雷の鳴る所には雨が降る   作:秋月 了

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第六十一話 柱対上弦の壱、伍

「よう高梨、地味ななりになったじゃねぇか。しかも上弦の伍かよ。飛鳥が見たら悲しむぜ」

 

「飛鳥?誰ですか?それよりあなたも鬼になりませんか?」

 

見た目の違いと言えば角が生えているくらいだ。

だがいつもの物静かな先と違い明るく元気な姿でいる。

 

「記憶もねぇのか」

 

「なりませんか?なら死んでください。」

 

刀を抜き天元に切りかかる。

天元は簡単に受け止めた。

刀から血が滴り落ち天元の顔に付着した。

不審に思った天元は刀を振るい早紀を吹き飛ばす。

 

「そんなもんか?上弦の伍ってのは。陸の方が強かったぞ」

 

天元は一気に距離を詰めた。

 

「まだ血鬼術も使ってないんですー。その程度ですよ。

じゃあ使わせてもらいまーす。えい」

 

早紀は自分の腕に刀を突きさした。

途端天元の同じ場所に強烈な痛みが走る。

 

「ぐっ」

 

「あはは。痛いですか?痛いでしょ。

私の血鬼術は感覚共有私の体液がかかった人と感覚を共有するんです。

最も私から対象への一方通行ですけど」

 

今度は反対の腕に突き刺す。

その痛みも天元にふりかかかり遂に天元は日輪刀を落としてしまう。

 

「(いてぇ。だがここで俺がおちるわけにはいかねぇ)」

 

痛みに耐えながら日輪刀を持つ。

 

「なんで、痛みで刀なんて持てないはず」

 

「なめんな。これでも鬼殺隊の柱の一角をはってんだよー」

 

「なら」

 

刀の足を刺す。その痛みも天元に向かうが天元は一切ひるまない。

間合いに近づいて首にみねうちを狙う。

それは綺麗にはまり早紀は気絶した。

 

「ふー。鬼でも気絶すんだな。初めて知った」

 

かなり行き当たりばったりな作戦ではあったが無力化に成功。

天元は首元に注射器を打ち薬を流し込む。

その瞬間から角が縮んでなくなった。

 

「あれ天元様?私どうして?」

 

「大丈夫か?」

 

「はい天元様も傷が」

 

「どうってことねえよ。それより少し休んだら無惨のところに向かうぞ」

 

「え?あ、はい」

 

訳が分からないまま天元の勢いに負けて返事をする早紀であった。

 

 

 

 

杏寿郎は一人で走る。

輝利哉から烏を通して指示を受けた。

指示の内容は上弦の足止め。

 

「その指示確実にこなして見せよう。」

 

そう返したのちその場所に向かう。

部屋に入った瞬間斬撃が飛んでくる。

杏寿郎は飛んでかわした。

 

「見事だ。それにその体鍛えられている」

 

「そうか。ほめの言葉館感謝だ。だが鬼は討つ」

 

「来い。煉獄の子孫よ」

 

刀を抜き戦いが始まる。

 

「(月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮)」

 

「(炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天)」

 

横薙ぎの一閃を下からの切り上げで軌道をずらしてかわす。

 

「(月の呼吸 伍ノ型 月魄災禍)」

 

「(炎の呼吸 伍ノ型 炎虎)」

 

無数の月型の斬撃を炎虎で迎え撃つ。

その様は月を食らう虎のようだった。

ここまで互角の戦いを繰り広げる。

その様子を陰から見ているものがいた。

 

「(相手は煉獄さんに集中しているいけるか?)」

 

そこにいたのは不死川 玄弥。

手に持っていた銃を構える。

いざ撃とうとしたその時・・・・・腕が落ちた。

 

「不死川」

 

杏寿郎は玄弥の存在に今気づき声を上げる。

そこから胴を両断された。

 

「ほう。まだ絶命しない。胴を両断されても尚・・・

三百年以上前貴様と同じく鬼喰いをする剣士がいた。

その剣士は胴を切断すると絶命したがお前の場合は首か・・・?

どちらにしろ貴様のような半端者を生かしておく理由はない」

 

黒死牟の剣が迫る。

玄弥は切られた腕をくっつけようと這いずる。

杏寿郎も助けようと走るが間に合わない。

絶体絶命だった。

 

「(風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐)」

 

危機一髪実弥の助けが間に合った。

 

「風の柱か」

 

「そうだぜ。テメェの首をォねじ切る風だァ」

 

「兄貴」

「テメェはよォ本当にどうしようもない弟だぜぇ。

何のために俺がぁ母親を殺してまでお前を守ったと思ってやがる」

 

そこで玄弥は思い出した。

それは柱稽古の時炭治郎が言っていたことを。

 

 

 

 

 

 

過去

 

 

 

 

 

 

「風柱のお兄さん事なんだけど、あの人はさ、玄弥。

鬼殺隊に入った事すごく怒ってはいた。けど憎しみの匂いは少しもしなかったんだ。

だからおびえなくていいんだよ。

伝えたいことがあるなら言ったって実弥さんは玄弥のことがずっと変わらず大好きだから」

 

 

 

 

 

 

現在

 

 

 

 

 

そのことを思い出した。

そしてそれが事実だという事を今理解した。

 

「テメェはどっかで所帯持って家族増やして爺になるまで生きてりゃよかったんだよ。

お袋にしてやれなかった分も弟や妹にしてやれなかった分もお前が、

お前の女房や子供を幸せにすりゃあよかっただろうが。

そこには絶対俺が鬼なんか来させねぇから」

 

それは実弥の本音だった。

実弥にとっての最後の希望。

それは弟である玄弥の幸せだ。

だからこそ自ら呼吸の才能もないのに鬼殺隊に入った玄弥につらく当たってきた。

鬼殺隊を辞めさせる為に。玄弥はその事理解して、兄のやさしさを理解して泣いた。

 

「ごめん、兄ちゃん。ごめん…」

 

「ほう、兄弟で鬼狩りとは…懐かしや・・・・・」

 

「よくも弟を刻みやがったなァ。糞目玉野郎許さねエ、許さねエ許さねエエ

 

今風と月の戦いが始まる。

 

 

 

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