完全に消滅する前に無惨は思いを巡らす。
「(私にはいつも死の影がぴたりと張り付いていた。私の心臓は母親の中で何度も止まった。
殺した人間など誰一人覚えていない。肉体は死ねば終わり。だがどうだ。想いは決して滅びず、
この私すらも打ち負かした。私は、その事実を目の当たりにし、感動して震えた。
私の肉体は日光を前にし、まもなく滅びるだろう。
だが、私の想いもまた不滅、永遠なのだ。私はこの男に想いの全てを託すことにする。)」
無惨が手を伸ばした先にあったのは、姿を変える際に取り込んだ炭治郎の姿。
「(呼吸も心臓も停止しているが、細胞の全ては死滅しておらず生きている。まだ間に合う。
私の血も力も全て注ぎ込もう。もしも即死を免れたら、竈門炭治郎。お前は陽の光をも克服し、
最強の鬼の王となるだろう。あの最後に鬼となった者ほどではないが
お前もあの化け物共と同じ技を扱い、最もそれに近づいた男。お前は死なない。
私は信じる。私の夢を叶えてくれ炭治郎、お前が滅ぼせ、私の代わりに鬼狩りを)」
炭治郎は目覚め、鬼となった。
即座に周りにいるものを殺そうとするが義勇のおかげで殺されずに済みすぐに離れさせる。
義勇は叫び炭治郎が鬼となった事を周りに知らせるが
柱はもはやほとんどが満身創痍で動けず伊之助や善逸も同様に動けない。
だが今は。太陽が昇っている。
直ぐに太陽が炭治郎を灼く。
炭治郎は陰に隠れようとするがそれを義勇が刀を突き立てて抑える。
「(頼む。このまま死んでくれ)」
だが義勇の願いもむなしく炭治郎の陽光灼けが収まってしまった。
そのまま義勇を吹き飛ばし義勇にかみつこうとした時に
それを人間に戻った禰豆子が自分を盾にしてかばう。
禰豆子の肩にかみついて離れない炭治郎。
それを伊之助と善逸が殴って止めようとするが
次の瞬間二人は吹き飛ばされた。
それと同時に炭治郎の背中に無惨と同じような管ができる。
そして炭治郎は口からエネルギー弾が形成されそれを放つ。
それで再び周りの人間は吹き飛んだ。
唯一禰豆子だけが炭治郎にしがみつき腕を血まみれにして
炭治郎に話しかける。
だが炭治郎は再びエネルギー弾を形成し始めた。
「ダメだろう。炭治郎。妹は大切にしなきゃ」
その声と共にエネルギー弾は四散した。
そして禰豆子はいつの間にか善逸の腕の中におり炭治郎にのしかかり
飛鳥が炭治郎を抑えていた。
「炭治郎。負けるな。」
「があああああああああああああ」
「ちょっとおとなしくしてろ。カナヲ、持ってただろ。頼んだ」
カナヲは胸ポケットにしまっていた薬を取り出し走る。
抑えられた炭治郎は暴れるがほとんど身動きできずにいる。
カナヲは炭治郎の首筋に注射器を撃ち込んだ。
それと同時に飛鳥の心臓を貫いて。
精神世界
眠っている炭治郎。
「起きろ。炭治郎」
「起きて炭治郎、禰豆子が待ってるわ」
「父さん、母さん」
「兄ちゃん、まだこっちに来ちゃだめだよ」
「そうだよ」
「竹雄、花子、茂、六太」
炭治郎の家族が現れる。
「炭治郎、お前が向かうべきはあっちだ」
「うん。わかった」
炭治郎はそちらに向かう。
「行くな。炭治郎」
最後に残った無惨の欠片が炭治郎が前を向いて進むことを阻止しようとする。
「やれやれ。もういいだろ。無惨」
それを切って止める者がいた。
「なぜ邪魔をする。蒼月」
「なに、大した理由は無い。子孫の友を助けたいだけだ。
それにお前は死んだんだ。」
「まだだ。まだ死んでいない。お前が私の意志を継げばまだ」
「意志ってのは無理矢理継がせるものじゃない。お前の意志を継ぎたいと思うものは
もういない。あきらめろ」
「黙れ蒼月。離せ」
「炭治郎。よく頑張った。こいつは俺に任せろ。行け」
「行くな。炭治郎ーーーーーー」
無惨の叫びを無視して無開くべき場所に向かっていった。
現実
炭治郎は目を覚ます。
それを見てみんなが喜びの声を上げた。
「飛鳥さんは」
「大丈夫だよ。炭治郎。ゆっくりだけど心臓も再生してるから
全快すれば薬を売って人に戻すらしいよ」
善逸の説明を聞いて炭治郎は安心していた。
そして時は流れて三か月後
第六十七話いかがだったでしょうか。
何で最後炭治郎とは関係ない蒼月が出たのと思われる子も知れないけど
そこはまあ都合がよかったんです。
恐らく本編は次回で最後です。
お楽しみに。