ありふれてない黒と器   作:銀煌

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初投稿です。


召喚とオルクス大迷宮
プロローグ


 月曜日。一週間の始まりでもあるこの曜日は誰もが憂鬱に思って溜息をついてしまうだろう。

 そして、それは南雲(なぐも)ハジメも例外ではなかった。まぁ、彼にとっては面倒というだけでなく、学校での居心地が悪いからという事もあるが。

 教室に入った瞬間、大半の男子生徒から舌打ちや睨みが突き刺さる。女子も例外ではなく、無関心な人もいるが、侮蔑の表情をしている者もいる。

 

「よぉ、キモオタ! また徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

「うわっ、キモ〜。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん」

 

 一体なにが面白いのかゲラゲラと笑い出す男子生徒達。

 しかし、次の瞬間、ある一人の男子生徒によって静まり返った。

 

「うぉぉぉ!!あっぶねぇ!!!!!!」

 

 滑り込むように教室に入ってきた男子生徒は手を膝において息を整えている。

 その名は国路亜墨(こくろあすみ)。ハジメと同じく浮き気味のオタクである。

 

 

「うーん。いい所でセーブしようとしたのに気づいたら明け方になっていた。あのエロゲは神作だ」

 

 因みに、ハジメはエロゲをしたことが無い。いや、正確にはやった事はあるのだが、それは亜墨が半ば無理矢理やらせたりした時だけ。

 真のエロゲマスターは亜墨なのだ。

 

「ぶっ、ぶはっ! 国路、てめぇまじか!? 流石キモオ──」

 

「あん?檜山(ひやま)じゃねぇか。昨日コンビニで盗んだエロ本はどうだったか?」

 

 

 亜墨が悪役よろしく、不敵な笑みを浮かべながら言うと檜山は顔を真っ赤に染めて取り巻きを連れて自分の席に戻っていった。

 そのまま亜墨はハジメの方に歩いていく。

 

「おー、おはよう。南雲、今日もいい感じに眠そうな顔してんなぁ」

 

「おはよう。そういう君は目の下の隈がすごいけど」

 

 気安い感じの会話からわかる通り、この二人は友達、いや、親友同士である。

 亜墨がゲーセンで遊んでいる時に出会い、お互い浮き気味な存在も相まって直ぐに仲良くなった。ハジメは未だに美少女ゲーを無理矢理進める所はどうかと思っているが。

 

「南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。 もっと早く来ようよ」

 

 そう言ってハジメに話しかけに来たのは白崎香織(しらさきかおり)という美少女。学校で二大女神と言われ、男女問わず絶大な人気を誇っている。そして、ハジメがあらゆる男子生徒から目の敵にされている原因になっている人でもある。

 

「ふむ...相変わらずこの鈍感さは如何なものか...」

 

「? 国路は何を言ってんの?」

 

 亜墨の呟きに反応したハジメは、一体なんの事だと首を傾げている。 察しが多少悪くても香織がハジメに好意を抱いている事は明白。亜墨に至ってはハジメの好きな物が知りたいとアダルトコーナーに突撃しようとした香織を目撃している。

 

「南雲君、国路君。おはよう。毎日大変ね」

 

「んぁ? 苦労人八重樫(やえがし)じゃないか」

 

「ちょっと! その変な二つ名辞めてちょうだい!?」

 

  亜墨に向かって吠えたのが、八重樫(しずく)。ポニーテールが似合う香織の親友だ。アダルトコーナーに突撃しようとした香織を抑えたのも彼女である。

 

「香織、また彼の世話を焼いているのかい? 全く、本当に香織は優しいな」

 

「全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何言っても無駄だと思うけどなぁ」

 

 次に、声を掛けてきたのは天之河光輝(あまのがわこうき)。容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。何だこのチートキャラは、と言わざるおえない完璧超人だ。

 それに、誰にでも優しく、正義感も強い。しかし、その正義感はご都合解釈、簡単に言えば思い込みが激しい。亜墨が言うには「思い込みもあそこまでいけばもはや悪」と言ってしまう程である。

 最後は坂上龍太郎(さかがみりゅうたろう)ただの脳筋。以上。

 この四人はどうやら幼馴染らしく、大体いつも一緒にいる。

 

「? 光輝くん、何言ってるの? 私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」

 

「え?.........ああ、ホント、香織は優しいよな」

 

 光輝の中ではどうやらハジメを気遣ったと解釈されたようだ。亜墨は、相変わらず何言ってんだてめぇ。と言いたげな目で軽く睨んでいるが、彼は気づいていないのかニコニコと笑っている。

 

「ごめんなさいね? 悪気はないのだけど...」

 

「仕方ないよ。 今に始まったことじゃないしね」

 

「俺的には、一度解らせた方がいいと思うけどなぁ...」

 

 ハジメは諦めたように肩を竦め、亜墨は面倒くさそうに頭を搔いて、あと少しでチャイムがなるということで各々、自分の席に戻って行った。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 ────じゅるるる、きゅぽん!

 

 現在は昼休憩、周りを見ると机を合わせたりして友達と弁当を食べてる人が見える。

 亜墨は周りを見た後に先程の何かを吸った様な音の原因のハジメを見て、そのまま溜息をついた。

 

「はぁ...お前、それで足りてんのか?」

 

「うん、全然足りるよ、それに少し寝たいし」

 

 ハジメは大体いつも、十秒でエネルギーをチャージできるアレを食べるとそのまま机に突っ伏そうとする。

 

「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」

 

 そうは問屋が卸さないと言いたげに、香織が近づいてきた。亜墨は、きっとハジメは心の中で悲鳴を上げてるんだろうなと思いながら、心の中で思いっきり笑った。

 

「香織、こっちで一緒に食べよう。 南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。 せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

 

 なんでお前の許しが必要なんだと、亜墨は諦めたように天井を見上げる。香織に至ってはキョトンとしている。

 

「え? 何で、光輝くんの許しがいるの?」

 

「「ブッ」」

 

 全く分からないと言った様子で聞き返す香織に、亜墨と雫は思わず吹き出した。

 亜墨はそのまま、ハジメの顔を見ると、「異世界召喚されないかな?」とか思ってそうな顔してんなと苦笑しながら話しかけようとする。次の瞬間。

 

「は? なんだこれ?」

 

 亜墨とハジメの目の前。光輝の足元に光り輝くよく分からない模様が現れた。

 オタクの亜墨とハジメはこれが俗に言う魔法陣かと思われるモノを凝視している。

 

「皆! 教室から出て!」

 

 社会科の教師、畑山愛子(はたやまあいこ)先生がそう叫んだのと同時に魔法陣は爆発するかのように光り輝いて、亜墨達、教室にいた全員を光が飲み込んだ。




光輝くんはいつかボコしたいと思ってます。
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