東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百五十三話

レティシアと天子の弾幕ごっこは、もう結果さえ決まってるかのような状態だった。何故なら……。

 

「スペル‼︎乾坤「雷神『トール神の雷』」キャアァァァ‼︎」

 

天子がスペルを宣言しようとすると、レティシアが宣言してそれを遮り、

 

「このっ……きゃあ‼︎」

 

立ち上がろうとすれば蹴りで飛ばされる。その繰り返しだった。

 

「くっ……私は負けないわよ‼︎絶対に‼︎」

 

「その負けないと思う気持ちは大事だけど、理由が不愉快よ」

 

レティシアはそう言うと、スペルを宣言した。

 

「神符『神々の怒り』」

 

すると、レティシアの周りに弾幕が形成された。

 

その数、およそ千個以上。

 

それが全て天子の方へととても速いスピード……音速ぐらいには出てるスピードで天子に向かった。それも全て真正面からではなく、上からも、左右からも、そして天子の後ろからも、全部向かって行った。

 

「‼︎」

 

天子はそれを避けようとしたが、しかし避けれずに終わった。

 

一度当たれば連鎖する。天子は結局、時間一杯まで当たり、最終的にはボロボロの姿で立っていた。しかも、意識もある。

 

その一部始終を無表情で見続けたレティシアは口を開いた。

 

「……まだ立てるのね。まあ、別に良いのだけど。神弓『アポロンの弓』」

 

レティシアが宣言すると、彼女の手に何処か神々しい弓が有った。

 

その弓を構え、天子を狙って射った。

 

勿論、天子は避けることは叶わず、そのまま気絶してしまった。

 

レティシアはそれを見ると何時も通りの姿に戻り、顔には何時もの笑顔を浮かべ、戻って行ったのだった。

 

***

 

レティシアと天子の弾幕ごっこ中に来たのであろう、不知火と衣玖が葵達の中に混ざっていた。

 

「あの……」

 

「クスクス、あの子は死んでないわよ。最後のあのスペルも、強制的に気絶させる為のものだからね♪」

 

レティシアは衣玖が言いたい事を先に言うと、衣玖は頭を下げた。

 

「この度は申し訳ありませんでした」

 

「すまなかった」

 

衣玖と共に不知火もまた頭を下げると、レティシアは頭を上げるように言った。

 

「クスクス、それよりも、葵達と一緒に介抱してあげたらどうかしら?」

 

衣玖と不知火はそれを聞くと天子の方に顔を向けた。

 

其処には既に葵と蜃気楼が天子の介抱を始めている姿が目に入った。

 

「すみません‼︎私も手伝います‼︎」

 

「俺も手伝おう」

 

「クスクス、それから光冥、咲夜」

 

「「はい、レティシア様」」

 

「クスクス、貴方達も本当は私を止めたかったんでしょう?龍もだけど」

 

「「……」」

 

「クスクス、ごめんなさいね、私の命令で縛ってしまって」

 

レティシアは此処で本当に済まなそうな顔をした。何時もの笑顔は消えている。

 

「いえ、レティシア様なら大丈夫だと信じておりましので」

 

「私も、光冥と同じ気持ちです」

 

「それでもよ。本当に、ごめんなさいね」

 

レティシアはそう言って光冥に頭を下げた。

 

流石にこれには慌てた光冥と咲夜で、直ぐに自分の主人に頭を上げるように促した。

 

頭を上げたレティシアは次に龍に近付いた。

 

「龍」

 

「……」

 

龍はレティシアの姿を目に収めると、直ぐに抱き締めた。

 

「‼︎」

 

「……心配、したんですよ?レティシアさん」

 

「クスクス、ごめんなさいね?でも、理性を失わなかったでしょう?凛華も『私が理性を失った時は』だったからね。後で彼女にも何かお詫びをしないとね」

 

「……」

 

「クスクス、大丈夫よ。もう私がこんな事をする事は無いわ。絶対とは言えないけど」

 

「約束してください」

 

「クスクス、無理よ。葵も分かってることだけど、『未来はとても不安定』。分かっていても何処かで変わる事があるのよ。もしかしたら、また私がこうなる事もあるかもしれない。でも、その時は……」

 

レティシアは其処で龍の顔を見ながら、笑顔で言った。

 

何時もの笑顔ではなく、優しい笑顔を。

 

「その時は、頼りにするはね♪龍」

 

「‼︎……勿論、頼りにして下さいね?レティシアさん」

 

二人の空間は桃色空間と化しており、誰も其処を邪魔しないようにしていたとか。

 

***

 

博麗神社の何時もの宴会場では、何時も通りの宴会が開かれていた。

 

そう、異変に関係してない者も入り混じる宴会である。

 

「ああもう‼︎これ片付けするの本当に私と歩と葵達だけなんだから散らかすの止めなさいよ‼︎」

 

「これは何言っても散らかしそうですね……」

 

霊夢はお酒の力も入ってそう叫び、その隣では葵が苦笑していた。

 

その離れた所では、結構な数の宴会客が集まる所があった。

 

其処には凛華がおり、目の前に有った大量の料理を一瞬にして食べ終わっていた。

 

「次の料理はまだかの〜?」

 

「凛華様」

 

「む?衣玖か」

 

「はい。凛華様、お食事で御座います」

 

「そうか‼︎なら頂こう‼︎」

 

凛華は衣玖が持ってきた料理をまた一瞬にして食べ、衣玖が持って来てのを食べのループが発生していた。

 

そして別の所では……。

 

「え?貴女の気質?う〜ん……うん、雪ね」

 

「あら♪道理で白玉楼には雪が積もっていたのね♪」

 

天子が幽々子の気質を見ており、その近くでは妖夢とルカ、そして永久が話していた。

 

「あの、それにしても、神社直さずに宴会して良いんでしょうか?」

 

「良いんだろう。霊夢が早く宴会したいと言っていたしな」

 

「……確かに」

 

「それに、要石も埋め込まれたらしいし、後は建設だけだ。心配するな」

 

「それにも心配が……あの天人に任せても大丈夫なんでしょうか?」

 

心配そうな妖夢に対して、ルカは天子を見ながら言った。

 

「それも大丈夫だ。それに付いてもう一度聞いたら、私の能力が反応しなかったんだ。彼奴はちゃんと真面目に直してくれるようだ」

 

「……そうですか、なら良かった」

 

妖夢が安心した顔をし、永久はそんな妖夢の頭を撫でたのだった。

 

***

 

宴会場からそんなに離れていないところでは、レティシアが一人、なぜか飲まずに立っていた。

 

先程までは龍も居たが、少しの間だけ外してもらったのだ。

 

「クスクス、居るのでしょう?『アルカ』」

 

レティシアがその名前を呼ぶと、レティシアの後ろから一人の少年が出てきた。

 

その背からは同じく蝙蝠の羽根が生えており、顔立ちもレミリア達に似ていた。

 

「……姉上。天界であの天人と戦ったのか?それも、本気の姿で」

 

彼は『アルカディア・スカーレット』。レティシアの弟でありレミリアとフランの兄である。

 

「クスクス、ええ、そうよ。でも、それは聞かなくても離れたところで見ていた貴方なら分かるでしょう?」

 

「離れているからこそ、確認をしたいんだ」

 

「クスクス、なら、もう確認し終えたわね?」

 

「ああ」

 

レティシアはそれを聞くとアルカに向き直り、直ぐに優しく抱き締めた。

 

「‼︎あ、姉上?」

 

「……心配したのよ?アルカ。急に行方不明になって……探したのよ?」

 

レティシアは今にも泣きそうな声でそう言葉にした。

 

それに対してアルカはレティシアの背に手を回して、優しく抱き締めた。

 

「心配を掛けてすまない、姉上……」

 

「……此処に無事な姿で戻って来て、その姿を見せてくれたのだから、許すわ」

 

レティシアはアルカから離れ、目に浮かんだ涙を指で拭いながらそう言った。

 

そして、そのアルカの後ろに目を向けて、聞いた。

 

「クスクス、それで?さっきから邪魔しないでくれたのは有り難いのだけど、其処にいる雪女さんは誰かしら♪」

 

レティシアのそんな声が聞こえたからなのか、木の後ろから出てきた者がいた。

 

白の振袖に雪の結晶が描かれており、長い髪を鈴が付いた髪飾りで結んでいる女性が出てきた。

 

「まあ、アルカから聞いてたし驚きはしないけどさ〜。やっぱり暴露たか」

 

その女性は楽しそうな笑顔でそう言うとアルカの隣まで移動し、アルカの頭に手を置いた。

 

「おい……」

 

「どうも、異世界の幻想郷からアルカと共に遥々引っ越して来ました‼︎『小倉 雪華』です‼︎アルカの友達だよ〜‼︎よろしくね〜‼︎」

 

雪華はそう言いながらまるでボールを叩くようにアルカの頭を叩いている。

 

アルカも流石に限界だったのか……。

 

「叩くの止めろーーー‼︎」

 

怒ったのだった。

 

しかし雪華は面白そうに笑っていた。

 

「わ〜い‼︎アルカが怒った〜‼︎怖〜い」

 

……全く怖がっていない様子である。むしろ楽しんでいる感じである。

 

「クスクス、アルカに友達が出来てくれて、私は嬉しいわ♪」

 

そんな二人に対してレティシアは笑みを浮かべてそう言うと、アルカは動きを止めた。

 

「ほれ?嬉しいって言ってもらってるよ〜?アルカ」

 

そんな感じでいう雪華をジト目で見てから、アルカはレティシアに顔を戻した。

 

「姉上。俺は今日から家に帰る」

 

「クスクス、ええ。お帰りなさい、アルカ」

 

「ただいま、姉上」

 

二人はまた抱き締めあった。雪華も流石に空気を読んだ様で、その場から居なくなっていた。




小倉 雪華

容姿:『ぬらりひょんの孫』の雪羅の髪を鈴の髪飾りで結んでポニーテールにした姿

彼女はこの小説が終わった後に投稿するつもりの東方小説に出てくるキャラですので、設定の方には載せません

さて、これにて緋想天は終了‼︎次の章はまた日常編です‼︎これが話数が多くなる理由ですけど知りません‼︎

それでは!さようなら〜!
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