東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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今回の話で日常話は終わりです!

短かったですけど、楽しんでくれていたら幸いです

それでは!どうぞ!


第百五十九話

真夏が終わり、今は夏から秋へと移り変わろうとしている時期の中、霊夢は早苗に呼ばれた為、集合場所の守矢神社の石段に向かっていた。

 

「変な所を集合場所に指定したもんね、早苗は……何かあったのかしら」

 

そんな言葉を言いながら移動しているその前方にチルノがいた。

 

その近くには珍しく大妖精がいない。

 

「チルノ、何してるのよ」

 

「あたい達と一緒に遊ぶんだ‼︎霊夢‼︎」

 

チルノは大きな声で霊夢に指を差しながら何故か命令形でそんな事を言ってきた。

 

「はぁ……悪いけど、私はこれから都合があるから一緒に遊べないわよ」

 

「そっか〜、なら、仕方がないね‼︎今日は諦めるよ‼︎」

 

チルノはそう言うと、そのまま降りていった。

 

霊夢はそれを見届けると、移動を再開した。

 

***

 

守矢神社の石段には、早苗ともう一人いた。

 

「想起、あんたまで何でいるわけ?」

 

「早苗に呼ばれたんだ。霊夢も?」

 

「そうよ」

 

二人はそんな会話をすると、早苗の方にほぼ同時に顔を向けた。

 

「で、用って何よ。私、コレでも忙しいのよ?」

 

その言葉に早苗は苦笑を浮かべたが、要件を言った。

 

「実は、うちにお客さんが来たのですが……」

 

「お客さん?参拝客?」

 

想起は首を傾げながらそう言うと、早苗は肯定した。

 

それを見た霊夢は訝しみ、質問した。

 

「別に可笑しな所なんて無いじゃないの」

 

「まあ、そうですけど……何というか、違うんです」

 

「?違う?」

 

「はい。その、雰囲気が幻想郷に昔から住んでいる人と違うんです。私や想起さんに雰囲気が似ていて……」

 

「……幻想入りね」

 

霊夢はそう結論を出すと、石段を一段登った。

 

「分かったわ。後は何とかするから其奴と会わせなさい」

 

「はい‼︎」

 

早苗はそれを聞くと、石段を登り、全員を先導するように歩き始めた。

 

そして、全員が石段を登り切りるとそのまま本殿に入り、客間の障子戸を開けると、其処に座って待っている黄色の目に腰に銃剣を差した青年がいた。

 

「……あんたが幻想入りしてきた奴ね」

 

霊夢がそう聞くと、青年は首を横に振った。

 

「え、違うの?」

 

想起がそう聞くと、今度は首を縦に振って肯定した。

 

「早苗、どういうことよ」

 

「いえ、私も幻想入りした人だと思ってたので……」

 

早苗は本当に困惑している様で、顔が困った顔をしていた。

 

それを見たからなのか、青年は口を開いた。

 

「僕は『五十嵐 月日』って言うんだ。よろしくね」

 

月日という青年が自己紹介をした為、早苗達もしようとしたら、それを月日が止めた。

 

「大丈夫だよ。知ってるから」

 

三人は知られている事に驚いた様子を見せていなかった。

 

寧ろ、その言葉のお陰で合点がいった。

 

この月日という青年が帝達と同じ、別の幻想郷から来た人間であることに。

 

早苗はその後、霊夢達に座る様に促した。

 

その促しを受け、全員が座布団の上に座ると、話を始めた。

 

「で、あんたは何処の幻想郷から来たわけ?如月?龍?岩槻?ミコト?帝?それともその何処にも属さない別の所かしら?」

 

「帝達の所の幻想郷から来たんだ。それから僕も住んでるその幻想郷には如月や龍もいるよ」

 

霊夢の質問にそんな風に答えた月日。

 

「帝さん達の……」

 

「そう。住んでいる幻想郷では、僕は早苗と一緒に守矢神社の方に住んでいて、『今』は神奈子様を信仰してるんだ」

 

「『今』は?それは『前』があったってこと?」

 

「違うよ。つまりは……」

 

月日のその言葉の途中で何かがグルンッと回った。

 

すると、月日の目の色が黄色から緑色に変わった。

 

「こういう事だ」

 

「⁉︎あんた、口調が……それに目の色も」

 

と、イキナリ口調も変わった月日。

 

「……僕と同じ、二重人格」

 

「そういう事だ。因みに、俺達は一つの人格に一つの能力がある。俺は『-の概念を司る程度の能力』だ」

 

「それなら月日さんは『+の概念を司る程度の能力』ですか?」

 

早苗がそう聞くと「ああ、そうだ」と言って肯定した月日とは違う人格。

 

「……えっと、名前は?」

 

「『五十嵐 明』だ。こっちの俺は諏訪子様を信仰してる」

 

「二人とも別々の神様を信仰してるってわけね。本当に真逆なのね」

 

想起が質問し、それに答えた明。その明の言葉に霊夢はそう言葉にしたのだった。

 

「で、あんたは何の用事で此処に来たわけ?」

 

霊夢がそう聞くと、明は一度、早苗とその隣にいる想起を見てから言葉にした。

 

「唯の興味本位だ。遊びに来ただけだ」

 

と、其処でまたグルンッと回り、

 

「後はこっちの早苗の様子を知りたくてね」

 

月日に戻ると、そう言葉にした。

 

「?私の?」

 

「そうだよ。あっちだと僕と早苗は付き合ってたからね」

 

それに三人とも衝撃を受けた顔をした。

 

「え……本当に?」

 

「本当だよ」

 

「そ、そうなのですか⁉︎」

 

「そうだよ」

 

「……」

 

「想起?どうしたんだ?」

 

霊夢と早苗がそう言う中、一人だけ何も言葉を発さず、顔を下に向けている想起に心配で声を掛けた月日。

 

その声が聞こえたようで、ビクッと驚いた様子を見せると、顔を元の位置に戻した。

 

「いや、何でもないよ」

 

((……なるほど))

 

想起のその様子に霊夢と月日は何かに納得がいった様子だった。

 

「……さて、それじゃあ僕はもう帰るよ。此方の神奈子様にも信仰したし、明も諏訪子に信仰したようだし、それに、早苗達とも話せたからね」

 

「そう、分かったわ」

 

そして、全員が一度境内に出ると、何処からともなくスキマが出てきた。

 

「それじゃあね」

 

月日がそう挨拶すると、またグルンッと回り、明が出てきた。

 

「じゃあな」

 

それに対して気にした様子もない霊夢達は、

 

「ええ、そうね」

 

「また会いましょう‼︎」

 

「そっちの早苗と霊夢、それから帝さん達にもよろしくね‼︎」

 

三人のその言葉を聞くと、明はそのままスキマへと入り、帰って行ったのだった。

 

「……それにしても、彼方の私と月日さんが」

 

早苗はそう言うと、隣にいた想起に視線を移した。

 

それに気付いた想起は首を傾げる。

 

そして、早苗は早苗で顔を紅潮させ、顔を背けた。

 

それを始終見ていた霊夢は、呆れたからなのか、はたまた想起の鈍感さへなのか、溜息を吐いたのだった。




はい‼︎これで霊夢さんの日常パートは終わりです‼︎

次回は儚月抄‼︎……といっても、小説版と漫画版の一番最後のしかないので、前半はオリジナルになりますが

一番最後の以外が本屋さんに売ってなかった……

それでは!さようなら〜!
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