東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百二話

〜葵side〜

 

緑髪の女性と出会ってから三日後の今日。

 

此処まで時間が経ったのには理由があります。

 

最初は、そのまま行こうとした霊夢を私が止め、後日ということになりました。

 

その次の日、今度こそ行こうとした霊夢でしたが、そんな時に紫さんがやって来て、霊夢に『神降ろし』の練習を強制的にさせてました。

 

私はそもそもから『神降ろし』は習得していたため、霊夢に対してのアドバイス役として近くにいました。

 

……小さな頃に練習しておいて良かったです。……神を降ろした際、力の消耗が激しかったので直ぐに倒れてしまっていましたが。

 

まあ、理由としてはこれが原因です。

 

そして、その三日間の間に特別なことが二つ。

 

一つ目は、あの時、ルカに感じた違和感が無くなった事です。

 

本人に体調の事を聞いてみたところ、「別に何処も悪くなかったが?」と、首を傾げられ、勘違いということになりました。

 

二つ目は、如月さんが遊びに来たことです。

 

霊夢と私が博麗神社で練習している間はルカ達が神社に居てくれました。その際、初対面の想起さんと挨拶し、ルカが今の現状を話してしまい、如月さんも一緒に妖怪の山にある神社へ行くことになりました。

 

どうやら、如月さんの方の幻想郷では、その神社の巫女さんと仲が良い様で、だから、此方の巫女さんにお灸を据えてやると言っていました。

 

そして、現在はというと、妖怪の山に来ています。

 

「それで、あんたが別の幻想郷から来た奴ね。葵と仲良くやってるみたいね」

 

「ああ、それに、最初に此処に来た際に色々世話になったからな」

 

「世話?」

 

「如月さん、アレは私がやりたかった事ですから、気にしないでください。それに、お客様にお金を払わせるなんて、それこそ駄目な事です」

 

「いや、だがな、凛華が食べた団子の量……見ただろ?」

 

「……」

 

あの時、私は初めて凛華さんがお団子を食べる量を見ましたが、アレは幽々子さんと大食い勝負が出来るほどです。

 

何方が勝つか、予想すら出来ません。

 

と、そんな事を考えてると、その渦中の中心である凛華さんが如月さんの中から出てきました。

 

「?どうしました?凛華さん」

 

「いや、葵。気付け」

 

「?」

 

私は何に気付かなければならないのか直ぐには分かりませんでしたが、匂いを嗅いだ時に分かりました。

 

「この甘い匂い……」

 

「嗅いだことあるだろう?」

 

私と鬼灯がそんな話をしていると、凛華さんの目の色が変わりました。

 

「この匂い……生焼き芋じゃな‼︎この近くで焼いておるやもしれん‼︎お主達‼︎早く行くぞ‼︎」

 

「おい、待て‼︎凛華‼︎」

 

「凛華さん、待ってください‼︎」

 

私と如月さんの止める声も聞かず、凛華さんはそのまま匂いの元へと行ってしまいました。

 

「皆、凛華さんを追おう‼︎」

 

「俺のメンタルが死にそうだ……」

 

「如月さん、ドンマイ……」

 

「同情しか出来ないな」

 

想起さんとルカが如月さんに対して同情する声をあげていました。

 

私も言葉にはしていませんが、心の中では……

 

(如月さん、ご愁傷様です)

 

この通り、同情していました。

 

〜少年少女移動中〜

 

私達は匂いの元へと辿り着きました。その時に見た光景はというと……

 

「お主、良い匂いがするの〜。喰らってみたいのぉ」

 

「ひぃ!た、食べないでぇぇぇえ!」

 

……稔の神の方が凛華さんに食べられそうになってる光景でした。

 

「凛華、喰うの辞めろ」

 

「む、如月。遅いぞ」

 

「いえ、凛華さんが速いだけかと……」

 

私が苦笑していると、先程の稔の神が私の背中に隠れるようにして、移動して来ました。

 

「凛華、喰べるなよ。喰べたらもう団子を喰わせないぞ」

 

「む、それは困るの。分かったのじゃ」

 

凛華さんがそう言葉にすると、稔の神は安堵の溜息を吐きました。

 

「『穣子』‼︎大丈夫⁉︎」

 

すると、近くにいた稔の神の姉妹である紅葉の神が近づいて来ました。

 

「大丈夫だよ‼︎『静葉』‼︎」

 

それを見た稔の神はそう答えました。

 

「……さて、この二人の安全も確認出来たんだ。先に進むぞ」

 

鬼灯がそう言って、私達も先に進もうとすると……

 

「ちょ、ちょっと待ってください‼︎鬼灯様‼︎この先に行くつもりですか‼︎」

 

「そうだが?」

 

「その先には新しくこの幻想郷に来た神達がいます‼︎ですから、危険です‼︎」

 

「危険はない。私や凛華も居る、それに、『博麗の巫女』と『神無月の巫女』もいるんだ。大丈夫だろう」

 

「それもそうですね」

 

鬼灯の言葉に直ぐに納得が言った稔の神。

 

しかし、今度は無邪気な子供の顔をすると、

 

「でしたら、私達と遊んでください!少々、退屈していたので!」

 

と、言いました。

 

「ふむ、なら、私が行くとするか」

 

「鬼灯、私もサポートに回るから一緒にする」

 

「分かった。頼む、葵」

 

私達の中から弾幕ごっこをやる人は直ぐに決まり、姉妹神の前に出ました。

 

「それじゃあ、始めましょう!私は『紅葉の神』の『秋 静葉(あき しずは)』!『穣子』の姉よ‼︎」

 

「私は『豊穣の神』の『秋 穣子(あき みのりこ)』!『静葉』の妹よ‼︎」

 

「そうか、なら初めようか。神遊びを」

 

そして、最初の弾幕ごっこが始まりました。

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