妖艶な銀髪と死の向こう   作:よしりゅー

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前日譚

かつて、色んな夢を見たものだ。

 

大きくなったら料理店を開きたい。

大きくなったら結婚したい。

大きくなったらモンスターに乗ってみたい。

 

ーー大きくなったら、村を守りたい。

 

 

ここは【ラグドス村】。近くにある山を観光地として成り立つ、小さな村。出来て50年くらいしか経たない、歴史の浅い村だ。

そして、俺はフィニシ・フォエバ。ハンターになって3年目だ。親は小さい頃に死んだそうだ。

 

 

「またモンスターが出たぞ!」

ギルドからの依頼を受けた俺は、とある山に出かけている。何でも、麓にナルガクルガが出てきたため、危険なので観光業が成り立たないとの事だ。

 

山はとても高く、山頂は雲の上に差し掛かっており、全く見えない。辺りは鬱蒼とした森になっており、進みづらい。

 

そういえば、ナルガクルガは別名〈暗殺者〉とも呼ばれるんだっけな。

 

 

ガサガサ………

 

背後から物音がしたので振り向く。しかし、何もいない。前に視線を戻したその瞬間、棘が飛んできた。

 

…お出ましか。

 

赤い閃光が鬱蒼とした森に走る。背中の片手剣を引き抜き、構える。

 

ギャオオオオオ!!!

 

激しい咆哮と共に、ナルガクルガ…にしてはおかしい、どこか歪な形をした姿のモンスターが現れた。よくモンスター図鑑で目にするような毛並みのいい尖った尻尾ではない。

棘が全体から生えており、ところどころねじ曲がっている。言うなれば、黒いセルレギオスか。辛うじて頭は原型を保っており、その表情はどこか苦しんでいるようにも見えた。

 

「新種か…?」

動揺しつつも、剣をしっかりと持ち直す。

 

一瞬の沈黙。

 

動いたのはナルガクルガだった。猫のようにしなやかな動作で、こちらに飛びかかってくる。すかさず避けるも、何か違和感を感じた。攻撃には当たっていないのに、傷を受けたような感覚がある。

じっくり考える暇もなく、ナルガクルガが再び飛びかかってきた。

それを避け、隙だらけの背中に剣を突き刺す。すると、その傷口から黄土色の煙が漏れ出してきた。すかさず剣を抜き、ナルガクルガから距離をとる。

 

グ、ガ、ァァアァァァア……

 

あっけなく終わった。

 

一撃しか入れていないのだが。

 

刹那、倒れたナルガクルガから急にさっきの煙が吹き出し、いつの間にか骨だけになってしまった。

「…素材が……」落胆した。

 

このレイア装備を新調出来ると思ったのに…。ってそうじゃないそうじゃない。

 

『奴』は明らかに様子がおかしかった。

 

 

帰還し、村のギルドに報告をする。なんでも、今までに各地で発見された例がないとのことで、厳戒態勢が敷かれることになった。〈狂竜化〉や〈突然変異〉のいずれにも当てはまらず、専門家に任せるしかないそうだ。そのため、村は住民を避難させたあと閉鎖された。

それから、俺を含めた村出身のハンターや各地から派遣されたハンター、学者達が村に調査拠点を構えることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウフ、ウフフフフフ…ミ、ツケ、タ。」

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