東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百十話

まず最初に動いたのは早苗だった。

 

「秘術『グレイソーマタージ』!」

 

早苗がスペル宣言をすると、早苗の周りに弾幕が星型に設置され、離れると、そのまま拡散した。

 

「こんなもの‼︎」

 

「俺は見慣れてるがな‼︎」

 

霊夢と如月はそんな風に言いながら弾幕を避けた。

 

「見慣れている?どう言うことですか?私と貴方は初対面の筈ですが?」

 

早苗は首を傾げてそう質問した。

 

「……それについては後で説明するさ」

 

如月はそう答えたが、顔は何処か悲しそうに見える。

 

「……」

 

「……彼奴、こっちの世界とあっちの世界の早苗とか言った相手が別人なの、分かってる筈じゃないのか?」

 

如月達が弾幕ごっこをしている後ろでは、ルカと葵がそんな会話をしていた。

 

「……それは分かってるんだと思うよ。だけど……」

 

「……?」

 

「……分かってても、それでも、親しいからこそなんだと思う」

 

「……」

 

(……それに、それだけじゃなくて……如月さんを認めてくれた人だから……)

 

葵は如月を心配しながらも、如月を信じて、弾幕ごっこを中断させる様な事をしなかった。

 

そして、スペルブレイクした後、霊夢がスペルを発動させた。

 

「神霊『夢想封印・瞬』!」

 

宣言されたとほぼ同時に、四方八方に設置された扇に見える弾幕。

 

それらを初めて見た早苗はどうやってこの一瞬で配置したのか分かっていない様で、戸惑っていた。

 

しかし、それでも避けることには成功していた。

 

「なら、これはどうですか!開海『海が割れる日』‼︎」

 

「‼︎霊夢‼︎左右に動かず、真ん中に移動してくれ‼︎」

 

「何でよ⁉︎」

 

「良いから!早くしろ‼︎」

 

霊夢は葵からの説明で、如月が元の世界で早苗と一緒に住んでいたことを思い出し、如月の言うことに従った。

 

すると、早苗の横から海を思わせるようにユラユラ動くレーザーが、霊夢達の横を通過した。

 

「……成る程ね」

 

「……何故、貴方は私のスペルを知ってるのですか?」

 

「さあな?言ったろ?終わったら話すってな‼︎肉体強化『神雷』‼︎」

 

すると、如月の能力、『全ての力の原初を司る程度の能力』を使い、自分の体に雷を纏った。

 

……勿論、これを見た葵はと言うと、

 

「ヒッ‼︎」

 

涙目になって、小さく叫び、ルカの後ろにガタガタ震えながら隠れた。

 

「……なあ、ルカ」

 

「……なんだ?」

 

「……葵って、雷苦手なのか?」

 

「……ああ。ただ、『苦手』じゃなくて『怖い』だがな」

 

「……そうか」

 

歩とルカが、葵を見てそんな会話をしていたのは余談である。

 

「それから、龍剣『紫電』!」

 

すると、また能力を使い、剣に雷を纏わせた。

 

「………」

 

「うぅ……ヒック……」

 

ルカが無言で葵の様子を見てみると、本当に怖いようで、遂には泣き出してしまった。

 

「よしよし。泣くな」

 

「これぐらいで泣くな。たかが雷だろ。子供か貴様は」

 

葵の様子を見て、人型になった鬼灯は頭を撫でて慰めている側で、そんな事をいう夢幸であった。

 

「その構え……居合いですね。でしたら、私は貴方達より離れて避けるまで‼︎」

 

そう言って本当に離れようとした早苗だが、如月はそんな事を関係なしと、肉体強化した脚力を使い、早苗に急接近した。

 

「なっ⁉︎」

 

「これで……終わりだ‼︎」

 

そして、如月は早苗に対して峰を使って、気絶させた。

 

***

 

「霊夢‼︎だめですから⁉︎」

 

「離しなさい、葵。私の怒りはまだ収まってないのよ」

 

「だからって、もう終わってるのですから諦めて下さい‼︎」

 

弾幕ごっこが終わると、勿論、能力は解除され、雷が無くなったことにより泣き止んだ葵は、霊夢が早苗に近付き、まだ何かやろうとしているのを見て、すぐに止めに入った。

 

「何時もの霊夢らしくありません‼︎落ち着いてください!」

 

「私はこれでも落ち着いてるわよ!」

 

「……」

 

葵は霊夢からのその言葉を聞くと、本当かどうか確かめる為に、一度、顔を見た。

 

……そして、霊夢を解放した。

 

「ありがとう。それから、彼奴を治してくんない?じゃないと、話が出来ないから」

 

「うん、勿論だよ。最初からそのつもりだったからね」

 

葵は笑みを浮かべて承諾すると、早苗に近付き、能力を使って治し始めた。

 

「……それにしても」

 

「ん?どうした?」

 

「いや、葵は『雷』が駄目なんだな」

 

葵が泣くのを辞めたからといって、涙はちゃんと目に溜まっていた為、すぐに泣いていたことは暴露てしまい、理由を聞かれた。

 

その為、嘘を吐かずに説明した為、如月も理解した。

 

「まあな。……小さな時から、側で怖さから守ってくれる奴がいなかったからな」

 

「……」

 

鬼灯がそう説明すると、如月は悲しそうな顔をしていた。

 

「……ふぁあ」

 

「ん?どうした?凛華」

 

そんな時、ルカ達の後ろで立ったまま如月達の戦いを見ていた凛華から欠伸が漏れた。

 

「眠いのか?」

 

歩もまた、凛華にそう聞くと、凛華は肯定した。

 

「まあの。妾は長時間は此処に居れんからのぉ。妾は力の抑えが下手なのじゃ」

 

「そうか。なら、一旦、如月の中に戻っておいた方が良いんじゃないか?」

 

鬼灯はそれに納得し、凛華にそんな提案をするが、

 

「嫌じゃ」

 

何故か拒否された。

 

「え?何でだ?疲れてるんだよな?」

 

歩は驚き過ぎてそう言葉にする。

 

その質問に対しての答えが、

 

「妾が戻る時はご飯をたらふく食べた後じゃ‼︎」

 

と、言った。

 

「なんだ、そのくだらない理由は」

 

「お主にとってはくだらないかもしれぬが、妾にとってはくだらなかない問題じゃ‼︎」

 

何だか、争いが起きそうな雰囲気を醸し出す二人だが、歩と魔理沙が仲裁に入り、事な気を終えた。

 

「あ、あはは……」

 

それを、早苗を治しながら一部始終を見ていた葵は苦笑いをしていた。

 

「んっ……」

 

「あ、大丈夫ですか?」

 

葵は早苗の意識が戻ったのを確認し、大丈夫な事も分かると、霊夢を呼んだ。

 

「……ようやく起きたのね。あんた」

 

「……」

 

早苗は自分が負けたのを自覚すると、泣きそうな顔をした。

 

「……私、負けたんですね。……このままだと、神奈子様達が……」

 

「やはり、そう言うことか。」

 

早苗のその一言で全てに合点がいった鬼灯の顔は、心配そうな素振りは無かった。

 

何と無くは分かっていた葵もまた同様である。

 

「早苗ーーーー!」

 

すると、神社の中から声がし、出て来たのは、

 

「えっと、蛙の神様……じゃ無いですね。祟り神ですね」

 

葵は直ぐにその神の正体を看破した。

 

葵はそういう事に対しての知識は、賢者達にも劣らない知識量である。

 

「貴女は?」

 

「私かい?」

 

その蛙にも見えなくない姿をしている、小柄な金髪の女の子は名乗った。

 

「私は『洩矢 諏訪子』さ」

 

『守矢神社』の神、二柱の内の一柱。『洩矢 諏訪子』だった。




最後の最後で力尽きた……夏だとこれ、頻繁に起こるんたですよね……眠い

「理由が違う血がするが?」

それにしても、本当に夢幸さんが難しいです

キャラをお貸しいただいている作者様、キャラ崩壊を起こしてしまい、申し訳ありません

それでは!さようなら〜!
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