さとりに連れられ、葵達は地霊殿へと入っていく。
その際、パルスィ達とは別れていた。
パルスィは橋の方へと帰り、陽炎は自身の能力を使って地上へと向かった。
ちなみに、陽炎の能力はレティシア並みにチートである。
さて、地霊殿のさとりの部屋へと連れて来られた葵達。
その葵達の他にも、その部屋には居た。
漆黒の髪に蛇皮のロングコートを着た男性。
しかし、雰囲気から他の存在と異なる何かを感じることが出来る。
勿論、この雰囲気を受けて凛華はまた戦いたそうにウズウズし始めたが、それは如月が止めた。
歩以外の全員が誰なのかと考えていると、さとりはその心を読み、答えた。
「彼は『流竜泉 蜷局』。この地霊殿の裏手にある『龍眠湖』と呼ばれる湖に住んでいます。貴方方が来る一日前に地上に出て来ました」
「我が主から紹介があった蜷局だ。よろしく頼む」
「さて、それでは「あ、ねえ?さとり」何でしょうか?歩さん……ああ、こいしですか?それが分からなくて……」
さとりが話し始めようとしたが、それを歩が止め、歩の心を読み、それにそう答えた。
『こいし』という存在はさとりの妹だが、さとりとは違い心を読む為の瞳を閉じ、心を閉ざしてしまった少女である。
その能力は元はさとりと同じ『心を読む程度の能力』だったのだが、その瞳を閉じた為にその能力は封印され、『無意識を操る程度の能力』となった。
もしかしたら、部屋の中に居るのかもしれないが、その能力の所為か認知が出来ない。
さとりの能力でも心を閉ざしてしまったこいしの心を読むことが出来ない。
だから、部屋の中にいるという証明が出来ないのだ。
「本当に、あの子は一体何処に……」
「そんな子がいるのね」
「うん。俺とも結構仲が良いよ」
霊夢の言葉にそう返した歩。
そして、さとりはタイミングを測り、説明を再開した。
「……さて、一応確認を致します。貴方方は異変解決に来た、合ってますね?分かりました。……その異変主は紛れも無く私のペットです」
「え?ペット?」
魔理沙はその言葉に素っ頓狂な声を上げた。
「……やっぱり、お空だったんだね」
「はい。何故かは分かりませんが、ある日を境にお空に力が宿り、今はその能力を使って異変を起こしています」
「理由は?」
「『自分が貰ったこの力を使って地上を破壊して、灼熱地獄を生まれさせる』との事です」
「は?何その理由。巫山戯てるんじゃないの?そいつ」
流石の霊夢もキレた。しかし、それは歩が宥めて何とか抑え込むことが出来た。
「すみません、私の監督不行きが原因です」
「我が主、それは私が言うことだ。私はお空の一番近くに居るはずなのに、止めることが出来なかった」
蜷局は今の今まで寝ていた。
しかし、ある熱気を感じ始め、そして一日前に漸く地上に出てきたのだ。
蜷局は湖の主。そんな主が湖を放っといて湖から出ると、湖が干上がってしまう。その為、今までの中で一番に考え、そして行動に出た。
……この異変が始まったのもそこまで経っていないのだから、止めるなら今だろう。
そう考え付くと、全員がさとり達を説得(直ぐに承諾されたが)し、灼熱地獄跡の方へと向かった。
「そういえば、如月さんの近くにいた女性が勇儀と暴れていましたよね?」
「うっ、す、すまなかった‼︎俺が変わりに何かする‼︎だから許してくれ‼︎」
「でしたら、一週間。この地霊殿の使用人として働いてください。ついでに、勇儀達が戦った結果として残った地面も直して下さい」
「え?」
***
「此処がお空がいる『灼熱地獄跡』です」
さとりに連れられやって来た所はその名前が嘘ではないと直ぐに納得させられる程に熱かった。
それも、猛暑日の時の暑さよりも熱い。
「お空‼︎」
蜷局が大きな声でお空を呼ぶと、少ししてから黒い羽を生やし、黒髪の長髪に白のブラウスを着た女性がやって来た。
「あ〜!蜷局だ‼︎ヤッホー‼︎」
「お空、私はお空のやることを受け入れるが、これは流石に駄目だ。何でこんな事をした」
蜷局は確認のつもりでそう聞くと、さとりから聞いた事と似た様なことを言った。
しかし、その話の中にはさとりからは聞いていない『能力を与えた相手』の事も聞くことが出来た。
「……あの山の神達の所為か‼︎」
霊夢はその話を聞き、利き手である左手に拳を作り、絶対にボロボロにすると決めたのだった。
「お空さん‼︎この異変を今すぐ辞めて下さい‼︎このままだと、地上が大変な事に……」
葵が説得するつもりでそう言うが、お空は、
「それは無理だよ。貴方達が来るのが遅かった。私が力を使うと間欠泉が湧くのだから、無理だよ」
「なら、倒せば良いんだ。お前を」
と、そこで如月がそう言った。
「そうだね。僕も流石に地上を灼熱地獄に生まれ変わらせる訳にはいかない。だから、全力で止める」
「ふ〜ん、じゃあ、止めれるものなら止めてみなさい‼︎」
お空のその言葉を聞き、自分達が相手となる事を決めた如月と想起と相対する位置へと飛んだ。
「なら、始めようか」
「そうだね」
「やろうか」