから分解されても短い時間で毒がまとまる位置を的確に突き
そう仕向け氷人形の血鬼術が発動される前に完成していたのだ。
後は待つだけだった。では飛鳥が駆けつけたのは何の意味もないかと問われればそうではない。
しのぶの計算ではまだ時間がかかるはずだった。
だが飛鳥の攻撃をかわす為に激しく動いた。
そのおかげで毒の周りが早くなったのだ。
「終わりだ」
「終わりか。まだだよ(血鬼術 霧氷・睡蓮菩薩)」
ここで童磨は大技を出した。
巨大な氷の仏像を飛鳥との間に出現させる。
「それがどうした!借りるぞ、杏寿郎(炎の呼吸 玖ノ型 煉獄)」
飛鳥は童磨を仏像事炎の呼吸の奥義で切り伏せた。
首が飛んだ童磨。勢いで首がしのぶの足元に落ちる。
「やっと死にますか?これで私も安心です」
「やあ、しのぶちゃんだったかな?カナエちゃんだったかな?」
「覚える必要ないですよ私のことも姉さんのことも。気色悪いので呼ばないでください」
しのぶは足元の童磨の顔を蹴って自分から離す。
「あぁこれが本当にあったんだなぁ。この感覚が」
「?」
「今はない心臓が脈打つような気さえする。
これが恋というやつかなぁ可愛いなぁしのぶちゃん」
この童磨の言葉にしのぶは寒気を覚えた。
当然である。童磨にその気はないが
状況だけ見ればしのぶに顔を蹴られて喜んでいるようにしか見えないのだ。
「ねぇ、しのぶちゃん、ねぇ。一緒に地獄へ行か・・・」
童磨が言い終わる前に飛鳥が首を縦から切り裂いた。
「もうしゃべるな。聞くに堪えない」
「残念ですが私は一緒にはいきません。私は愛する人と共に生きていきます。
だからあなたと地獄へは行きません。それと一つだけ言っておきます。
とっととくたばれ糞野郎」
聞くだけ聞いて童磨は消滅した。
しのぶは立ち上がる。
「行きましょう。飛鳥」
「そうだな」
二人はまた走り出す。
次の敵を殺すために。