「今回は、葵の日常みたいだが・・・」
「・・・」
「・・・まあ、始めからシリアスだな」
「・・・うん」
(気まずい・・・)そ、それでは、どうぞ!
*章の名前を変更するかもしれませんのでご了承下さい
第十五話
〜葵side〜
ーー……ん…………らーー
私は夢を見ている。
私が夢を見る時は大抵三つのパターンのどれかです。
一つ目は、普通の夢。
よくある『有り得ることがない』夢です。
幻想郷だとそれはないように思われるかもしれないですが、実際はあります。例えると、人の顔が目の前で犬の顔になったりだとか、そういう夢。
二つ目は、予知夢。
これは私の能力が関係している為、私が見る夢の大半はコレです。
そして、三つ目の夢は……、
ーーあ……んて、ら……いこ……ーー
ーーあんたなんて、私の子じゃない!この世にはいらない子なのよ‼︎ーー
『過去』の夢
***
「……はっ!」
……私はどうやら魘されていたようですね。でも、もう慣れたものですね、あの夢を見るのは。
「……いらない子、か」
母にとって、必要だった子は『私』のような『化け物』ではないのです。『普通の能力を持った子』なのです。……それぐらい、小さな頃には気付いていた事でしょうに……。
(……私は)
……考えても切りがありませんね。私は私に出来ることをしなければ‼︎
まずはルカを起こさなければいけませんね。
***
私が今日、担当する所は境内です。ですから、今は掃き掃除中です。
(やっぱり、掃除というのはいいですね。心も洗われた様な気がします)
私が掃除に集中していると、
「……葵」
「ん?どうしたの?ルカ」
今日の魚を取る当番だったルカが何故かドヨーンとした状態で来ました。まあ、この状態から察するに……。
「魚、取れなかったんですね」
「……すまない、その通りなんだ」
さて、魚が取れなかったとなると、
「……人里に降りて、魚を買いに行くしかないね」
「‼︎葵、無理していかなくとも私が行く。だから、お前は此処で待ってろ」
「大丈夫だよ!私一人でも行けるから!」
「……そっちの心配じゃないんだが」
「大丈夫だから!だから、ルカ!此処をお願いね!準備をしてくるから!」
「……」
「お願い、出来るかな?」
「…………分かった」
「ありがとう、ルカ!それじゃあ、準備してくるね!」
「……葵」
「??」
「……無理は、するなよ」
「……大丈夫だよ!無理はしてないから!それじゃあ、行くね」
……私が『嘘』を吐いてる事など、ルカには暴露ているのでしょうが、何も言わないのは有難いですね。特に、今の私には。
***
「さて、鮭は有りますかね」
出かける準備を終えた私は人里にいます。前に人里に降りた時は何時だったでしょうか?……忘れてしまうぐらい前という事でしょうね。
(……さて、鮭を買いに来たのですから、早く用事を済まさなければいけませんね。人里の皆さんの為にも)
私は久振りに来た人里で、魚屋さんをを探す事になりました。
「……あ、有りました」
さて、早めに買い物を終わらせなければいけませんね。霊夢の分も取れなかったので、霊夢に説明して、自分で買ってもらうことにしましょうか。
「あの……」
「はい!いらっしゃ……⁉︎……」
「あの、鮭を三つお願いします……」
「……待ってな」
……今の様子から分かるでしょうが、私はこの魚屋さんに……いえ、
『人里の皆さん』から余り良く思われていません。
……理由は分かり切っていることです。私の能力が原因です。
人なら誰しも、見られたくない過去というものがありますよね?私の『未来と過去を見る程度の能力』は、見られたくない過去すらも見ることになります。
相手に無断で過去を見られて気分の良い人はいませんよね?いえ、例え見られたくない過去でなくとも、過去を無断で見られるのは嫌ではないですか?……私なら、嫌です。
でも、私の能力はそれが出来てしまう。
だから、私は人里の皆さんから嫌われています。私が今まで人里に降りようとしなかったのはコレが原因です。私は、皆さんにそんな気持ちを持たせたくはありませんから。
……いえ、それも有りますが、最もな理由は……。
ーー私が皆さんに嫌われている事を実感したくないからーー
ーー私だけが、人里で一人なのが寂しくて、それを実感したくないからーー
「……」
「……おい」
「……え?」
「ほら、鮭だ。さっさと代金払って帰ってくれ。客が減って商売上がったりだ」
「……分かりました」
私はそのお店の店主さんに代金を払ってその場を立ち去りました。
そして、神社に帰る途中に、
「……痛てっ!」
「!君、大丈夫?何処か痛い所あるかな?」
「うう、膝が……」
「分かった、じゃあ治すから、膝を出してくれるかな?」
「へ?う、うん」
私は能力を使い、その男の子の怪我を治しました。
「わぁ!お姉ちゃん、すごい!」
「ありがとうございます!私に出来るのはこれぐらいですから……」
この子の過去も勝手に見てしまった私には、お礼なんて本当はしてはいけないんですよ?
……でも、この子は知らない様ですね。……少しぐらいならいいですよね?
「あ!幸多!大丈夫……⁉︎幸多‼︎その人から離れなさい‼︎」
「え?なんで?この女の人は僕の傷を治してくれたんだよ?」
「……幸多君、お母さんの言うことを聞いてあげて下さい」
「?何で?」
「何ででもですよ」
少しの幸せの時間を貰えたんですから、それで十分なんです。この日の事は私の心の奥底に封印しておきましょう。
「お姉ちゃん」
「?何でしょうか?」
「また、会える?」
「……分かりません」
「……そっか、だったら!何処に住んでるのか僕に教えて!」
「え?」
「幸多‼︎早くその人から離れなさい‼︎今すぐに‼︎」
「はーい……お姉ちゃん!また会った時には住んでる場所を教えてね‼︎絶対だよ‼︎バイバーイ!」
こうして、幸多君はお母さんの元に走って行きました。
(……お母さん)
私にこの能力がなければ、あんな風になっていたのでしょうか……。
今は分からない事ですが、きっと……。
(…。さて、早く帰らなければ。遅めのお昼ご飯は確定ですね)
私は何時もよりかは幾分軽い気持ちで神社へと帰りました。
さて、今回はどうでしたか?
「まず、初めの葵の夢だが、アレは・・・」
書いてあるとおり、葵さんのお母さんの言葉ですね
「うん」
「葵の母親が求めていた『普通の能力を持った子』というのは、幸多という子供を治した時に使用した能力だけ持った子供ということだ」
「そういえば、あの幸多という男の子は何なんだ?」
葵さんの過去は重いですからね、まあ、アレです。人里アンチを回避してくれるお助けキャラですかね
「そうですか、分かりました」
まあ、今後も度々出てくるとだけ言っておきましょう
「・・・え?で、でも、私はあの子に神社に住んでいるなんて一言も」
人里の人達は、貴方の事を嫌悪しているんですよ?それなのに、子供には教えないなんて有り得ますか?
「まあ、確かにそうだが、それが家の場所を教えるのと一体どういう関係が・・・」
あくまで私の考えですが、人って他人の事を教える時は、その人の家の場所を言ったりしませんか?
「それは、噂話だ」
ま、まあ、いいじゃないですか!まあ、それがダメなら方法は一つ有りますが・・・
「?方法?」
はい、また貴方と幸多君を合わせる方法です!
「は、はあ(苦笑)」
まあ、今回はここまで!
「「「「さようなら〜!」」」」