東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百四十八話

次にやって来たのは魔法の森。

 

「そういえば、魔理沙」

 

「ん?なんだぜ?」

 

「此処で天気変わったりしないわけ?」

 

霊夢からの質問に対して、魔理沙は笑顔を浮かべて答えた。

 

「いんや、変わるぜ?」

 

その言葉に、おもわずため息を吐いた霊夢。

 

「……じゃあ、なんで紅魔館の天気に驚いてたのよ」

 

「彼処で漸く気付いたんだ。仕方ないだろ?」

 

「結構、重大な事をあんたは見逃したのよ!!」

 

「れ、霊夢、落ち着いて……」

 

魔理沙に対して怒る霊夢を宥めに入った葵。

 

「それで?どんな天気に変わるんだ?」

 

話が進まないと思ったのか、鬼灯がそう質問した。

 

「あ~、雨だ」

 

「服が湿るじゃない」

 

「洗濯物が乾せないね」

 

「霊夢も葵も、感想がずれてるよ……」

 

二人の感想に苦笑を漏らす歩。

 

そこから少し経つと、雨が降り始めた。

 

「あら、本当に降り始めたわね」

 

「嘘は言ってないぜ」

 

「でも、これは雨と言うよりも……」

 

「ああ、霧雨だな」

 

葵の言葉に続くように、ルカが言った。

 

「クスクス、魔理沙のfirst nameと同じ天気ね♪」

 

「ネイティブで言わなくても……」

 

レティシアの言葉にそんな言葉で返す想起。

 

「ふぁーすとねいむ?」

 

「つまりは苗字ってことだよ」

 

霊夢は首を傾げて繰り返すと、歩が教えた。

 

「そういえば、夢幸さんは家に居るの?魔理沙」

 

葵が魔理沙にそう聞くと、魔理沙は首を横に振って否定した。

 

「いや、夢幸は私達とは別視点から調べてる。何か分かるかもしれないからな」

 

魔理沙はどこか誇らしげにそう言った。

 

「夢幸なら紅魔館の図書館でシュロムと何かしてましたよ?」

 

「クスクス、もしかしたら、調べてる最中だったのかもしれないわね」

 

レティシアは夢幸がシュロムと一緒にしているのを知っていてしらばくれている。

 

理由は無いが、しらばくれている。

 

「あと、此処に住んでいる人は……」

 

「アリスとカロードだな」

 

「よし、行こう」

 

早苗からの質問に魔理沙が答え、龍が進む合図を出すと、皆アリスの家へと向かって行った。

 

***

 

アリスの家の前。

 

其処には今から丁度出掛けようとしていた。

 

「あ、待って!アリス!!」

 

葵の声はちゃんと届いたようで、アリスは葵達の方に顔を向けた。

 

カロードもまた、顔を向けた。

 

「あら?葵、この雹が降りしきる中、どうしたの?」

 

「は?雹?」

 

霊夢が「何を言ってるの?」と問いかけようとした時、頭に何かが当たった。

 

「痛っ!?」

 

「ほらね?」

 

「霊夢、大丈夫か!?」

 

「霊夢、大丈夫……」

 

歩が最初に霊夢に近寄り、葵も遅れはしたが近づこうとし、止めた。

 

何故なら……、

 

「霊夢、本当に大丈夫か?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

「そうか、良かった……」

 

「歩も葵みたいに心配性ね~」

 

「それは、霊夢の事が大事だから……」

 

「え……///」

 

「あ……///」

 

良い雰囲気だからである。

 

「……彼処は放って、話し合いをしましょうか」

 

「そうだな」

 

「クスクス、初々しいわね~♪」

 

「レティシアさん、楽しんでますね」

 

「クスクス、何時見ても恋愛は良いものね~♪見てるだけでも楽しいわ~♪」

 

二人の後ろでは、そんな会話がなされていた。

 

***

 

「……で?何で雹が降ってるのよ」

 

少ししてから何時も通りに戻った霊夢がアリスにそう問い掛けてみるが、アリスは「分からない」と答えた。

 

「カロードはどうだ?」

 

「俺も同じだ」

 

「ふむ……」

 

鬼灯が前足を顎に当てて考える。

 

思い当たる節があったが、それは無いだろと否定した。

 

「あ、そうそう霊夢」

 

「?何よ」

 

「貴女の神社は無事なの?」

 

「無事って何が?」

 

「だから、地震で倒壊したりしてないの?」

 

アリスのその言葉に、眉間に皺を寄せた霊夢。

 

しかし、アリスでは出来ない事はちゃんと分かっており、カロードもしてないと直感し、疑うのを辞めた。

 

「で、何でそんな事聞くのよ」

 

「上の雲を見なさい」

 

アリスに促され、全員上に顔を向けてみると、緋色の雲が見えた。

 

「緋色の雲……」

 

「アレがなんだって言うのよ」

 

霊夢がそう言うと、アリスは説明を始めた。

 

「この大粒の雹とあの緋色の雲はね、地震の前兆を知らせるものなのよ」

 

「神社は快晴だったわよ?」

 

「そういえば、私達の神社では蒼天でしたね」

 

「私一人になると、何故かダイヤモンドダストが起こってたがな」

 

「何でそれを言わないのよ!!」

 

霊夢が勢いよく葵とルカの方に顔を向けた。

 

「その、伝え忘れてました……」

 

「聞かれなかったからな」

 

二人の全く逆の答えに思わず溜息を吐いた霊夢。

 

と、そんな時にイキナリ天気が雹から風雨に変わり、其処に文が焦った様子でやって来た。

 

「あら?文、どうしたのよ。風雨まで一緒に連れて来て」

 

霊夢のそんな言葉など、今の文は気にしていられないようで、イキナリ霊夢に詰め寄った。

 

「霊夢さん!大変なんです!!」

 

「な、何がよ?」

 

文の気迫に押されながらも聞き返した霊夢に文は伝えた。

 

「私の鴉からの情報ですが、神社が倒壊、したそうです」

 

その言葉を聞いた霊夢達は、その場に文だけを残して博麗神社へと戻って行った。

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