雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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六話です。
今回は雷の柱とは違うストーリーです。
どうぞ。


第六話 上弦の壱

元下弦の鬼を討伐した日から二ヶ月が経過した。

飛鳥は鬼を五十近く倒しており階級も癸から丙まで上げていた。

その日も鬼を討伐していた。

 

「ここで死ぬなんてな。」

 

「残念だがそれが運命だ。下弦の参。せめて来世がいい人生になる事を期待するさ。」

 

「ふ、来世か。どうせ俺は地獄落ちさ。だがそれも悪くないかもな。」

 

そう言いながら下弦の参は消えていった。

飛鳥は最近鬼から助けた家族からもらった時計を見る。

 

「倒したか。時間深夜十二時五十分てことは戦闘時間は三十分か。

弱いな俺は。鍛えられるはずだ。」

 

「そうだまだ鍛えられる。」

 

「!誰だ。」

 

「名乗る名はない。だがこれを見れば分かるだろう。」

 

鬼は六つある目を開く。

 

「(上弦、しかも壱かよ。死んだなこれは。なら。)行け。この事を本部得伝えるんだ。

 

俺は肩に乗る鴉に小さな声で言い送り出す。

 

鴉は飛び出す。

上弦の壱が鴉を殺そうとするが飛鳥は切りかかる事で防ぐ。

 

「見事な速さだ。その速さ鬼でもなかなかいない。」

 

つばぜり合いから一度離れそれぞれ型を繰り出す

 

「(月の呼吸壱ノ型 闇月・宵の宮。)」

 

「(雷の呼吸壱の型 霹靂一閃二連。)」

 

血鬼術交じりの呼吸に驚きながら型の速さで躱しそのまま木を蹴って二発目を上弦の壱の頸を狙いに行く。

だがそれも防がれるが鬼の刀が根元から折れた。

 

「(好機、雷の呼吸弐の型 稲魂。)」

 

飛鳥は五連撃で再び首を狙う。

しかしそれも塞がれた。

 

「は?」

 

「折れたところで意味はない。直ぐに再生するからな。」

 

「さっきの型に"ホオオオ”という呼吸音、まさかお前元鬼殺隊の隊士か?」

 

「さよう。月の呼吸という。だがそのような事意味はない。」

 

「確かにな。意味はない。」

 

それから二人は再び斬り合っていくのだった。

 

 

 

鬼殺隊本部

 

 

その日は丁度半年に一度の柱合会議が行われる日であり

鬼殺隊の頭である産屋敷 耀哉の体調が昼頃から優れなかったがその日の夕方に回復したので

急遽柱合会議が深夜から行われていた。

その日は報告ごとが多く、日が変わるので続きは明日しようかという事になりでは解散となった

その直後に鴉はだった。

 

「急報、急報上弦ノ壱出現、上弦ノ壱出現。

丙ノ清水飛鳥ガ単独デ交戦中救援ヲ救援ヲ。」

 

「そうか。よく知らせてくれた。でももうひと飛び頼まれてくれるかい?」

 

鴉は頷く。

その時その場に柱が驚いて戻ってくる。

 

「上弦の壱が出ただと。どこだ案内しろ。」

 

「コッチダ。」

 

「みんなで言ってきてくれるかい。その剣士を頼んだよ。」

 

「はっ。」

 

その場にいた柱達六人が走り出した。

柱としての責務を果たすべく願わくば単独で戦っている隊士がまだ生きている事を願って。

 

 

 

 

 

 

 

どれほどの時間戦っただろう。

飛鳥はまだ刀を構えて立っていた。

だが満身創痍で体中傷だらけ致命傷こそ避けていたがそれでもいたる所に傷があり

大量の血を流してもはや刀も振れず戦える状況ではなくいつ倒れてもおかしくない状態だった。

だが立っていた。それは執念だった。鬼には決して屈しないという執念。

それだけで上弦の壱を睨んで立っていた。

その姿に上弦の壱は数歩後ずさりする。

 

「(恐れた?この私が?こんな押しただけで倒れそうな少年を?)」

 

そこで上弦の壱は直ぐにでもとどめを刺す事を決める。

最初は勧誘するつもりでいた。血鬼術なしでも下弦の鬼を倒し、

無惨の配下の鬼の中では最強の存在である自分を相手に一歩も引かずに戦った少年を

この場で葬ってしまうのは惜しいと思ったのだ。だがそんな考えは消え失せた。

ここで生かせばこの存在がいずれ自分を、果ては無惨を追い詰めると。

例え何らかの形で血を与え、鬼にしようとしても何らかの形で呪縛を解いてしまうかもしれない。

そう考えて。

そして近づいて殺しにかかる。

 

「終わりだ。死ね。」

 

それはただ速いだけの一撃。血鬼術すら使わない一撃。

飛鳥は反応すら出来ない。ここで死ぬわけにはいかない。

だが動くことが出来ない。

飛鳥に振り下ろされる刀もはやこれまでだと考えた瞬間だった。

それを防いだものがいた。

 

「悲鳴嶼さん。」

 

攻撃を防いだのは岩柱の悲鳴嶼だった。

飛鳥が周りを見れば六人の剣士がいるのが分かった。

 

「よく耐えた。後は任せろ。」

 

「すみません、お願いします。」

 

「六人か。軽くはないか、退く。鳴女殿。」

 

その瞬間上弦の壱の後ろに障子の扉が現れ上弦の壱はそれをくぐって去っていった。

 

「去ったか。」

 

「ですね。それより今は彼の手当てが先でしょう。」

 

その場にいた柱達が飛鳥の方を振り向く。

 

「良く戦った。派手に褒めてやるぜ。」

 

「有難うございます。」

 

「とにかく今は休むと良い。既に止血も済んでいるようだ。」

 

「すみません。」

 

そこで飛鳥の意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第六話いかがだったでしょうか?
ここら辺から違うストーリーも入れていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。
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