ぱらルカさんのくえっぽい世界の冒険   作:両生金魚

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※いずれ大改修したい話……やっぱりマルケルスPT全員生存ルートが良いよねと終章クリアしたら余計にそう思うようになりました


無知とは幸せ(改修予定)

 アルマエルマの襲撃を受けた翌日、船は無事に到着した。久々のイリアスポートからの船の到着は驚きを持って迎えられ、その情報を受けた商人やら船乗りやらが、慌ただしく動き出したのが見える。これで暫くすると物流が回復するだろう。

 

「ふむ、こちらは中々活気があるようだな」

 

「こっちはセントラ大陸の港町だからね。あくまで遮断していたのはイリアス大陸への船だけって事か」

 

 アリスはイリアスポートと違い活気の有る街を興味深げに眺め、そしてイリアス様はと言うと……。

 

「おおお、何ということでしょう……街中に魔物がこんなにも堂々と跋扈しているとは……この邪悪を駆逐する力すら無いなんて……」

 

 その辺に普通にうろつく人魚に大変お怒りのご様子である。そう言えば向こうでもいきなりイリアスヴィルに居たスライム娘やらルミ、レミを退治しようとしていたなあと懐かしさを感じる。

 

「マーメイド手作り、焼きヒトデはいりませんか~?」

 

「……向こうと変わらないものも有るんだな」

 

「ほう? 美味いのか? おい、一つ貰おうか」

 

「まいどあり~♪ やっと売れたわ!」

 

 あのゲテモノ売りのマーメイド、こっちにもいるんだなと妙な感慨に浸っていると、その態度をどう受け取ったかアリスが釣られて買ってしまう。

 

「あむあむ……不味っ!? なんだこれは!? 酷い味だぞ!? 何故こんな物を売っているのだ!?」

 

「ええええ……どうして? こんなに美味しいのに……」

 

「貴様、味覚がおかしいのではないか……?」

 

 大抵のものはバリバリ食すアリスも向こうでは受け取らなかった一品だ。余程不味いのだろう。

 

「んぐんぐ……ごくん。ええい、口直しだ! 珍しい物を片端から食らってくれるわ!」

 

 と、早速そこらの屋台を漁る魔王様。一方ロリアス様もイリアスポートよりも段違いの数の品物に目移りしてるのかあちこちの店をキョロキョロ見ている。そして見た目がちっちゃい可愛い少女なので

 

「おっ? どうした? 嬢ちゃん? 興味があるのかい? ほら、ちょっと味見してみなよ」

 

「おやおや、可愛いわねえ。ほら、サバサの果物を混ぜ込んだ飴だよ。一つ食べてみるかい?」

 

と、あちこちの屋台から試供品を貰っていた。それを残さず受け取り同じ様に片端から食べていく姿は妙に可愛らしい。

 

「あむあむ……♪ さすがは私、この姿でも溢れる威光を抑えられませんか……♪ はむはむ……こんなに献上をするとは実に感心な使徒達ですね……♪」

 

「二人共迷子にならないでね……探すの大変だから。後、夕飯の材料探そうか」

 

 そんな二人を見失わない様に、頑張って付いて行くルカ。特に背の小さいロリアス様はすぐに見失いそうでちょっと怖い。

 

「ルカ……ルカ……聞こえますか?カレーを作るのです。カレイでは、ありませんよ、カレーを作るのです……」

 

「うむ、ルカ。カレーだ、カレーを作るのだ。後チョコを使って何かを作るのだ」

 

「なにゆえこんな時ばっかり息ぴったりに。そうだなあ。港街にいるしシーフードカレーでも作ろうか」

 

 そんなルカの思いつきに揃って『わぁい…♪』と喜ぶ食いしん坊二人。やっぱり食べてる時は仲いいんだと、餌付け様のお菓子はなるべく用意しておこうと、カレー粉の他にチョコやらあんこやら様々な国の果物を使ったジャムやらを買い込む。

 

 散々買い食いした後はようやく一息ついたのか、自然に話題が次の目的地の話になる。

 

「それでルカよ、次に行く当ては有るのか?」

 

「最初は西にあるサン・イリアに行ってみようかなって思う。イリアス教の総本山だけあって情報が沢山集まってるからね」

 

「サン・イリアですか。大聖堂に降臨する事は何度か有りましたが街をじっくり巡るのは初めてですね。我が教徒達の暮らしぶりはどの様になっているのかこの目で見てみましょう」

 

 楽しみにしているロリアス様と、あからさまに不満そうな魔王様。まあ、魔王がイリアス教の総本山に行っても楽しくはあるまい。

 

「それで、美味いものは有るのか?」

 

「……清貧な料理ならたくさん有るよ? そ、それと街には水路が張り巡らされて観光地としてもとても綺麗だね」

 

「なんと下らん街なのだ……」

 

 食べ物に期待ができないと分かると露骨に不機嫌になる魔王様、そしてがっかりしつつも自分が清貧は美徳と言っているので立場上文句が言えないイリアス様。だがどっちも似たようにテンションの低い表情をしているのは共通だ。

 

 そんな感じに話し合いが進むと、「あの……すみません。そこの旅のお方、ちょっと宜しいでしょうか?」とルカには聞き覚えのある声で、話しかけられる。

 

「は、はい……なんですか?」

 

 少々驚きつつも振り返ると、そこには某四天王と非常に気が合いそうな美しいマーメイドのメイアがいた。

 

「そのような剣をお持ちしている事からして、ただものではないとお見受けしたのですが……」

 

「ええ、確かにただものではありません」

 

 こんな剣を持ち歩いている奴がただものだったら、そっちの方がびっくりだ。

 

「腕に覚えのある冒険者とお見受けし、お願いがあるのです。どうか、お話を聞いてもらえないでしょうか……?」

 

 自分としても元の世界の仲間の頼みは聞いてあげたいし、何より向こうの世界との差異も気になる。「はい」と頷こうとする寸前、街中に凄まじい轟音が響いた。

 

「きゃぁっ!!」

 

「なんだ、何があったんだ!?」

 

「あの建物は……人魚の学校!? た、たいへん!」

 

 メイアは急いで学校の方に駆け寄る。ルカもこの爆発音に何となく聞き覚えは有ったが、アリスの言葉で確信する。

 

「火薬の匂い……爆弾によるものだな」

 

「やっぱり……」

 

「ああ、この騒動を起こしたのは……」

 

 どうやらイリアス様には心当たりがあるようだが、怪我人が出ているかもとルカも急いで学校の方に駆けていく。しかし、倒壊した建物から大勢のマーメイドがはいでてきたところを見ると、やはり魔物というのは頑丈だなとつくづく思う。漏れ聞こえる声からしても、死者はいないようだ。ルカはほっと胸を撫で下ろすと――視線の先に、よく見知った顔を見つけてしまった。

 

「――ラザロ……おじさん……!?」

 

 衝撃を受けて立ち尽くすルカ。そのままラザロは雑踏に消えてしまったが、あの表情はどう見ても人魚を心配したものではなかった。

 

「……どうした? 知り合いか……?」「ラザロ……おじさん?」

 

 旅を始めてから一度も見せたことのないただならぬ様子のルカに驚くアリスと、あのラザロをおじさんと呼ぶことに首をかしげるイリアス。

 

「どうした、ルカ? 汗だらけだぞ……? さっきの薄汚く下品そうな男、貴様の知り合いか……?」

 

 一度話しかけても反応がなく、今度は肩を揺さぶって話しかける。

 

「……う、うん。僕と、幼馴染の……育ての親って言える人だよ……」

 

「ラザロが育ての親ですって……!? それに、幼馴染……」

 

 そして、ルカの言うラザロ像が自分の知るものと全く違うので驚くイリアス。ともかく、ここまでショックを受けているからにはとても親しいのだろう。真っ青で震えて、とても平静ではない。

 

「……おい、ルカ。今日はこの街で休むぞ」

 

「で、でも」

 

「そんな状況で旅なぞ出来るか。ほら、来い」

 

 と、ズルズルと宿に連れて行かれてしまうルカ。イリアスも、複雑な表情でそれについていく。

 

 

「少しは落ち着いたか?」

 

「う、うん、ありがとうアリス」

 

 宿の一室に放り込まれて少しすると、ようやく落ち着いたようだ。

 

「しかし、平行世界での育ての親がよりによって爆弾テロの実行犯だとはな……」

 

「……いや、向こうでもマフィアのトップとして爆弾テロはよくやってたみたいなんだけど……法皇様も爆弾で吹き飛ばしたみたいだし……」

 

「ろくでもない凶悪犯ではないかっ!? 何故ショックを受けているっ!?」「法皇を……何故そんな事に!?」

 

「……」

 

 たしかに改めて考えると向こうではマフィアのトップとして恐れられている上に法皇様まで爆弾で吹き飛ばした凶悪犯罪者……あれ、ひょっとして凄く悪くて駄目な人?

 

「い、いやでも、こっちみたいに魔物を狙って民間人も巻き込んでの無差別テロとか起こしてないs「狙ってテロを起こすなら良いというわけでもあるまい!」ご尤もです……」

 

「イリアスクロイツのトップが何がどうなってマフィアになっているのですかラザロは……」

 

「イリアスクロイツ……あれ、そう言えば旅立ちの日にイリアス様がこっちの世界との違いに驚いていたような……どんな組織なんですか?」

 

 旅立ちの日、確か、イリアス様はこっちとの差異に凄く驚いて――驚いて――その内容は――えっ、まさか……まさかっ!?

 

「――イ、イリアス様……こっちの世界の父さんを、殺した、のは……カレンさんと、マーリンさんが、死んだ、のは……」

 

 顔を真っ青にして、ガタガタと震え、ふらつくルカ。信じられない、信じたくないとの思いが――「魔王! すぐに、ルカを気絶させるのですっ!」」

 

 イリアスがそう叫ぶやすぐさま、首筋にアリスが手刀を下ろす。普段のルカならば避けられただろうが、動揺しきっていて、実にたやすく意識が刈り取られてしまった。

 

「……魔王よ、爆弾テロが起きてからのルカの記憶を消すのです」

 

「……貴様の言う事に従うのは癪だが、やってやろう。それで、ルカは何を知ってしまったのだ?」

 

「自分の親しい人間が凶行を為していたと知ればショックを受けます。それが凶悪であれば尚更に」

 

「……そこまで、か」

 

 ベッドにルカを寝かし、重苦しい表情の二人。とりあえずルカが起きるまで、イリアスクロイツなどの事を、アリスに教える事にしたのだった。




はい、ここはバッサリカット&記憶消去のご都合主義発動です。ついでに話し的にもここで切らないと凄まじく長くなると思うので短いけど投稿です
ぶっちゃけ、ここでアリスのやらかしとかラザロの凶行とか全部バラした上で平静保つの無理&話作るの無理ぃ!?って事で情報共有を引き伸ばします
もうちょっとこの3人の絆が深まってからじゃないと……

自分は色々と話を書いてきましたが、やっぱり次に繋げやすい話作りって更新スピードにもかなり影響すると思うのです

1話の文字数は

  • 3000-5000字でいいや
  • 長くても良いよ
  • 筆者が書きやすい可変式で
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