東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百五十話

雲の中を進むこと約八分、広い場所に出た為、目的地に着いたのかと辺りを見渡そうとすると……、

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁあ!?」

 

と叫ぶ葵の声が聞こえてきた。

 

「葵!?どうしたの……」

 

霊夢は直ぐに葵の方に顔を向けると、其処には耳を塞ぎ、目を瞑って、座り込んでしまっている葵がいた。

 

「……あ~、これは」

 

「アレだな」

 

「アレですね」

 

「アレだぜ」

 

「アレか~]

 

「クスクス、アレね♪」

 

霊夢から始まり、ルカ、早苗、魔理沙、歩、レティシアが続けて言った。

 

アリスとカロード、龍も分かっている様で苦笑していた。

 

その場で唯一何のことか知らかった光冥は呆然としていた。

 

「え?あの、レティシア様?葵さんは一体……」

 

「クスクス、葵はね、雷が怖いのよ♪」

 

「ああ、成る程……」

 

光冥は隣にいたレティシアに聞いて、其処で漸く納得がいった。

 

と、そんな一向より離れた場所で、何かが光っていた。

 

一向(葵を除く)はその方向に目を向けて見れば、咲夜と妖夢が共闘して相手を倒している所が見えた。

 

その人が誰なのか唯一分かった不知火は直ぐに駆け寄り、抱き上げた。

 

その抱き上げられた人は、衣を羽織った女性だった。

 

「ぅ……し、不知火?ど、どうして此処に……」

 

「あの馬鹿を懲らしめてもらうために博麗の巫女と神無月の巫女を連れてきたんだ」

 

「あれ?私達はついでか?」

 

「……ついでかもね」

 

「クスクス、それは流石に無いから安心なさい♪」

 

魔理沙とアリスがそんな会話をしていたため、それを止めるようにレティシアが言った。

 

「で?あんた達二人は何で此奴と弾幕ごっこしてたのよ。あと、葵もいい加減耳から手を放しなさい」

 

霊夢はそう言うと、葵の手を無理矢理外そうとした。

 

「!?無理無理無理無理!!」

 

しかし、葵はその体からどうやって出しているのかも分からない強い力で抵抗した。

 

その所為で霊夢は悪戦苦闘。結局、大丈夫だと説得し、何とか耳から手を退けさせ、目を開かせ、立たせ(ただし霊夢の片腕をホールドしている)、話しを聞ける体勢にさせた。

 

「霊夢……貴女、そんな事もする時があるのね」

 

「こうでもしないと話が進まないじゃない。それで?なんであんた達は其奴と弾幕ごっこしてたのよ」

 

「この人が『此処から先は人間が入っていい場所じゃない』とか言うから……」

 

「私はてっきりこの人が犯人なのだと……」

 

「だから止めただろ、妖夢」

 

と、此処でずっと黙っていた永久が口を開いた。

 

「うっ……」

 

「まあ、今後気を付ければいいだろう」

 

永久はそう言うと妖夢の頭を撫でた。

 

撫でられている妖夢は少し顔が紅いが。

 

「と、兎も角、其処の傷付いている人を治しても、良いですか?」

 

葵は二人のその空気を壊してしまった事に対しての罪悪感と、傷付いている人の心配が混ざった顔をしてそう言った。

 

その申し出に頷いて返した不知火だった。

 

~少女治癒中~

 

「すみません、治して頂き有難う御座います」

 

「いえ、御礼は要りませんよ。私は自分のやるべき事をしただけですので。お怪我も治って良かったです」

 

元気になったその女性は直ぐに葵に礼を言うが、葵はやはりと言うべきか素直に御礼を受け取らなかった。

 

「それで?あんた誰よ」

 

霊夢がそう聞くと、その女性も頭を下げて答えた。

 

「私は『永江 衣玖』と申します。どうぞよろしくお願いします」

 

「そう、私は霊夢よ」

 

「葵と申します。よろしくお願いします」

 

「ルカだ」

 

「鬼灯だ」

 

「想起と言います」

 

「早苗と言います!!」

 

「こんにちは!俺は歩、よろしくな!!」

 

「咲夜よ」

 

「光冥と言います」

 

「妖夢です」

 

「……永久だ、よろしく頼む」

 

「アリスよ」

 

「……カロードだ、よろしくな」

 

「龍だよ、よろしくね」

 

「クスクス、レティシアよ♪」

 

全員が自己紹介を終えると、霊夢は咲夜と妖夢達に顔を向けた。

 

「次に、あんた達は何の目的で此処にいるのよ」

 

「霊夢、貴女は自分から出てる緋色の霧に気付いてないの?」

 

「は?何の事よ」

 

「葵は?」

 

「一応は……何なのかは分かっていませんが」

 

「何で言ってくれなかったのよ」

 

「一番重大な事は伝えました。それに、何なのか分かってもいないのに不安を煽る様な事をしたくなかったので……」

 

「不安になった事なんて少ないけどね……で?あんた達は幽霊の事を調べてるわけ?」

 

「あ、覚えてたのですね。はい、そうです。その調べている途中で紫様と会いまして……」

 

「……紫に?」

 

「……ああ。それで幽霊……気質を追って此処まで来た」

 

「気質……つまり、私達の天気がばらばらだったのも、私達の気質の所為?」

 

「でも、そんな事をする理由は一体……」

 

「……まもなく、幻想郷は目覚めます」

 

「「??」」

 

「目覚める?」

 

「はい。まもなく幻想郷を大地震が襲います」

 

「!?」

 

「……それを起こすのが元凶、で良いのよね?」

 

「はい」

 

「それは困るわね」

 

「幽霊を減らした後はに増やすなんて許しません!!」

 

「さっさ行くわよ!!」

 

『はい(おう・勿論・よ)!!』

 

霊夢の言葉の後、不知火と衣玖だけをその場に残して行くのだった。

 

そしてその場に残された不知火と衣玖。

 

「……あの方を止めれますかね?」

 

「大丈夫だろう。……俺達も一休みしてから向かうぞ」

 

「……私は大丈夫です」

 

「駄目だ。……心配なんだ」

 

「……分かりました。なら、一休みしてからにしましょう」

 

二人はそんな会話をしていた。

 

***

 

雲を突き抜けると、其処には何故か地面があった。

 

「……え、天に地面?」

 

「そこは気にしなくても良いんじゃないかしら?」

 

「それよりも、元凶は一体どこに……」

 

霊夢がそう言いながら周りを見渡す。

 

すると……。

 

『天にして大地を制し、地にして要を除き……』

 

そんな声が上から聞こえてきた。

 

そして、この後に決め台詞を言いながら現れる筈の所で……レティシアが上空に遠慮無用に弾幕の嵐を浴びせた。

 

『ぐへっ!?』

 

そんなうめき声をあげながら天から落ち、着地に失敗した人は、青髪のロングヘアーに紅い目、頭の帽子に桃の実と葉が付いた物を被っている女性だった。

 

「あの……大丈夫ですか?」

 

葵は相手を心配するが、相手は「平気よ」と言葉にしてから立ち上がった。

 

「あんたが『比那名居 天子』?」

 

「ええ、そうよ」

 

「どうして霊夢の神社を倒壊させたのですか?」

 

葵がそう聞いてみると、天子は嬉しそうに笑みを浮かべながら言った。

 

「私ね、天界の生活に飽き飽きしてたの。でも、地上では中々に面白いことしてるじゃない。だから、私もそれに参加したくて、起こしちゃった♪異変」

 

それを聞いて青筋を額に浮かべる霊夢。

 

「あんた、そんな理由で……」

 

「さあ、早く異変解決ごっこをしましょう!!私を楽しませてよ!!」

 

天子のその言葉を聞いた霊夢は葵に目を向けた。

 

「葵」

 

「分かってます。天子さんが私達を指名していますね」

 

「ええ……という事だから、あんた達に出番は無いから大人しくそこで見ていなさい」

 

霊夢のその言葉を聞いた魔理沙は一気に不機嫌な顔になった。

 

「なんだよ、私にもさせろよ~」

 

「私は貴女じゃなくて、其処の異変解決の専門家を指名してるのよ」

 

魔理沙の言葉が聞こえていた様で、天子が魔理沙に向かってそう言った。

 

魔理沙はそれを聞くと、しぶしぶながら引き下がった。

 

「さあ、始めましょう!!異変解決ごっこ!!」

 

天子のその言葉によって弾幕ごっこが始まった。

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