東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百五十二話

カロードと歩は同じ方向からの攻撃はせず、カロードは蜃気楼の前から弾幕を、歩は蜃気楼の横からカロードよりも数が少ない弾幕で攻撃をしている。

 

しかし、蜃気楼に全く当たっていなかった。

 

「カロード……」

 

「ああ、当たっていないな」

 

そんな二人に対して蜃気楼は……、

 

「天子にあんな事してくれた彼女の代わりに闘ってるんだよんねー?なら、僕もそれ相応に闘わなとねー」

 

そう言うと、スペルの宣言をした。

 

「金星『ヴィーナスナメル』!!」

 

すると、カロードと歩の周りに金色の弾幕が取り囲んだ。

 

「!?」

 

「……スペル」

 

歩は驚いたが、しかしカロードは冷静にスペル宣言をした。

 

「白符『ホワイトペガサス』」

 

カロードは直ぐに手に持っていて鉛筆で魔法陣を弾幕の数分描き、それを飛ばした。

 

その飛ばされた魔法陣に当たった弾幕は凍り付いた。

 

しかし、歩の所まではどうにもならず、歩は弾幕に襲われそうになるが、

 

「山道『登頂下山ハイウェイ』!!」

 

上空に跳躍し、難を逃れた。

 

そして、蜃気楼の頭上からレーザー状の弾幕を飛ばした。

 

しかし、蜃気楼は余裕を持って後退した。

 

「そんなんじゃ僕には当たらないよ~?」

 

歩がカロードの近くに降り立つのを見た蜃気楼は、次のスペルを宣言をした。

 

「水星『マーキュリーマイル』!!」

 

すると、大きな水の球が二人を閉じ込めた。

 

「ああ、パチュリーの逆バージョンか」

 

「そうだな」

 

観戦している方から「なんでそんな呑気な会話してるの!?」みたいな声がしたが、しかし二人はそれを無視した。

 

そして、そのまま水の球体は破裂した。

 

「「ぐっ!?」」

 

「「歩(カロード)!!」」

 

後ろから二人を心配する声が聞こえてきた。

 

「だ、大丈夫だよ。霊夢」

 

「俺も大丈夫だ、アリス」

 

二人は霊夢とアリスに笑顔を向けると、すぐに戻し、蜃気楼の方に顔を向けた。

 

「緑符『グリーンゴーレム』」

 

カロードがそう宣言すると地面を緑色に染めた。

 

すると、歩とカロードは受けたダメージが回復した。

 

「回復出来るだ、なら……えっ!?」

 

蜃気楼はスペルを宣言しようと手を動かし、カードを取ろうとしたが、腕が動かなかった。

 

試しに足を動かそうとしたが、しかし足も動かなかった。

 

「……君のスペルの効果?」

 

蜃気楼はカロードにそう聞くと、カロードは頷き、肯定した。

 

そして、その隙を逃す歩ではない。

 

「洞窟『ゲートリングトンネル』!!」

 

歩はそう宣言すると、釣竿を正面に構え、蜃気楼に突進していった。

 

そして、そのまま釣竿を突き刺した。

 

「うっ!!」

 

勿論、蜃気楼はその痛さから顔を顰めた。

 

その時に足も腕も動くようになり、蜃気楼は上空に飛び上がった。

 

「さ~て、もうそろそろお返ししないとね」

 

そして、蜃気楼は宣言した。

 

「地球『アース……」

 

しかし、その宣言中に極太レーザーが飛んできて、蜃気楼を呑み込んだ。

 

「「……は?」」

 

これは普通に予想外な歩とカロードは驚きの声を上げた。

 

しかし、二人は……いや、後ろで見ていた多数がその極太レーザーに見覚えがあった。

 

「ねえ?葵、あのレーザー……」

 

「……うん、凄く、見覚えがあるね」

 

「あれって……」

 

「ああ!!」

 

「「夢幸のレジェンドスパークだ!!(な……)」

 

そこで歩と魔理沙の声が重なった。

 

しかし、魔理沙の嬉しそうな声とは逆に歩はどこか呆れたような声だった……。

 

と、その時に声が聞こえてきた。

 

「む?雑魚を落としたようだな」

 

「つーか、いい加減離せ‼︎」

 

全員そちらの方を見ると、夢幸とシュロムが居た。

 

「夢幸……それにシュロムも。どうしたんだよ?」

 

カロードからの質問に二人は答えた。

 

「お前達と同じだ」

 

「此奴が無理矢理……」

 

「シュロムさん、御愁傷様です」

 

シュロムに対してそう言葉を投げ掛けた葵だった。

 

***

 

蜃気楼は夢幸のレーザーに当たった後、気絶してしまった。

 

その代りの様に起きた天子はと言うと……。

 

「ごめんなさい!!」

 

頭を下げて謝っていた。

 

「いえ、良いですよ。でも、もうしないで下さいね?」

 

「あと、うちの神社を立て直しなさい。それで許したげるわ」

 

葵と霊夢のその言葉を聞くと、天子は頷いた。

 

しかし、ルカはずっと天子を睨み続けている。

 

「?ルカ?どうしたの?」

 

それに気付いた葵はルカにそう問い掛けると、ルカは天子に問いかけた。

 

「おい、本当に反省してるんだな?」

 

その問い掛けに対して天子は「ええ!本当よ!!」と返した。

 

それを聞いたルカは氷柱を創り出し、それを天子に向けて投げようとしたが、しかし、其れよりも、そして誰よりも素早く行動に移した者がいた。

 

「レティシアさん!!」

 

龍のその声と同時に天子ははるか遠くに飛ばされていた。

 

「其処をどいて下さい!!鬼灯さん!!」

 

龍は今、自分の前に阻むように立っている鬼灯にそう怒鳴るような声で言うが、しかし鬼灯は怯まない。

 

「龍、落ち着け」

 

鬼灯はそう声を掛けた。

 

***

 

スキマ内では、紫と凜華が見ていた。

 

「あらら、レティシアの琴線に触れたはね、あの天人」

 

「それはお主もだろう。それにしても、龍は落ち着きを失くしている所為で周りが見えてないようだな」

 

「そうね。あの子が理性を失う程に激怒したのなら、あの天人が無事なわけないじゃない」

 

「それに、鬼灯も龍の行動を止める訳なかろう。あのレティシアを止めに入るじゃろう」

 

スキマに映っているのは、大人の姿となったレティシアと、ボロボロながらも立ち上がり、レティシアを睨みつけている天子だった。

 

別のスキマには、鬼灯が龍を説得している姿が映し出されていた。

 

「それに、貴女も飛び出ていたわよね?」

 

「あの小童を失う訳にはいかんからの~」

 

その言葉を聞いて、苦笑した顔をする紫だった。

 

***

 

別の場所では、見かけない女と少年がいた。

 

「へ~、此処があんたが生まれた幻想郷ね~。全然変化あるじゃない!!」

 

女は目を輝かせ、嬉しそうな声を上げた。

 

「そうだな。あっちよりかは……ん?」

 

少年の方は何かの力を感じ、上を見上げた。

 

「あ、何か変化が有ったわね!!」

 

女の方も嬉しそうな声を上げながら空を見上げた。

 

「は~、お前のそれは治らないのか?」

 

「無理、変化のない日常なんてつまんないだけよ」

 

「それを言うなら『異変解決』に参加したらどうだ?」

 

「いやよ、面倒臭い」

 

「はぁ……」

 

少年は深い溜息を吐いたのだった。

 

(この力……間違いない……姉上?)

 

溜息の裏でそんな事を考えていた。

 

***

 

天子は未だレティシアを睨みつけていた。

 

まあ、思いっきり蹴り飛ばされたのだから当然と言えば当然だが、やはり自業自得である。

 

「貴女……何するのよ!!」

 

「何するのと聞きたいのは私よ。貴女、倒壊した博麗神社を自分の住む場所にしようとしてるみたいでからね……キレたのよ」

 

そう言葉にするレティシアの顔は、ただただ無表情。能面のように無表情。感情どころか考えも、心境も読み取れない。

 

そんなレティシアに対して天子は笑いながら言った。

 

「それぐらい良いじゃない。それがなんだって……」

 

そう言葉にした天子の顔スレスレに、弾幕が目に見えない速さで通過した。

 

此れには流石に青ざめた顔をする天子。

 

それに対して、レティシアは漸く無表情を崩した。

 

今浮かんでいるのは、笑顔である。

 

「そう、反省の色は無しの様ね。なら……」

 

そこでレティシアは般若の様な顔を表に出した。

 

「美しく、残酷に……この場から住ね!!」

 

そう声を荒げると、天子との弾幕ごっこが再び始まった。

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