東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百十九話

〜桜の並木道・墓地〜

 

此処で掃除をしている者達は歩、霊夢、早苗、葵、華扇である。

 

旗からみたら歩はハーレム主であるが、そんな事はない。

 

そして、墓の前なのだから静かに掃除をするべきなのだが、そんな事もない。

 

女三人寄れば姦しいとはよく言うもので、

 

「霊夢さん!もうそろそろ白状してください‼︎」

 

「そうよ、霊夢。もうそろそろ白状なさい‼︎」

 

「嫌よ‼︎誰があんたらに言うもんですか‼︎」

 

「だったら、誰に言うというのですか⁉︎」

 

「葵とかによ」

 

霊夢、早苗、華扇が墓地があるこの場所で大きな声で話をしていた。

 

一体、何の話をしているのかと言うと、

 

「一体、誰なんですか⁉︎霊夢さんが好きな人は‼︎」

 

「私達に話しなさい‼︎」

 

「だから話すわけないでしょ」

 

そう、恋バナである。

 

恋バナをし始めると、女性というのはすぐ食いつく。

 

今回、この話を最初に切り出したのは華扇だが、今ではコレだけヒートアップしている。

 

ちなみに、葵と歩はというと、

 

「……」←自分に被害がこない様に黙って掃除している

 

「……」←気になるけど聞いちゃダメだと思いながら掃除している

 

こんな状態である。

 

「というか、あんたはどうなのよ。早苗」

 

「……え?」

 

「だーかーら!あんたに好きな人はいないわけ?」

 

「そ、それはですね……///」

 

その様子で悟った霊夢と華扇は早苗に詰め寄った。

 

……霊夢に関しては逆襲もあるかもしれないが。

 

「早苗、あんた誰の事が気になってんのよ。さあ、言いなさい」

 

「私達が貴女の力になりますよ」

 

「葵もだけど。そうよね?葵」

 

「⁉︎も、勿論ですよ」

 

イキナリ自分に振られて驚いた葵は吃りながらも返した。

 

「ほら、今すぐ言いなさい。歩だって言わないでいてくれるわよ」

 

「それは一体何の根拠ですか?ハッ!もしかして、すk「変なこと言ったら夢想封印ぶっ放すわよ」す、すみません……」

 

早苗は霊夢の剣幕に押され、結局話すことになった。

 

「わ、私が気になる人はですね……」

 

「「うん、うん」」

 

「……きさんです」

 

「……?」

 

「早苗、悪いけど聞き取れなかったからもう一回言って」

 

「は、恥ずかしいんですよ⁉︎これ言うの⁉︎///」

 

「それを言わそうとしたあんたが言うな」

 

霊夢からの正論にぐうの音も出ない早苗は勇気を振り絞って言うことにした。

 

「……そ、想起……さん///」

 

「え⁉︎本当ですか⁉︎」

 

これについては流石の葵も食いついた様で、驚いた顔をして早苗に近付いた。

 

「え?でも、あんたあんまり彼奴と接点ない筈でしょ?」

 

「その、この前の宴会の時にお話をしたのですが、想起さんの優しい所に惹かれまして……///」

 

早苗は好調させた頬を自分の両手に挟んでモジモジし始めた。

 

「まさかのそこでか〜」

 

「想起さんは優しい方ですからね」

 

「……それに」

 

「「「⁇」」」

 

「私、外の世界ではこの緑髪が他の人とは違ったので、虐められてたんです」

 

「……」

 

「でも、想起さんはこの緑髪を褒めてくれました。私、どれだけ虐められても、この緑髪が自慢だったんです。だから、それが嬉しくて……」

 

「……もしかして、この幻想郷に来た理由は……」

 

「……はい。信仰だけが理由ではありません。私は彼方から逃げ出したんです」

 

「……早苗さん」

 

そこで一度、沈黙が訪れた。

 

……すると、

 

「……あのさ」

 

歩が此処で口を開いた。

 

「外の世界の事は、俺はよく分からないけど、その緑髪って変なのか?」

 

「……え?」

 

「……そうですね。私達はずっとこの幻想郷で生きてきましたから、緑髪がどれだけ可笑しいのかとかよく分かりませんね。現に、私の髪の色は早苗さんとは色違いではありますが空色です。でも、此処ではそれが理由で一人になる事なんてありませんよ」

 

「……」

 

「外の世界での出来事を忘れろ、なんて事は流石に言えないが、でも此処は幻想郷だ。外の世界とは違う。だから、此処にいる間はそんな事を気にすることはないよ」

 

「歩さん……」

 

「それに、俺が知ってる早苗は『今』の早苗だからね」

 

「そうね。私が知ってる早苗は『時々突っかかってくるけど奴』だけど、あんたの『過去』とか興味無いわね」

 

「霊夢さん……」

 

「私は今回初めて会ったからちゃんとは言えないけれど、それでも、貴女が巫女として真面目なのは今見てても分かります。それに、一人の女の子であることも」

 

「華扇さん……」

 

「早苗さん。此処は幻想郷。『全てを受け入れる』場所です。だから、私達は『今』の貴女も受け入れます。それはつまり、『過去』も受け入れることになります」

 

「……どういうことですか?」

 

「今までの『過去』があるから『今』の早苗さんがあるんです。『今』の早苗さんを全てを受け入れることはつまり、早苗さんの『過去』も受け入れるということです。だって、誰しも色々な『過去』があるのですから」

 

ーーールカがそうだったように

 

葵は頭の中でそんな事を考えた。

 

葵はどうしても、ルカの過去を忘れることは出来なかった。いや、出来る筈がないのだ。

 

葵にとっては、その『過去』はあまりにも衝撃的だったのだから。

 

そして、想起の『過去』もそうだ。

 

想起の『過去』は葵とよく似ている。

 

いや、早苗ともよく似ている……理由は違うが。

 

想起は自身が持つその能力から外の世界の者達に忌み嫌われてきた。

 

外の世界の者達からしたら、その能力は異常だったのだ。

 

だから、想起は外の世界の者達虐げられ、最終的には幻想入りを果たした。

 

……一度、問題を砕牙が起こしたことにより、幻想郷から追放されたが。

 

早苗はそれが自分の身形にあったのだ。

 

「だから、早苗さん。もう大丈夫です。私達は貴女を虐げることはありません」

 

葵は微笑みながら早苗を優しく抱きしめた。

 

「……う、うぅ……」

 

「泣きたい時は泣いていいんです。今まで我慢してきたものを、今此処で吐き出してください。私が……いえ、私達がそれを受け止めますから」

 

葵がそう言うと、早苗は貯めていたものを本当に全て吐き出した。

 

……その後、一度空気がアレだったが、また桃色空間に戻って女子の恋バナが再開されたのはまた別の話である。




はい!これで掃除編終了です!

早苗さんの過去を何と無くこんな風にしてみました。

葵さん達が言ってることがよく分からないという人!……書いた私が分かってないんだから仕方ないじゃ無いですか!

それから、今回、歩さんのキャラが本当に心配でなりません。大丈夫でしょうか?

それでは!さようなら〜!
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